亡国のイージス 下(講談社文庫)
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亡国のイージス 下の感想・レビュー(844)
上巻でため込んだエネルギーを爆発させるかのような怒涛に怒涛を継ぐ展開は否応なしに読者を引き込んでいく。後半はイージス艦<いそかぜ>艦内で行われるハリウッド映画さながらの戦いを中心に描写しながらも、登場人物一人ひとりの葛藤を丁寧に描いているので、単なるアクションものとは一線を画す出来栄えに仕上がっている。クライマックスの沈みゆく<いそかぜ>を前に、そこに居合わせた全ての人々が誰に頼まれずとも、敬礼をするシーンには思わず胸が熱くなり、自分も心の中で敬礼をしてしまった。
終盤の怒涛の展開に圧倒されたが、その勢いに負けじと最後まで読みきった。人間の心はなぜこんなにも強く、そして脆く弱いものなのかを痛感させられました。最後のシーンで希望を感じられたのはよかったです。
海自と旧大戦・旧軍との歴史性を感じさせるところがほとんどないのは意図的なのだろうか…ジャンルは違うだろうが佐藤大輔『征途』とかを思い出すと、そのあたりが物足りない。これ『ザ・ロック』っぽいな、とか台詞回しがひっかかって、北朝鮮軍が何をしたいのか今ひとつわからなかった『宣戦布告』に続き本作も『半島を出よ』ほどにはのめりこめなかった。自国の軍とはいえ「すでにあまりにも多くの血が…」のような表現が何度も出てくるというのもなぁ(これは私の感覚がおかしい可能性大)。そういや映画で如月やってた勝地涼は最近聞かないな。
事件のオチはいささか拍子抜けしたが、行と仙石の頑張りに読む手が全然止まらなかった。最後のシーンが、この物語に似合わない雰囲気があって良かった。
仙石と行がどうやって逆転するのか期待しながら読んでいたが、それ以上に宮津艦長の心の揺れが印象的で、最終的にはどっちに転ぶのかのほうが気になっていた。ハラハラドキドキする展開で終始面白く読めた作品だった。
事件全体のオチのつけ方にはやや不満を覚えるが、それを補って余りある登場人物たちの戦いに圧倒された1000ページ超だった。先日読了したop.ローズダストは東京臨海一帯を駆け回ったが、本作は閉鎖された空間の中で、それぞれの守るべきもののために動き回る人間たちの描写は丁寧に描かれていた。主人公二人の活躍もよいが、宮津の最後の決断に、それまでの展開が冗長だったからこそ心を打たれた。再読決定である。
上下巻合わせて1000ページを超えるボリュームだが、決して長すぎるとは感じず。人物の目の描写、表情を描くときに使われる「微かな…」という表現が印象に残った。ハードなアクションが描かれる一方で、仙石と行が絵画を通して通じ合っていく様子など内面の描きかたが繊細であり、タイミングよく描かれているので、ハードな場面の連続に興奮しすぎる気持ちを登場人物に寄り添わせ、ストーリーに引き戻してくれた。終始飽きずに楽しめたわ。
すごくスピード感のある物語。 ドキドキハラハラ感をともなってどんどん読める。 残酷な場面も多いけれど、人の気持ちを拾っていきながら読みすすめられた。 ところどころにぐっとくるところもあり・・・ 『感覚の鈍さ、伝えきれない思いがあるから、人は人とつきあっていける』 仙石さんのすばらしいところだと思った。 終章で別の角度の思いと、仙石・如月の『その後』が見えてよかった。
映画を見てから読んだので、先は何となくわかっていたけれど面白かった。登場人物が人間性を取り戻していくのが印象的。中でも、行と宮津のやりとり、終章は泣いた。このような良い作品に出会えてよかったな、と思った。もう一度映画を見直す予定だけど、きっと見方が変わりそう。
「映画は観たがどうも、ね」という方は原作を読んで頂きたいと思う。隠された舞台に人々の「心の揺れ」が丁寧に描かれている。読了間もないうちに再読したいと思える作品だ。
手が汗だらけになって本がよれよれに。どの登場人物のこともおざなりにされずに書かれてて読んでいて嬉しくなった。
「この国の形を問う」と言う重厚なテーマと、息をもつかせぬ怒涛のアクション。そして繊細で丁寧な人物描写。アクションエンタテイメントのお手本と言える。いくつかの結末の中には拍子抜けなものもあるのだが、補って余りあるほど面白い。主要登場人物にも完璧なヒーローなど存在せず、それぞれが過ちを繰り返しながら響きあい、人として歩んでいく姿に希望を描き出す、最終的に人間ドラマなのだと感じた。この国に、国民に散々ダメ出しをしておいて、最後に「それで良いんだよ」と抱きしめる福井はずるい。そりゃ感動するわ。
途中冗長な部分もあったが、人間味あふれる登場人物たちの魅力が最大限に発揮されたラストだった。GUSOHを開放したヨンファだがその結果は…。ヨンファとジョンヒの最期は哀しすぎる。仙石さんは行に、行は仙石さんに救われる。行と宮津艦長は互いに父と子の影を相手に見て、過去を清算、許し許される場面や、「先任伍長、操艦!」「先任伍長、いただきました!」の場面は泣ける。竹中副長、カッコよすぎです!!渥美さんも好き!あの平さんが登場、またヘリパイとして活躍していて嬉しかった。
矛盾をはらみ戦争することを放棄し、形骸化した国を守るために命をかける価値はあるのか。表面上はそのようなメッセージを発してた上巻から下巻ではそいった矛盾を我々が孕んでおり国家や戦争といった「大きな物語」から、人間は矛盾した社会や自分自身と葛藤するなかで「生きる」のかという事に重きを置かれている。仙石のセリフを引用すると「そんなのは本当の平和じゃねぇ。嫌なものをみないようにしてるだけだ。そうじゃなくって、そういう辛い現実があるってことを認めて、ちゃんと備えて、その上で考えていかなきゃ」これに全てが込められてる
読者としては仙石さんの理想論はまどろっこしいものですが、実際いきなり戦場に立たされたら、「殺さなきゃ殺される」って思っていても躊躇してしまうものでしょうねきっと。これ読んだら「アメリカめ!」ってなってしまうな・・・
色々と考えさせられるテーマだし、個人的にはいろんな意味で好きな小説です。ただ、事件の裏側のオチには、人それぞれ考えるところはあると思いますが。。。
ハラハラしながら読んだ。長いし難しいけどその分だけ面白い良作でした。 あの場面でジョンヒを一瞬羨ましく思った女性読者は私だけではないと信じたい……(笑)
すごくハラハラする展開だったり引き込まれる展開だったりするときに、読み手の先を早く読みたいと焦る気持ちと裏腹に、目が文字を追うスピードが追いつかず、結果的に何度も同じ部分を読み直すはめになり、一度落ち着いて深呼吸しなければならないときがある。特にこの本では度々ある。後半の怒涛の展開は、かなり痺れる。そして泣ける。涙をこらえなきゃいけないので、電車の中で読むのはしんどかった。再読でも充分楽しめる作品。おもしろかった。
早く先が読みたいので、だいぶ流し読みしたけど、すごく時間掛かった…でも面白かった。今度からこの人の本が読みたくなったら映画にしとこうと思ったけど…2時間に纏めきれるんだろうか?
先任伍長力すげぇ(笑)。 …とまあスーパーな活躍は多々あるものの、総じて大満足の作品であった。 心に残るのは、阿久津のシーマンシップのシーン。 ハラハラさせられ、考えさせられ、感動させられ、熱くさせられ…が結実した、大作。 日本に生きる者は必ず読むべきである。
再読。当時はこの作品に描かれていた東南アジアで起こる各国の駆け引きに驚きを覚えたが、再読して何より思ったのは、宮津艦長のこと。人間は他面的なものだが、テロの首謀者、父親、自衛艦の艦長と宮津艦長ほど他面的に描かれた人はいないのではないかと思ってしまう。国に息子を殺された父親であり、その復讐をしようとするテロリストでもあるが、復讐のために自分の艦の乗員が犠牲になる度、逡巡してしまう。最後、息子の隆史から「ありがとう、お父さん。あなたは、子が誇れる父でした。」のセリフは電車内で泣きそうになりましたw
昔映画版をテレビで見たことがあって、「ザ・ロックのパクリみたいだな」という記憶ぐらいしか残っていなかったが、今回原作を読み、登場人物の揺れ動く心情の描写や、スケールの大きいストーリー構成に魅了され、すっかりハマってしまった。これは二時間の映画にするには少し無理があるし、内容の薄い映画に見えちゃうかなと少し納得。(同じような筋書きなのに、ザ・ロックに比べこうも劣るのは残念でならない、、、原作のレビューとは関係ないが。)
映画が酷かったので、原作を確認したかったのがきっかけでした。まぁ、大義を背負ったドンパチが勘違いだった話と、権力闘争をする偉いさんは最後に泣いて、泣いて、自分の仕事を問う展開はベーシック。終章があって良かった。これだけ文字の多い原作ですから、スッキリした映画にするにはかなりの腕が必要だと認識できたのが収穫。
先任伍長の最後まで諦めない姿に涙。行は仙石さんと出会って本当に良かった。ラストシーンにとても希望を感じられて、すごく良いです。
男たちが各々の理由で戦い始めた。それぞれの抱く正義を貫くために。しかし、その結果として次々と失われる命。起死回生をかけて始まった作戦も、あっさり敵に見抜かれて失敗してしまう。戦いの描写が鮮明で、戦争の残酷さがひしひしと伝わってくる。兵士ひとりひとりの人生が描写され、誰かが死ぬたびに、残された家族のことを考えずにはいられない。福井晴敏がここまで筆を尽くして描きたかったのは、戦争の現実か、日本の自衛隊の矛盾か、平和ボケした日本人への警鐘か。メッセージ性が強く、いろいろと考えさせられた本だった。
圧倒的スケールで描くアクション小説です。 重厚なテーマ、緻密な人物描写、リアルな戦闘シーン。 どれをとっても一級品。読んで損はないでしょう。 ラストは恥ずかしながら大泣きしてしましました。
(上下巻合わせての感想です)対価を払わずに当たり前だと思っていることに胡坐をかいている」というジョンヒたちの思想は的を得ていて「終戦のローレライ」も思い出しながら「日本人は今まで何を考え、行動すべきだったのか?」と考えられずにはいられませんでした。イージス艦を巡る出来事の悲しいまでの滑稽ともいえる結末に悲しみで胸が締め付けられました。しかし、仙石さんに出会ったことで孤独だった行が大切なことを学んだことや彼を孤独たらしめた心の傷が癒えたシーンは「よかった」と泣きそうになりラストシーンに胸が温かくなりました。
北朝鮮の工作組織とそのスパイである自衛官が最新鋭のイージス艦をのっとり、米軍が開発した大量破壊兵器を手に大規模テロを計画中・・・と思いきや、衝撃の展開が・・・ はっきり言ってビビる。一方、政府中枢部では亡国の危機にも関わらず防衛庁と警察庁との間での主導権争いがあり・・・ 自衛隊士官と北朝鮮工作員が手を組み暴走する動機が希薄なのと背景描写がくどい感があるのが残念だが、「アンカー」如月行の生きざまはステキ☆
亡国のイージス 下の
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感想・レビュー:121件














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