国境の南、太陽の西 (講談社文庫)
国境の南、太陽の西を読んだ人はこんな本も読んでいます
国境の南、太陽の西を追加
国境の南、太陽の西の感想・レビュー(1913)
再読。村上作品リターンマッチキャンペーンにて。仕事関係のわりと仲良くしている20代男子が書いたという処女小説を読み終わり、この本を思い出した。ずいぶん前に読んだので所々記憶が曖昧だったが、島本さんが最後(最期)どこへ行こうとしていたのか、明らかにされないまま物語は終わっているが、おそらくハジメの想像する通りの結末なのだろう。でもどこかで生き続けていて欲しいと思った。
読み終えてタイトルの意味を考える。「国境の南、太陽の西」どちらも日常から離れた理想郷、あるいは幻想・・・。愛する妻とふたりの娘がいて、仕事も順調な30代のハジメはある日小学校時代の忘れられない女性に出会ったことから自分の中の欠落したものに気づき、彼女こそがそれを埋めてくれると考えた。しかしそれは結局のところ幻想にすぎなかった・・・ってそういうことかな?うーん、やっぱり村上春樹はむずかしいなあ。
具体が見えない。まだ読み足りない。序盤の、主人公とイズミの従姉との関係に、岡田利規の三月の5日間を重ねる。後者は特別な時間があった。前者にはあったのか。そして、何故島本さんは居なくなってしまったのか。
今になって読んだから理解できた部分が多かったかなと思う本です。10年前だとわからないまま読み過ごしてしまったことがあったかな。
出だしの一人っこのくだり…がとても好き。中年主人公の置いてきた初恋の物語、最後まで穏やかに流れながらもチクリと指す描写が読んでいて気持ちの良い一冊でした。
再読。たしか、最初に読んだのは高校生の頃だったと思う。当時は理解できなかったハジメくんの行動なんてものも、少しは理解できるようになった。それが第一の感想。次に思ったのは、時間の流れの残酷さと優しさの両方。高校生の頃は感じられなかった時間の流れを感じるようになって、自分の欠陥なんてものも分かるようになってきたいま、これからどうしていくのかを考えさせられた一冊だった。次は中年になってから読み返したい。その頃には何をなくしていて、何を手に入れているのかはわからないけど。
途中まで読んでいて売れ筋を狙った感を覚えたが、しかし後半は村上春樹が切実にえがきたかった何かが紡がれているように思えた。我々は振り切ることのできない何かから逃げる中で、空白へと辿り着く。しかしその空白に身をおいてこそ為し得る何事かは存在するであろう。
村上春樹の作品の中でも日常色の濃いこの作品に独特の緊張感を持たせているのが大原イズミの存在だと思う。ハードボイルドワンダーランドのやみくろのように時折水面下で不穏な動きを見せ、なおかつなかなか表面まで浮き上がることのない不気味な影のような存在がこの作品を単調なリズムに陥らせず、読み手を惹きつけ続けているのだろう。
村上春樹氏の作品でももっと評価されてもよい作品だと思いました。国境の南への憧れ、しかし我々は太陽の西へと向かう。ヒステリアシベリアナ。僕らに残るものは砂漠のようなものだけだ。村上作品のなかでも分かりやすい部分があります。それ故に評価がされないのだろうかと思ったりもします。読んでいる僕は偶然37歳でした。とてつもなくニヒルな作品であり、これを認めてしまってはいけないのではとまで思わせますね。ある意味村上作品のなかで一番怖ろしい作品であるかもしれません。しかし読まずに済ますわけにはいかない作品でした。
年末に読み返した本。これも村上作品の中では結構完成度が高いと思う。道徳や理性ではない、何かの衝動に突き動かされて人生は進んでいくんですかね。人生の後には何も残らない。ただ砂漠だけが生きているのだ。
何という物語でしょう.息をするのも苦しくなってしまうほどの作品でした.謎を謎として当然のように終わらせてしまうのに,この物語には美しさがあるように感じました.謎が謎のまま終わっても「そうだ,これでいいんだ.」と納得してしまうんです.ヒステリア・シベリアナが読んでいる最中頭から離れませんでした.
主人公の混乱がすごく伝わってきて、読んでいて心地好かった。表情を失くしてしまったイズミとの再会によって、ゆっくりとではあるが『スタークロスト・ラヴァーズ』と共に島本さんを忘却してゆく様子も、人間くさくて良い。あのままずるずると島本さんという存在を引きずり、有紀子を捨てていたとしたら夢見がちなつまらない小説だと感じていたはず。「あとには砂漠だけが残る」と言ってはいたけれど、ハジメ君には妻と二人の娘たちもきちんと残っていて、広大な海のことを考える時間だってあったわけだ。
「八年間その会社で働いたおかげで僕にはそれがよくわかるんだ」「私はいろんなものを結局だいなしにしているだけなのかもしれない」「部屋の空気が少しずつ薄くなるみたいに、私の中で生きていきたいという気持ちがだんだん少なくなっていくの」「私はそれくらい孤独で寂しかった」
英語版のある中で比較的短めの物を読もうと思って購入。今の自分の状況にとても重なる部分があり心が揺さぶられた。よく村上春樹さんの小説は一見理解しがたいストーリで、何がしたいのかよくわからない雰囲気小説と言われるが、僕にとってはそうではないと改めて思った。流れるような優しい文体で書かれた非現実な物語を通して、普遍的な人間の性質や感情を鮮やかに表現している。何はともあれ、英語版で読むのが楽しみ。
国境の南。現実がたとえで味気ないものあっても、幼かった僕が頭の中のキャンバスに描いた「国境の南」はいつまでも色褪せず存在し続けていく。
僕は自分が自分自身であり、他の誰でもないことにむしろ安らぎを感じ、満足していた。そういう意味では僕はおそろしく孤独で傲慢な少年だった。
自分が自分として存在しているだけで、人を傷つけてしまうことがある。ハジメが女の人に感じた「吸引力」には、いつも運命めいた希望があって、その希望は人生を輝かせる。そして輝いた分だけ、傷つく人がいる。「面白い」なんて言葉では表せない、手が震える程想像をかき立てられた、現在の一番のお気に入り作品。
話全体に流れがあって良かった。ハジメが出世して、その幸福な日常が島本さんの登場によって崩れていく様子が良い。また、イズミとイズミの従妹、有紀子と島本さん、という対比構造も良いと思う。ページ数てきにもちょうどいいし、スプートニクと同様に読みやすい内容でした。
再読。私のベストオブ村上春樹。多分もう10回は読んでいます。何回読んでも、「島本さんと一緒に行く事が出来なかった」そしてまた「昨日と同じ人生を生きる」主人公に、涙します。「初恋」じゃなくても忘れられない、忘れたくない人がいる…その忘れえぬ人を想う時に読んでください。余談ですが、私は「忘れられない人」に村上春樹を教えられました。感謝しています。
僕にも当然初恋の人がいて、その彼女が今何をしているのか全く分からない状態だ。でも会わなくなって数十年、彼女はずっと初恋の人で在り続けたし、村上春樹が描くハジメとは違うやり方で、僕なりに何度も彼女のことを考え続けてきた。「これはオレの話か」あまりにも共感出来過ぎる序盤の回想。そう思うのはハジメと同じ30代後半の妻子持ちだからか。ハジメは37歳にして彼女と再会してしまうわけだが、僕は再会したとしてもハジメとは違う僕なりの展開にはなるだろうが、どっちにしても初恋の人なんて大人になってから再会するもんじゃないw
大人向け?な本だったように思います(笑) 私のような若輩者では、まだまだ分からない恋愛模様が描かれていて、見る分には楽しいけど実感はあんまり沸きません。だからそこ、小説で読むに相応しいのかも知れませんけどね(^_^;)
死者や失われたものに取り憑かれる物語である。そういえば島本さんの訪れる夜はいつも雨や雪が降っている。主人公はそれに足を絡め取られながら、最後には生者(妻)に質問をすることで、生きている世界とのコミュニケーションを取り戻す。死者や別の世界のものが侵入して、大事なものを失い、それを取り戻しに行く、というのは村上春樹さんのテーマなのだが、自らが奪われていく姿を書いているのはあまり記憶にない。ある意味「怪談」ですかね。
困った時は村上春樹、何が良かったかうまく言えない。でも、そろそろ新しい場所に行く準備をしないといけないって読んで思った。
ハジメは、こんなに何もかも思い悩んでいたらやっぱり疲れてしまうだろうなぁ。とにかく暗い。内向的すぎる。それにしても、彼から比べると俺なんかなんも考えてないわ。それは俺が一人っ子でなくて姉と妹にはさまれた長男だからなのだろうか。 ちょっとした昭和初期の文豪の作品の雰囲気を漂わせる作品に感じた。若干エロス色が強いですが、、
少し技巧に走っている感があるように思えるが、「喪失感」や「欠落感」の描き方は流石。行為は象徴に過ぎず、その奥に潜む意識の動きが全体を支配している。世界は昨日も今日も明日も同じように在るが、世界を構成しているはずの自分の在り方が変わるだけで何もかもが変容してしまう。結局家族を取った「僕」が救われる流れなので安心出来たが、元の安泰な日々に戻ろうとする主人公を襲う感覚の描写には戦慄を覚えた。どこへ向かって、何を抱えて、何を失って、人は生きるのだろう。☆☆☆☆
エロい…ビックリした…途中何度か挫折しそうになりました。イライラしながら読みました。が、最後のエンドは悪くない。…結局島本さんは幽霊だったのかしら…考えると辻褄が合うような合わないような…。とりあえず、主人公が嫌いだ、メチャクチャイライラさせられた。
旅先――飛行機の中で読了。やっぱり旅独得の高揚感と春樹はよく似合います。仲の良い女の子のお気に入りの作家さんが春樹なもんで、下心も純粋な興味も含めて春樹作品は最近結構手に取っているのです。島本さんと主人公の関係が堪らなく愛しい。二人はまるで子供みたいな関係なんだもの。なにか言葉では言い尽くせない大切なものを隠している人がいるということは、実際、素敵だけれど、不安げなんだ。ただ一つだけ言えることは、もし僕に誰かが、あなたの話を聞くのはとても楽しいことだ、なんて言ったら、最上の幸せだってことなんです。
一番好きな本。村上さんがエッセーの中でねじまき鳥の初めの話の予定だったと書いていたので、びっくりして、ねじまき鳥読みました。 島本さんって、結局なんだったんでしょう。
どんなにあがいても避けられない現実がある。不幸に陥るかもしれないと分かっていても選択せざるを得ない何かは、人を空虚な気持ちにさせる。そんな気持ちほどやりきれないものはない。『海と毒薬』の勝呂医師を思い出した。
国境の南、太陽の西の
%
感想・レビュー:311件














ナイス!


































