待ってる 橘屋草子
待ってる 橘屋草子を追加
待ってる 橘屋草子の感想・レビュー(242)
★★★★☆あさのさんの時代物の中で、一番読後感が良かった。橘屋で働く人々の心持ちがいい。居場所は自分でつくるもの、そんな凛とした生き方に、己の在り方を振り返らされる。装画の百舌鳥(モズ)が素敵。
地道に生きていくことの素晴らしさが身に沁みます。日々を少しづつ積み重ねて生きていくことは実は楽ではないけれど、自分の足で立派に立っていけるようになった主人公のようでありたいです。
橘屋が繁盛しているのは、料理の質だけではなくて、お多代さんのお人柄が人を惹きつけるのかもしれない。どんな逆境の中にあっても、江戸の女性は強く逞しく凛々しい。「待ってる」から「待たない」女性へと成長したおふくの姿に心打たれました。欲を言えば、長七さん視点のエピソードも読んでみたかったなあ。
静かに、ただ静かに鳥肌が立った。どの短編も心にすっと馴染み浸透してそれぞれの結末にささやかな光を見つけた。生きていく中で笑っていられるばかりではないし、唇を噛み締め弱音を握りしめることも少なくない。時に絶望に囚われ、明日への一歩も明日への指針も失うことがあるだろう。それでも。それでも、顔を背けちゃいけないのだと、己の足で己の力で立たねばならないのだと、この物語は伝える。残された力を振り絞って立ち上がり一歩踏み出したその先に、じんわり包み込んでくれる暖かさが待ってる。あさの作品の中で断トツで一番好き。
料理屋・橘屋さんで働く女中さんの話。けど舞台はそれぞれが住んでる長屋だったり貧しい過去のコトやったりで華やかじゃないし、苦しいし切ない。みんなギリギリで生きてて、それでもどっかにふっと生きる希望みたいなんを見つけたり。なくても生きてかんとあかんしなぁ。。お多代さんのような人に会えると身が引き締まるとゆうか。怖いけど大きい暖かいものに包まれてる安心感があって。憧れる。けどあんな器の大きい人はなかなかいないし、なれへんし。人を幸せにするのって難しい。。おふくちゃんがいればお多代さんも安心だね、ゆっくりできるね
今迄読んだこの人の本の中で一番面白かった。手放しの幸せというわけではないけれども、人各々自分に合った幸せを見付けて終わっているのでほっとできる。貧しく苦しい生活をしている人達が多いのだけど、最後に希望というか、光のようなものが見える感じで凄くいいです。宮部みゆきさんの時代物に似ていると思います。宮部さんの時代物も好きなので、こちらも楽しました。けど、本当によく似ていて個性が感じられません。それが勿体無いし、残念だと思います。
橘屋という料理茶屋を舞台にした連作短編集。お多代さんが本当に格好良い。ああいう女性になりたいものだ。勿論、お多代さんだけでなく登場人物たち皆、良い。どんなに苦しくても悲しくても生き抜こうとする彼らは素敵だ。そしていつの日でも良いから皆幸せになって欲しいと思った。おふくちゃんだって「嫁にはいきません」なんて言わないで長七あたりと結婚すればいいのにと思ったり。
江戸の人情物語に涙涙。この手のお話大好き。お多代さんが素敵すぎる。あきらめではない潔さ。厳しい温かさ。どんなことも受け入れる強さ。見習いたいことだらけ
お多代がカッコイイ。母親に置き去りにされたおふくも誰も恨まずただ出来る事をやってくのが潔い。その日暮らしの危うさは我が身に滲みました^^;遊び人っぽい白金屋の本気は決して想い人には伝わらないし伝わっても実らないと思うと哀れと思ってしまう。人の幸せって本当に傍から見ても測れないもんだなと思った。まあお金はないよりあった方がいいけどね。
お多代が癖があるけど凛として素敵。優しさが必ずしも相手の為になるわけじゃない、厳しさが必要なときもある、というのが非常に印象的。タイトル通り「待ってる」と誓ったおふくが最後は「待てない」と結論を出すのが切なく、けれど彼女の成長がわかって嬉しくもなった。
はじめはおふくが主人公かと思いましたが、読み進めていくと橘屋にかかわる人々の小話でした。一つ一つの話が少しずつリンクしていて群像劇のよう。
おいしい料理と心配りで評判の「橘屋」。仲居頭のお多代と12歳のおふくの絆を中心に、ここで働く者たちそれぞれの訳あり人生が、織り交ぜて描かれている。厳しいが的を得たお多代の言葉が、ずしりと心に響く。「女ってのはね、お前が思っているよりずっと、しぶといんだよ」お多代の元で「待ってる」少女から、「待たない」大人の強い女に成長するおふく。読み進めていくうちに、だんだんお多代のファンになっていった。最終章に彼女の過去は明かされるが、もう少し腹の据わった物言いを味わいたかったなぁ。(続く)2009/5読了
ダ・ヴィンチのプラチナ本のところで紹介されていたので読んでみた。今不況だなんだと大変に思えるけど、いつの世だって生きていくのは大変なんだな。
図書館でめぼしい本がなくって、バッテリーの人だな…(読んだことない)と何気なく手に取った一冊やったけど、予想外によかった!おたよさんが素敵で女性だったら誰しもが憧れてしまうんじゃないでしょうか。
料理茶屋橘屋に奉公する人々の物語。子どもなのに人生に絶望するような境遇にあって、橘屋に拾われ厳しい躾けの中で一人前になっていく。おふくも、三太も、自分の居場所を自分で作っていったんだね。甘やかさなくていいから、ここにいて良いよという受容承認は、人間が生きていく糧になるのだと、少し涙ぐみながら読んだ。
もしこの時代にタイムスリップしたらわたしはいったい何ができるだろう?と考えながら読みました。今の時代の知識を活用して何か出来ないかぁと考えましたが、意外と考えつかないものですね必至で働くしかないなぁという結論にたどり着きました。
料理茶屋「橘屋」を舞台にした人々の物語。それぞれ悲しい境遇にあるが、けんめいに生きて明日への道を切り開いていく。昔は12歳くらいで奉公に出て住み込みで働いていた子も多かったんだなあ。この話のおふくもそんな一人だが、いつか見事な仲居頭へと成長していく。時代ものの中で、自立した一人の女の姿が描かれるのは珍しく、印象に残る。
橘屋に奉公する人々の人生を少しずつ垣間見るようなお話。辛いその日暮らしが 橘屋と係わるようになって 助かったり、生きがいを見出だしたり…。中居頭の厳しい優しさが この話の核として 皆を包み込んでいた様に思った。
あさのさんの時代物に開眼したばかりですが、期待をうらぎらない端正さがすてき 凛とした人が救われ、澱んだ人は沈んでいく ざくりと書けば勧善懲悪みたいだけど、細やかな心情描写が端正な文章を彩る感じ、といったらいいのでしょうか
「バッテリー」の人...と思っていたので、ちょっと意外に思いつつ読んでみた。 よかった。 多恵さん恰好よすぎて、映像化するなら誰かしらねぇ.....とぼんやり思うのです。
強いとかたくましいとか、そうあることも大切だろうけれど。生きていくためには様々な覚悟をしなければならない。そしてその覚悟もときの流れとともに変わってゆく。背負うものは重くてもそれでも自分の足で踏ん張ることは、どんなうつくしさよりうつくしく、気高いようにおもえた。洗練された文章はわりと淡泊だけれど、物語の奥から著者の厳しくも力強い視線をかんじるようでもあり。そして同時に「わたしたちはいきていけるのだ」と、励ましでもない単なる事実を告げる声が聞こえてくる気もした。読んでよかった。
お多代の人生観や男女観にグサリときます。あさの先生の作品はいつも心の奥底の潜めている感情に訴えるセリフがあり、話に入りこんでしまいます。お多代さんの過去があまりに悲しくて、必要なくだりだったかもしれないけれど、におわす程度にしてほしかった気もします。
おもしろかった!料理屋橘屋に関わる人々の人生。それぞれに重く背負うものがあり、それぞれが迷いながら生きる。人々を見つめるお多代の目の厳しくやさしいことよ。すばらしい。
橘屋という料理屋を舞台にした、時代連作短編。それぞれの人生を真剣に生きる女性たちの姿がまぶしい。そして、彼女たちを見つめる女中頭のお多代の、厳しくも温かい目に、安堵する。あさのあつこの時代小説って、いいなぁ。
待ってる 橘屋草子の
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