半落ち (講談社文庫)
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半落ちの感想・レビュー(1630)
事件に関わるあらゆる人の立場から書かれており、「人としての心」や「仕事上の建前」等、そこにはたくさんの葛藤があった。最後の最後まで展開が分からなかったが、梶の秘めていた優しさや思いやりが、主体となった人物達を通しヒシヒシと伝わって来た。「介護問題」に関してはいつ誰が直面するか分からないし、人事では無く、それは自分かもしれない。余談ですが、警察や検事等の階級称を知らなかったのでそこだけ少し難しかったです・・・w
ひとつの事件に携わる6人の視点を通して物語が進んでいく。それぞれの問題と葛藤する姿がリアルで上手い。優しい結末に心が温かくなりました。池上君、良い子だなぁ。
先輩の紹介で読みましたが、本当に面白かった。刑事、検事、記者、弁護士・・・と変わり行く主体者からみた、梶への思いや疑問、そして自分に関わる黒い話し、と、心理描写が巧みに描かれている。グイグイとその中にひき込まれてしまった。「妻を殺してもなお、なぜ生きるのか」というテーマがグッときました。
まさかこういう結末に至るとは思わなかった。登場人物全員に感情移入が出来る、希有で素晴らしい小説だったと思う。私的に今まで読んだ本の中で一番面白かった。
とても面白かったのだけれど、最後が。最後が軽い。もう少し腹に落ちる最後が欲しかった。凄い期待大の作家さんゆえの要求と言うのは自分でも分かってるのですが。。。
アルツハイマーに侵された妻を殺めた夫の真実に迫ろうとする6名の物語。最後にすべて謎が解けるがそこに至るまでの構成が秀逸。どっぷりハマリました。時折挟まれる組織内・組織間の争いも人間臭さが漂ってて興味深かったです。
主人公を取り巻く人々の立場が痛々しく伝わってくる。組織や権力の限界を打破し、真相を暴く熱血漢は誰なのかと期待しながら読み進めるのだが、結局そんな人は最後まで出てこなかったところがリアルで良かった。終盤、刑務官の葛藤と勇気を描いた章は感動した。
6人の男が、1人の男の瞳に魅せられて、真実を導き出す手法が絶妙。刑事、検察官、裁判官、記者、刑務官、弁護士。思うことはそれぞれ異なるのだけれど、最後に行き着くのは梶総一郎を死なせないという決意。そして誰かを生かしたいという梶総一郎の思い。アルツハイマーとドナーと、介護問題もあり、考えさせられる一冊でした。
真実を突き止めようと複数の人物の視点から物語を構成されており、様々な角度から作品を楽しむことが出来ました!結末の美しさには激しく感動し、ぜひみんなにも読んでもらいたい作品です!また、人間関係の細かい描写にも感心させられましたね。
梶総一郎に関わる6人の男の取る行動、心の動きこそがこの物語の見所。真実に向かって事が明るいほうに開けていくほど人生は甘くなく、かといって諸悪の根元と呼べるようなわかりやすい悪者も登場しない。組織の中や置かれた立場の上で貫ける正義には限界がある。ただ、梶の殺人は情状酌量の余地のあるものであったにせよ、少々美しく描かれすぎと感じた。
さすが名作! 構成として、妻を殺してしまった梶さんを取り巻くそれぞれの立場、それぞれの感情の葛藤が何ともいえずグッときました。結末はあっけなかったけど、そこへ向かう感情の波がとても良かったです。
作者繋がり。見事な小説だった!素晴らしい構成力。現職警官が殺人を犯し、事後空白の二日間を各章の語り手達が追う。警察、検察、新聞、弁護士、裁判官、刑務官、それぞれの章の舞台に徹底した取材が感じられる。また、それぞれの語り手の人生、心情、葛藤が見え隠れし、堂々とした読み応え。各々一篇の小説の主人公になれるほどの魅力を持った彼ら。そんな彼らを透明な穏やかさで自然に惹きつけてしまう元警部。また、気付かぬほどの細かな伏線が見事に収束していく気持ちよさ。オチは終盤に見当がついてしまったが、それを補って余りある読後感。
梶さんを取り巻く人からの視線で1つの事を追っていく書き方凄く面白い!全員が仕事上の立場VS自分の感情の葛藤の心情が伝わってきました。空白の2日間の真相のオチは少しパンチに欠けてるけど、それを省いても読んでる内に自分が刑事や検事になってる様に物語を追えて面白かったです。同じアルツハイマーの父が居るという、藤森さんの章で泣きました。
恐ろしいほど自信満々の小説だと思った。なにしろ、この小説は梶の空白の二日間に関する手掛かりをまるで出す気がないのだ。キーワードの域を超えたヒントが出るのが第五章の終盤。そこに至るまではヤマカンレベルでしか推理が出来ない。つまり、読者に餌をやらなくても最後に引っ繰り返せるだけの凄まじいオチが用意してあると思ったのだが……凄く微妙なところだったという本音。でも正直、六人の男達をあれだけ振り回しておきながら徹底して菩薩の如く書かれ、仮にも人を殺してるのにAGEられ続ける梶にイラッとしたのが一番の本音。
HNTKさん推薦本。あっという間に読み終わった。一人の登場人物の物語を複数の視点から追う書き方は好きです。惹きこまれたが、若干、落ちが唐突な気がする。とはいえ読みやすく、面白い。
誰かの為に生きるというのは、充実した人生を送る上で大切なことなんだな〜と改めて思った。たとえそれが、自分の独りよがりであっても。梶は自分の奥さんを殺す反面、誰かのために生きることを選択した。矛盾はあっても、それが梶の独りよがりなわがままであっても、志木、佐瀬、その他大勢の人に迷惑をかけたとしても、決意した以上は正しい生き方なんだろうな。
予想していた本とは違ったけど、面白かった。梶が生きると決意した理由が、少し弱かった気がするけど。働くってうまくいかないもんですね。
話題になっていたのでずっと気になってた。最後の最後まで真相は分からないけど、真相どうこうよりも、色んな立場の人が縛りや裏切りのある中で、感じるところもあるだろうけど、胸に納めて仕事をして生き抜いてる様子が胸を打った。人生ってままならないもんですね。
知力、策略?直木賞。逃した魚は大きいけれど、その後に起きるは繁忙期。
6人の視点、6人の立場、入れ組み考察ひとりの気持ち。人生50年!!「私もと」感化される力あり。
そうこの本は絶対面白い!!
数年前、映画を見て引き込まれた物語でしたが結末をすっかり忘れていて、今回本を読んでも思い出せず最後まで一気に読み進められました。映画もそうだけど重々しくて、人間のリアルな感情が滲み出ているいい作品でした。事件を軸に、アルツハイマーの妻を殺した元警察官の梶の空白の2日間を巡って6人の関係者が語り手として物語が進む描き方は、なかなか面白いと思いました。それぞれの語り手自身の背景も丁寧に描かれていて読む度に少し感情移入します。それぞれの進行は警察の黒い部分が壁となり綺麗には終わらないけど、最後に少し気持ちが救わ
アルツハイマーの妻を警察官が自殺幇助。妻を殺害してから自首まで空白の2日間にはなにがあったか。様々な人物を通して描く。骨髄移植ねえ。うん
現役警察官が起こした嘱託殺人を巡り、事件の発端に関わる刑事から話を進展させる記者、その流れを転ずる検察官と弁護士、そして話を見届ける刑務官へと一つの事件、一人の男に対し、語り手が変わっていく。各章で、期待や不安がない交ぜになった腹八分目の余韻を残しつつ、ストーリーは展開していく。そのテンポの良さと心地好いまでの話の吸引力に、一度引き込まれたらページを捲る手が止まらなかった。しつこい位に語られる犯人像と対照的に決して語られない空白の時間。読んでいる最中も読み終えてからも考えさせられる部分が沢山あった。
人間ドラマ。よかった。物語は異なった立場の6名の視点で描かれる。警察のメンツを守るため、家族を背負って組織に翻弄される男たち。間違いだとは分かっていながら、組織の波に流されてしまう。くたびれた、必死な姿は滑稽なほどだ。生きる希望を喪ったはずの梶の澄んだ瞳。なぜ明りは消えていないのか。そこまでして守りたいものとは。分かっていながら、ラストにほろりとさせられた。『あなたは誰のために生きているのですか』
アルツハイマーを患う妻を扼殺した警察官、梶聡一郎は、自首するまでの2日間どこで何をしていたのか。県警指導官、担当検事、記者、弁護士、裁判官、そして刑務官が、梶の語ろうとしないその謎に惹き付けられる。日々、組織の規律・規則と仕事の多忙さの中で、一体自分は何のために働き、何のために生きているのか、見失っていやしないかと言われている気がした。そして、規律・規則や多忙さを理由に、見逃してはならない何かに目をつぶり、それをベルトコンベアーに載っけて右から左に受け流しているんじゃないかと。筆者の突きつける問いは重い。
梶の息子が亡くなった理由と「人間五十年」というキーワードで、彼が生き続けたい理由が早々にわかった方もいるかもしれません。それをわからなかった自分に腹が立ちました。梶は自分は恥辱にまみれ、周りからどんな罵詈雑言を浴びせられようとも、文字通り人の為に生きました。「そんなに綺麗に死ななくていい。」犯罪者に対して言う台詞ではないですが、美しいラストには一見の価値ありです。紛れも無く名作。個人的に今年読んだ本の中で1番良かったです。
自分は守りたい人がいるのかな。何をやってるのかなって自己嫌悪。将来結局どうしたいのかもあやふやだし、今日は逃避して過ごしたし。梶さんのようにもう少し誇りを持っていたい。
アルツハイマー病の妻を委託殺人した警察官、梶警部をとりまくストリー。梶警部の人間性に魅了されていく人たち。そして、殺害から自首までの空白の二日間が明らかになるが、梶警部は最後まで「半落ち」。 深いー話し。
2008/1/22 Amazonにて購入2011/9/5〜9/7現役警察官、梶総一郎がアルツハイマー病で苦しむ妻を殺害した、と自首してくる。犯行については全面的に認めた梶であるが、自首するまでの二日間については頑として話さなかった。果たして空白の二日間には何があったのか?取り調べた警察官、検事、新聞記者らの視点から次々と語られる事件の真相は?映画化もされた横山氏の代表作。最後に明かされる謎は少し弱い気もするが、思わず目頭が熱くなる。人が生きるための矜恃とは何かを考えさせられる。名作。
現実に起こりえる話かもしれない。時間軸が戻るならば、悲しみを二度も経験することになる。これは実際に認知症を患った方と接してみて感じたことがあります。決して小説として閉じるのではなく、小説で何かを学ばなければならないと思いました。
古本屋で購入。ずっと積読状態だったが、ふと手に取って読んでみると、おもしろかった。それぞれの立場からの同じ思いが伝わってくる。結構斜め読みしてしまったので、あと2回ほどじっくり読んでから、映像を探そうと思います。
★★☆☆☆ 立場の違う複数の語り手の描写が見事です。一つの事件に対するそれぞれの思いや人生観、葛藤、状況などが説得力のある言葉で綴られていて、あれだけ視点が変わっても話に置いていかれることなく読み進めることができました。ただ、それらの個々のエピソードは面白かったんですが、一冊の本として振り返ってみると、主軸となっている梶が最後まで掴みづらかったので、何故あんなに皆が見守ろうとするのか、途中何だか少し気味が悪い気もしました。梶の魅力があまり伝わってこなかったような気がします。
聖人のような梶。それにほだされてゆくほかの人たち、という構図と解釈しました。もはや人外の存在のような描かれ方の梶にいまひとつ釈然とできなくて。ひねくれ者はだめですね。映画で、俳優さんの表情を見られたほうが染みるかも。
妻を殺した元警察官、梶総一郎が自首するまでにいたった ”空白の二日間“ を追う物語です。もう泣きすぎて瞼が腫れました。想い出や時間は、決して無かったことにはなりません。でも…病気は想い出を残して記憶を奪うことがあります。人はいつも、誰かに助けられ、支え合わないと生きていけないのだと思います。騙し合いや興味本位、大人の事情や世間体。そんな次元で読み進めていて、心から恥ずかしいと感じました
いろいろ物議をかもした作品らしいが、こんな作家が文壇に出てきてしまったらあたしのセールスに響くとでも思ったのだろうか?林真理子は?読者層が違うだろうに。 たしかに『半落ち』のオチが若干物足りなさを感じるが、作品としてみたときに何のマイナスにもならないと感じる。なにしろ、読ませる力、引き込み力は、すごいものがある。久々の警察(犯罪)小説だったが、横山秀夫の大ファンになりました。
アルツハイマーを患う妻を殺害し自首してきた警察官が、絶対に守り通したかったものとはなんだったのか。警察官、検察官、記者、弁護士、裁判官、刑務官という、保身だけを考える組織に属する6人が紡ぎ出してゆく真実。主観が変わっていく中で、一つの出来事に対して受ける印象も全然変わってくる。「落ちに欠陥がある」と評価され、筆者が直木賞と決別するきっかけになった作品らしいが、素人目にはそんな欠陥は微塵も感じられなかったし、十分に面白かった。元新聞記者だけあって、組織の描写は圧巻。
半落ちの
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