骸骨ビルの庭(下)
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骸骨ビルの庭の感想・レビュー(363)
特に大きなこともなく、最後まで淡々とした話しが続く。 骸骨ビル最後のイベントは、阿部さんと茂木おじさんの子どもたちへの最後のメッセージなのだな。 ノートの内容を読んでみたい。そして、ヤギショウさんの人生はここでを転機にしてどうなっていくのか、見てみたい気がする。
映像が頭に?心に?浮かんできます。阿倍のパパちゃんが子供たちを育てようと決心するシーンなんて…パパちゃんが見つけた簿記のテキストまで鮮明に浮かんできましたよ。もっと年を取って、それからもう一回読みたいです。
久々に読んだ輝さんの本。つくづく「やっぱり巧いなぁ」と思った。人と人との繋がりとか天から与えられる使命とか、そういったことを考えさせられた。厳しいながらも温かいお話。ナナさんの読了リスト私も気になる(笑)。
宮本輝さんの小説には知った場所がたくさん出てくるのが嬉しい。 お初天神の蕎麦屋さんや十三のねぎ焼屋さん。 そしてきれいな大阪弁がすっと入ってきます。 もう20年以上も宮本輝さんの小説を読んでいる。最近はテクニックで読ませるがかつての独特の緊迫感、挑戦してくるような小説ではなくなってきたことは少し寂しい。
下巻では骸骨ビルにかかわるいろんな人の過去や現在までのいきさつが次第に明らかになっていきます。宮本輝作品らしく、最後は安心できる終わり方でした。何もせずに問題を解決した主人公。それでお給料がもらえるなら、本当にうらやましい。
ひそかなる料理小説かもw人物の描写が自然で本当にいそうな感じで引き込まれた。ナナちゃん会ってみたいなぁ。ラストは期待したため拍子抜けだったけど、これはこれで良しかと。じんわりと胸にきます
◎初宮本輝読了。ビルを解体する前に、未だそこに居住している人々を追い出すために、送り込まれたどこかのんびりとした中年主人公男性を中心に、個性的な住民を描いた丁寧な物語。結局、住民との交流を深めただけで、何もしなかった男の日記を綴った物語。面白かったのことども。ただ、難点を挙げれば、キャラの薄い登場人物もいて、誰が誰だったか、名前だけでは中々憶えられない部分と、先に送り込まれた二人の管理人が何ゆえにギブアップすることになったのか、そのことには触れられずに物語が終わってしまったことの2点かな。何気に面白いぞ。
日記と一人一人から聞いた挿話が組み合わさって、戦後間もない大阪のビルの中での共同生活のエピソードがよみがえっていきます。淡々とした日常を描いた世界には変わった展開はそうありませんでしたが、日記に綴られた生活ぶりといい、まさにそれが人生の大半の姿でもあり、身近に感じられる内容でした。最後はもう少し余韻に浸りたかったのですが、冒頭の文章を読み直してなるほどと思いました。
久しぶりに読んだ宮本作品…いつも自分はなんてからっぽなんだろうと考えてしまう。でも昔より受け入れ易いのは、歳を重ねたからな…
完了日 : 2011年04月21日 私的には大きな盛り上がりもなく終わってましって、少し残念。読み手のこちら側に問題があるんだろうな。「願い事ノート」にはやられたって感じがした。 内容(「BOOK」データベースより) 育ての親、阿部轍正は、子供たちの一人、桐田夏美への性的暴行の汚名を着たまま、苦悩のうちに死んだ。真相を求めて、八木沢は夏美の行方を追う。過去の謎が謎を呼び、秘密は深まる。一方、八木沢はビルにもう一度畑を甦らせようと一人耕し始める。そして、小さな命が蕾をつけるとき、骸骨ビルの本当の意味が明
深いなあ…。身近な十三、風景が頭に浮かぶからか、ほんの少し児童養護施設に関わっているからか、様々に感じることがありました。上下を2日で読みました。
青年が孤児たちを育てたのは何故か?この問いは、形を変えて自分への問いかけになる。同じ環境にいても性根の違いが、物事の「捉え方」の違いとなっている様は怖いようだけど、その多様性にこそ救いがある。・・・ナナちゃんが読んだ本を辿ってみたいな。
『「骸骨ビルの子供たち」の、それぞれの思いに浸る沈黙の時間を忘れないだろう。あれほどに雄弁で彩りに満ちた沈黙に接する機会に恵まれることは、人生にそう幾度もあるとは思えないからだ。』美しく力強い文体ですね。それぞれが役割を持って演じ、無事に幕が静かに降ろされた。淡々とした日々のあれこれの中に、とても忘れがたい思い出と大切にしなくてはいけない教訓をいくつも教えてもらった気がします。美しいばかりの話ではないのだけれど、読後はとても穏やかで清清しい気持ちになりました。
(上巻の続き)大阪と東京という舞台も違い、本作品では「回想」のかたちをとって淡々と結末へと進んで行くのに比べ、半村良作品では「生き馬の目を抜くような」という表現が出てきそうなほどの混沌とした社会の実情が胸に迫り・・・新たな「死」を持って結末を迎えます・・・。でも、あの時代はどちらもあり得たこと、そういうことなんだろうなぁ。
最後まで、するすると読むことが出来ました。骸骨ビルという場所で育ち、育てた二人の青年と孤児たちの絆について深く考えさせれました。内容がとても複雑で難しいテーマを書いているのですが、文章の上手さと主人公の性格によって読みやすくなっているのがすごいと感じました。純粋に面白かったと言える作品です。
八木沢が湊食堂の比呂子にいろんな料理を教わるのだが、オムレツなのである。いやあ、おいしそうだなあ。八木沢の家族の話もここで登場して、夫婦の愛が語られる。まあ、多彩な登場人物の誰もがスリリングなドラマを持っていて、生きることのむずかしさ、つらさとともに生きていくことのすばらしさ、生命力について淡々と書かれていて、ずっしりとした読後感が残るのであった。
読みやすい文章で、主人公の心の中のツッコミが笑える。ただ、何か事件が起こりそうな振りもあったけど、淡々と終わってしまった感が否めず。みなと食堂の食事がおいしそうで、レシピ知りたい~と思った。
上巻に比べたらヤギショウの迷走が少し目立つけど、深刻な話題をサラッと収束させてしまうところは、さすが宮本輝と思いました。
「自分の人生を決める覚悟は、一度や二度の決意では定まり切れるものではない。何度も何度も、これでもかこれでもかと教えられ、叱咤され、励まされ、荒々しい力で原点にひきずり戻され、そのたびに決意を新たにしつづけて、やっと人間は自分の根底を変えていくことができるのだと思う。ぼくが変えなければならなかったぼくの根底とは何か。それは、自分のためではなく、自分の子供たちのために生きる、という一念だった。そのような人間に変わろうと、ぼくは泰造の言葉を胸に、あの真冬の淀川の堤から骸骨ビルへと歩き始めたはずなのだ。」
戦争がもたらした悲惨。その悲惨の中で生きる人間が犯す悲惨。悲惨の輪廻の中で、もがきながらもたくましく生きる人間。人はなんのために生きるのか、なんのために育てるのか。本能も宗教も欲念もない慈しみの心に圧倒される。人を育てることと農作業を対比させているところが面白い。食べ物に関する描写を詳細で多くすることで、生きることの現実感を強調している。「人生とは?」という問いを受けたとき、この作品が答えを導くかもしれない。自分で決めたことは、自分に責任がある限り、貫こうと思った。
派手さはない、盛り上がりも欠ける、でも良作と言えよう。生きる事にギリギリな経験がないと阿部の気持ちは解らないのかもしれないが、それでも祈りのような心は解ったような気がする。
意味深な序盤、中盤は少し中だるみを感じるも、ラストで思い切り胸を熱くさせてもらった。良書。大阪の地理を知っておけば、より楽しめるかも
泥棒犬の目をしない人間になろう。孤児たちが、多岐にわたる職業に就き、それぞれの個性で世を生きているさまのなかに、どんな人でもどこか自分と重ねることができるのではないかと思う。ラストの5月31日、とても奇麗に締めくくられていた。再読すると思う。
★★★★ 久しぶりの宮本輝さん作品。すっと入っていける。どんな境遇でも見守る人がいることは幸せ。派手な仕掛けはないけれどストーリー、登場人物、作者のいいたいことがしっかりと、さらりと描かれている。
声高に「良かった!」と叫ぶほどツボだったわけではないが、友達に「なんかいいのある?」と言われたときに、そっと差し出す一冊ではある。最後まで姿を見せない、ヨネスケの仁義が物悲しい。
骸骨ビルで育ったみんなの語る阿部轍正と阿部と共に子供達を育てた茂木のおじさんの語る阿部轍正の違いが興味深かった。2人は戦争や病での生命の危機から逃れたことの意味を子供達の養育に見いだしたけれど、特別なことはなくても実はわたしたちは生命の奇跡と隣り合わせで生きてるのだから、できるだけのことはしていこうと思った。
そうか、そうだったのか。人を育てること、人を思いやること、それは言葉ほど簡単なものではなく常に様々な雑念が入り混じる。一見晴耕雨読のうらやましい日々を送っている主人公も知らず知らずのうちに、彼らにもう一度自問させる契機を与え、また同時にこちらにも問い掛ける。育てるとは、人を思うとは、と。あっさり終わったのに放心しそうになった。
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感想・レビュー:123件














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