珍妃の井戸 (講談社文庫)
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珍妃の井戸の感想・レビュー(666)
あの『蒼穹の昴』の続編なのか、これが。光緒帝の寵姫の死の真相をインタビューで暴いていくという手法だが、言うことがみな違い、真実は霞のように。魅力的な主人公もいないし、各人の「嘘」の背景も消化不良。列強の貴族が自国の蛮行を知り涙するなんてありうるだろうか。壮大な学芸会を見終わった気分です……。★☆☆☆☆
「ロシア人もドイツ人も日本人も足下にひれ状した。すべては謀略だったのだろうか。周到に、綿密に計画された美しい罠に、自分たちは嵌まったのかもしれない。」「朕はー、珍妃を愛していた」「載湉、私の愛しい人」「再見」
二読目。「蒼穹の昴」に始まり「中原の虹」に繋がる物語。ミステリ仕掛けになっているところが面白い。誰が珍妃を殺したか?―7人の証人が語る7通りの証言、食い違うそれらのどこに真実があるのか。全てが解ったあと、証言者たちの嘘の理由に思い至ると胸が熱くなる。初読時はあまりといえばあまりな珍妃の人物像に胡散臭さを感じたけど、昴からそのまま読み返してみると、怪訝な印象はだいぶ薄らいだ。そうか、尺度そのものが違うのか。
再読。前よりもすらすら読めて嬉しい事実は同じでも、見る人によって真実は違ってくる、ということを主張し続けている本。それに慣れてないから、え結局どういうこと?ってなっちゃうけど。それと帝政を守ろうとしている人々が主人公なのが新鮮だった。歴史は曖昧であることを忘れてはいけない。
1年以上の積読本。『蒼窮の昴』再読して良かった。登場人物がつながります。ミセス・チャンに導かれるスタートは魅力。けれど珍妃殺しの犯人探しの為に、現場にいた主要人物の証言の連続で、途中からだらだら読んでしまいました。が、残り僅かな所でひっくり返る。なんたる鬼畜・恥知らずな。『蒼窮の昴』とはかなり趣向違う物語ですね。気分転換してから『中原の虹』へ向かいます。
ナイス! ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ -
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- 01/03
いやしかし、最初から最後までミセス・チャンの手のひらの上で踊らされていただけの話だったな(笑)ミセス・チャンが4人の貴族に思い知らせたこと、それがこの話の結論なんだろう。珍妃が誰に殺されたかというのは実はどうでも良くて。証言者の話がちぐはぐなのは、意図的に嘘をついているというよりは、それがその人にとっての真実なんだろうと思った。相手に向けて証言をするという形の一人称語りが地の文になっているのは浅田次郎がよく使う手法だけど、読んでてすごく楽しい。ふと証言者が語っているその場に引き戻される瞬間が好き。
蒼穹の昴を読んだのはもう何年も前なのでそのつながり的な楽しさはあまり感じ取れなかったのだけど。語り手が次から次へと変わり、そのたびに見える“真実”が変わるのでどんどん読み進めてしまう。でも、なんだろう。独白の形を取ってるからかどうも湊さんがちらちら頭に浮かんでしまって、うーん、最後の展開といいうーん、おもしろかったけど、なんか、惜しい感じ。
読了。この本の中の真実は恐らく巻末の事なんだろう。けれど、最も重要な部分は光緒帝の言葉にあると思う。これが本質的にこの悲劇を表しているのでは、と思った。誰もがつく嘘たちの背後にある一つの事実。これがなければ最初からこんな悲劇は起こらなかった。嘘をつく必要もなかった。どうしようもなく哀しくて切ない話でした。さて、中原の虹を読まなきゃ。
結末にぐっときました。珍妃がかっこいい。文は読みやすいですが事前にこの頃の歴史を復習してからの方がより楽しめたかと思いました。オチがちょっと強引かなと思いつつ列女伝の話を考えたらありかとも思えてきました。
蒼穹の昴を読んだので、読んでみた。浅田次郎は真実を明かしたい訳ではなく、歴史のミステリーを題材に伝えたいことがあるのだと思うし、そもそもファンタジー小説家なので、そういう香りのする小説になっている。が、どうも自分としては釈然としない。終わり方も釈然としてない。まぁ、これが浅田小説の醍醐味なのかなぁ。段々、自分で何を書いているのか分からなくなってきた・・・。
ミステリー?うーん、これは大河小説の変化球か。史実として?が残る珍妃の死。これを列強の陰謀うずめく歴史の流れにからめて仕立てるとは、アイディア賞というか技術的にスゴイなと思う。「蒼穹の昴」の登場人物たちが幕間にプライベートを語ってくれたような、妙な親近感が面白い。また、少し間をおいて、「中原の虹」へ行きましょうか。。。
蒼窮の昴の続編と期待して挑んだが、やはり楽しめた。空白の二年間を、様々な人間の証言を通じて読者の想像力を掻き立てる、見事な展開。珍妃の高潔さに心打たれました。
1900年に起こった「義和団の乱」直後の北京が舞台。面白く読んだが、導入部と終章が繋がらず違和感を覚えた。もう一つ気になったことは、111pに「北京飯店は、英国人がBeijing Hotel Chinaと呼び習わす、近代的な豪華ホテルである。」と書かれているが、その当時の北京はPekingと呼ばれていたのではないかと思う。学生時代の地図もそうだし、義和団の乱を描いたアメリカ映画「北京の五十五日」(伊丹十三も出演)も原題は「55days at Peking」と記憶している。
『中原の虹』を読むために先に読了。『蒼穹の昴』とはアプローチがまったく異なるがぐいぐい読み進められる。最後のどんでん返しは少し強引な感じもする。それならば客観的に描かれる外国人貴族4人の心理描写はもっと違ったものになっていたはずでは、と。
「再見」という言葉に込められたもの…ラストの独白は呪がかかっていると感じた。蒼穹の昴とは趣が違うが、インパクトは強烈。…そして続く、中原の虹へと。
小さな悪魔から天子への話の流れが絶妙でした。天子の内容が人間の本来の姿を書いているようでした。発言が食い違っていて、どうなるの?と思ったら実は…と全ては暴かれました。珍妃の言葉が好きです。『載恬、私の愛しい人』珍妃の井戸は珍妃と光緒帝の愛の物語ではないかと思います。実際上はどうあれ、これほど愛され慕われた人は居ないのではないでしょうか。もし、この二人がただ末裔の男と女、帝と側室ではない身分で出会っていたらと思うと涙が止まりません。浅田次郎さんの本はいろんな意味で沢山の勇気を与えてくれます。
泣かせるミステリーでした。やっぱりこの方の西太后様好きです。列強の恥を知らぬ行為に帝国主義の恐怖が…。そしてラスト。女神がここにいます。
一般文芸としては結構良くできているのではないかと思う。語り口とか構成とか、手練の技という気がする。ただ、歴史小説としては凡作。これを読むことで書き替わる歴史というものが明示されていないし、作者自身もビジョンを持っていないように思える。浅田次郎の歴史観というものを示してほしい。『壬生義士伝』ではそれができていた訳だし。
「蒼穹の昴」を読もうか迷ったので、手始めに1冊で読めるこちらを購入。事件を追う貴族たちの動きと証言者の独白のどちらも読みやすくわかりやすかった。特に独白には、立場によって視点も心の内も違うという、ある種この作品のテーマとも言えるおもしろみがある。個人的には、外国人貴族たちが突きつけられることになる無力、もどかしさが切なかった。
『蒼穹の昴』に続く第2作。珍妃殺害の犯人を暴く、インタビュー形式で進むミステリー。こういう形をたまに見るけれど、この作品がこの形になっているとは。一方的にただ証言を聞く部分が多いのに、本当に聞き入ってしまうというか、読みこんでしまう。それぞれの思惑が交錯する中、珍妃の高貴さが際立った。文質彬彬な彼女は真に美しく、読者にとっても尊く、愛おしい人だ。『中原の虹』へ続く。
実は「珍妃の死の謎」には全く興味を持てず読み始めた。ところがきっちり最後まで読まされた。ダンスシーンから始まってステップを踏んで証言者たちを巡り、ぐるっと回って最初のダンスの場所に戻ってくる。「これでは全く話が進んでいない」と思ったら、転調して全く別の曲が静かに始まり終わる。「珍妃の死の「事実」がどうだったにせよ。「真相」はそういうことでしょ?」という結末だった。浅田次郎は物語の匠だなぁ。
証言として語られる文章に少々苦痛を感じたものの、読み進めるにつれて見事に作品にひきこまれた。光緒帝も珍妃も良い人達なだけに痛々しい。
珍妃については世界史の勉強中にさらりとやりましたが、改めてその謎を追っていく。疑う余地もなく西太后だと思っていましたが、最後のどんでん返し的な結末にはとても驚きました。
「誰が珍妃を殺したか?」最後まで飽きる事なく読めました。『蒼弓の昴』での登場人物が違った視点で書かれているのも面白かったです。『中原の虹』も楽しみ!
珍妃殺害の真相を明らかにするために、日英独露の列強国の高官が関係者の証言を聞いていくのだが、証言が見事に食い違う…。関係者は真相を明らかにするよりも、日頃憎んでる人に嫌がらせをしようとか、列強国の高官に嫌がらせをしようと思っているみたいだ。あとは、女性の嫉妬は怖いなと思ってしまった。色んな意味で瑾妃はインパクトがあった。やはり終盤の小さな悪魔〜天子の展開に驚かされる。そして、最後の数頁の珍妃のセリフ(?)が、本作品としての真相を示唆してるのかなぁ…。光緒帝も珍妃も聡明なのに不遇だと感じた。
中国清朝末期を舞台にしたスケールの大きな物語に感動。登場人物のそれぞれに「珍妃を殺した犯人は誰か」を語らせる手法も面白かったが、ラストは意外な結末だった。
歴史を知らないので、結局誰が殺したのか分からなかった結末には、・・・そういう結末かい!という感じ。まぁ、光緒帝の証言が、一番正しいのかも。殺したのは、列強各国だと。
ミセス・チャンにストーリーを予告させ、次から次と「蒼穹の昴」で馴染みの関係者から証言を重ねていく。誰が犯人なのかじりじりしながら想像を重ねた。すっかり作者のペースに嵌められた。
珍妃の井戸の
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感想・レビュー:134件







































