数奇にして模型 (講談社文庫)
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数奇にして模型の感想・レビュー(1427)
S&Mシリーズ九作目となる本書「数奇にして模型」。大学と模型交換会会場、それぞれ別の場所で起こった殺人事件、今回も見事にしてやられました。今作の犯人の行動や登場人物のキャラクターはシリーズの中で最も特異性が強かったのではないでしょうか、犯人や真相の予想は全く立てられなかったものの、その匂い立つような特異性の正体を見極めようと夢中になって頁を捲っている自分がいました。このシリーズも残すところあと一作、楽しみなのですがその半面、終わってしまうのがとても寂しいです。
封印再度のときと同じく、タイトルは「好きにしてもOK」の言葉遊びか…? なんて。正常と異常との違い、『1』というものへの葛藤。心がひっかかれる。犯人の思考を怖いと思うことで、自分の立ち位置を確認する。そんな在り方も幻想かもしれないけれど。
「模型が模すのは型ではない。ものを作りだす精神と行為だ。(略) その原型を作り出した人間の精神を汲み取る」長谷川さんのこの理論が、この事件の犯人にも適用できるとするなら、彼は筒見紀世都を模することで何を感じようとしたのだろうか。紀世都自身の思考? それとも紀世都という「人間を作り出す」精神? 森さんの著作ではおなじみの、読了後も残る謎。
10数年ぶりにこの作品を読んだけれど、今のシリーズに比べると萌絵がまだ子供だったし、とある作品の伏線になっていることに気付いた。模型愛好者の集いで首なしの死体が発見されるところから物語は始まる。普通と異常について議論されていた。普通の思考で考えると犯人のいわゆる異常な思考が分からない。これは犯人にとっては普通の思考を理解できない気持ち悪さから犯人が分かりづらくなっている。僕としては犀川先生と喜多先生の駆け引きが良かった。 確認したら辰巳さんのデザインからやはり鈴木成一デザインに装丁が変わっていた
もはや理系という感じはしないけれど、とても面白かった。今回初めて登場する大御坊や曾我先生が、とてもいい味出してるね。S&Mシリーズは次で最後。楽しみだけれど、ちょっと寂しい。
普通と異常の境界線、普段はあまり意識せずに考えているそれら、知らず知らずのうちに私も自分を軸に他者を排他しているなぁと改めて実感…。
犀川先生が、不本意にも(?)萌絵ちゃんに振り回されまくった感じが嬉しいわぁー笑!!あと、国枝せんせといい、愛ちゃんといい、やっぱり脇役が個性派揃いで素敵♪国枝せんせも徐々に人間らしくなってるような…。
それにしても、ラストが意味深。彼は、遠回しに結果的には自分のせいで妹は殺されたと言いたかったのかなぁ…??
7章プラス、プロローグ、エピローグからなる1冊。1章ごとが長過ぎず、展開の切り替えが読み易かった。萌絵の危機に犀川先生も珍しく活動的。しかし、事件の真相には唖然!特異な世界の人間ならではの独特な事件でした
読む前にはそのぶ厚さに圧倒されましたが、読んでみると1章が1日ごとに100P前後でまとまっており、テンポ良く読む事が出来ました。推理小説として反則ギリギリの手法を使っての意外な結末。人の思考の裏をかく手腕は見事で、気持ちよく騙されました。だからこそ、この先生の作品と感じられます。新登場人物も個性たっぷり。金子君がかっこよすぎて浜中さんの影が一気に薄く感じてしまいました。どこまでが1か、正常と異常の違いは何か、違いはいくらか…、改めて考えると、と言うより、改めないと考えもしない言葉にハッとします。
途中まで読んでる内は動機の異常さから、ミステリとしてあまりフェアではないと感じましたが、コンセプトである「形・型」を意識して振り返れば、筋の通った納得のいくものだったと驚かされます。このシリーズでは度々、自分の固定観念に欺かれてしまいますが、本作では特にそれを感じました。長編にも関らず入り込めたのは、そんな部分が癖になって惹かれているからなのかもしれません。面白かった。
人間の危うさ、存在、目的、価値観というものはいったい何だろうと思わされます。犯人の行動、萌絵の行動、犀川先生の思考、このシリーズは事件を軸にしていないミステリーだということを思い知らされた気がします。事件を解決することが目的である必要があるのだろうかと考えさせられます。
いよいよS&Mシリーズも9作目。残り1作品だと思うと寂しくなります。今回は模型という私の全く知らないジャンルが舞台でしたが、その中の思考や目的が興味深かったです。犯人にもいいように振り回されました。最後の余韻がいつもの森さん特有のもので、もしかして…と思ってしまいます。彼のあの手紙にあったかもしれない本当の意味…もう誰も知ることはないのでしょう。各キャラクターが生き生きとしていて、分厚いにも関わらずあっという間でした。犀川先生、かっこ良かった。やる時はやる先生が好きです。
S&Mシリーズ9作目。奇怪な殺人現場、犯人の狂ってるとしか思えない思考、複雑に絡みあった犯行の真相には驚きました…!終盤の犀川先生の格好良さには感動しました(笑)
鉄道模型をされている森氏の趣味が垣間見え、にやっとさせられます。ところが話の内容はシリーズ1気持ち悪い。犯人がとか、登場人物がでは無く、狂気の執着心とでも言うべきその真相が。エピローグの演出がとても好き。これが唯一救いです。あと犀川先生マジ王子。
変数が多すぎて、もうどれが真相でもおかしくない。でもだからこそ、最後の文脈が大きな余白を創り出す。その余韻が非常に面白い。
模型好きが集まる殺人事件。右に左に振り回されたけど。最後はスッキリと収まった。モデルとは何か? モデリングとは何か? 事件以外にも興味は尽きない。S&M シリーズも残すところ後一冊。保留すべきか読んでしまうべきかそれが問題だ。
S&Mシリーズ9作目。密室の模型交換会場で首を切断されたモデルの死体が発見される。同じ部屋で昏倒していた大学院生寺林には、同じ頃に起こった密室殺人の容疑者でもあったプロローグの24ページで2つの殺人が出揃っている状態からラストまでがかなりのボリュームで、読了までに時間がかかりました。しかし、相変わらず哲学的というか数学的というか。首を切った理由があまりにも想定外でびっくりしました。ちょっと恐かったです。 印象的なセリフは「人生の三分の二は、死ぬための準備で生きているようなものだ」と「何事も、愛、八分目」で
いやあ、謎が謎を呼び疑問点が消え去らない。ただそれは悪い意味じゃないから、思考能力が足らない自分が悪いのかな。または理解力。楽しめた、また今度読もう
再読。エピローグの最後を読んでこの作品に対する考察をしてみた。紀世都から萌絵に送られた手紙の内容を含めて考えてみると、黒幕は紀世都なのだろうか?(自分で自分の型を取りたかった?)という一つの推論が導かれたのだが、それを文章から全て説明することは自分には出来そうにない。あくまで自分の個人的な印象。あと教会というのも意味深。何となく「教会=死」のイメージがあるし。こうやって読者に考える余白を残しているところが森先生のにくいところだね(もちろんいい意味で♪)。まあ、考察でも何でも”好きにしてOK”ってことか(笑
大御坊さん、紀世都など、キャラの濃いゲストが多くて楽しい巻。紀世都はちょっと、いやかなり怖いけど。萌絵の積極性という名の突撃癖に、いつも以上にひやひやしました。 犯人探しの方は、中盤に誘導どおりに本人に辿り着いたので安心して読んでいましたが、終盤の犀川先生の乱闘劇と発言に驚くやら萌えるやら。萌絵のことを想って発言するのって数えるほどなかったよね?!ジャンル違いですが、魔術士オーフェンの台詞を思い出しました。お前のためなら女神だって殺してやる。好きだの何だのと普段言わない人が言うとドキッとしますよね。
だいぶ推理小説というジャンルから外れてきているような気はしますが、面白かったです。読者に考えさせた上でハシゴを外すやりかたが若干ひどいのはシリーズを通して一貫してます。それを言ったらなんでもありだろ!と言われない線で踏みとどまっているバランス感覚がすごい。今回はある一点だけ「あり」にしてしまう。そうすることで、僕らの考え方がいかに一般的な曖昧な社会的コンセンサスの上に成り立っていて、それが一点だけはずされたことであっさり崩れてしまうほど脆弱な事に気付かされます。そこが面白い。
文庫で再々読。息子が森博嗣一気読みしているので(受験生なのに…)、横からつまみ読み。犀川先生がね、ちゃんと一生懸命になってくれるところが好きなんだな。
いつも通りタイトルが凝ってます。おやじギャグっぽい感じはしますけど 笑 今回の犀川先生、いつもと違って珍しく積極的でした。私にはマニアの心理だけは永遠に謎です。
日本の小説には、なぜ解説という名の謎の文章がたびたびついてくるのか。まあ、別になんでもいいですけど。SMシリーズも残すは後1巻。名セリフ「儀同世津子でございます」が登場するといいなあ。
犯人が二人いた、という点を見抜けませんでした。
ポールにぶつかる犀川先生も萌絵のために犯人と退治して怪我をするという極めて犀川先生らしくない犀川先生も好き。
犯人の動機には妙に納得。斬新でした。
実に様々な形をとって、実はたった一つの問い掛けが延々と為されている一冊。それが珍しい犀川先生の事件への積極的参加や、いつもより苛立ち冷静さを欠く言動に仄かに現れている様子。だから長谷川氏の論旨に犀川先生はいたく感じ入ったのかもしれません。そんな風にこのシリーズには、段々と物語の謎解き以上のものが籠められるようになっているようで、それが前半五作までと、『まどろみ消去』を挟んだ後半作品との違いかなと、ぼくは勝手に解釈しています。
ナイス! ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ -
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- 09/19
模型マニアという一風変わったクラスタが登場する事件。森先生本人も鉄道模型を嗜むためか、劇中の人物を通して語られる模型論が興味深い。「模型が模倣するのは、形ではない。ものを作り出す精神と行為だ。」など。本書を念頭に氏の工作エッセイ「工作少年の日々」を読むと、より深く彼の模型に対する思いを理解できる。
SMシリーズ一喧嘩の多い巻ではないでしょうか。世津子vs地球防衛軍、金子vs萌絵なんかは順当な口喧嘩。変り種で犀川vs曽我先生、大御坊vs国枝なんていう世紀の異種格闘技も楽しめます。「そのお菓子、さっさと出してもらえませんか」 犀川をして「気にはなる」と言わしめた今回の事件、もの凄いスピードで読んでしまった。キャラクターの成長(順応?)が楽しめました。金子もいい味出してます。 あと、表紙は紀世都くん、なのかな?(※旧表紙です)
喜多先生と犀川先生おもしろすぎです!2人の掛け合いを読んでて電車の中やのににやにやしてしまいました。今回は事件よりも登場人物一人一人が個性的で素敵やったのでさくさく読めます。金子くんが意外に活躍しててびっくり。犀川先生のクリップの話が好きです。
国枝先生と萌絵の会話が特に興味深かった。正常と異常の境界なんて実に曖昧。あと、国枝先生と大御坊さんの組み合わせは強烈。あのシーンが一番笑えた。
S&Mシリーズ第九弾。なんと犀川助教授が、ゼムクリップを人質に取って西之園くんを脅します(笑)もうね、僕的にS&Mは密室云々じゃぁないんだよ。犀川哲学と犯人の哲学、そして今作は国枝先生の出番も多く、僅かではあるが国枝哲学にも触れられる。そこが良いんです。S&Mついに残り一冊ですか。寂しいけれど早く読みたい。
S&Mシリーズ第九弾!!難解。答えを聞けばなんてこと無い密室。しかしそれの理由、動機が理解不能。嫌いじゃないよ。
数奇にして模型の
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