ハヅキさんのこと
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ハヅキさんのことの感想・レビュー(212)
「パスタマシーンの幽霊」「ざらざら」がとてもよくて、図書館で手に取った本書が、川上弘美の「掌編よりはちょっと長く、短編よりはだいぶ短い」作品群の最初だったとあとがきにあり、へぇ~っとなりました。ほかの短編集に比べると、ふくふくと物語が薫ってくるような…ニュアンスというのか…が若干まだ薄く感じられますが、でもやっぱり川上弘美してるよなぁ~!(当たり前だけど)と思った次第。「誤解」シリーズ三篇が、異様に怖くて、ちょっと意外でした。
諦めにも似た、この独特の気だるさが、なんだか癖になりそうです。やたらと耳に残るひとつひとつの言葉に、酔いしれました。読み終わるのがもったいなく、(途中でうとうとしつつも、)たっぷりと時間をかけて味わいました。とても贅沢なひとときでした。「琺瑯」「森」「吸う」がとくにすき。
様々な恋愛をめぐるショートショートといえばいいのかな。 1つの話がすごく短い。 この短さは、雑誌とかのなかでこそ面白いのであって、短編集みたいにまとめてしまうと私にとってはくどかった。 それは、1つの話から色々考えが浮かんでくるから疲れてしまうんだと思う。 読み方を変えればきっといい本なんだろうけど…
ハズキさんのことについてつらつら書かれた長編なのかな、と思っていたら、短編集でした。表題作は、たくさんの短編のうちの一編。数ページで完結するし、どれもふわふわ~っとした雰囲気の作品なので、難しいことを考えずにさらさらっと読めました。寝る前の軽い読書に向いてるかも。
原稿用紙にして十枚前後の、エッセイの体裁を取った短編集。本当に体験されたことなのか、それともフィクションなのかよく分からないけれど、人生の折り返し地点を過ぎたあたりの女性の日常を切り取ったようなお話。サラリと読み易く、スルリと入ってきて、サッと去っていき、コトリと胸に置き土産を残される。好みです。
出だしの「琺瑯」にやられた。「性愛ってのはこういうことだ」っていう西炯子の漫画の台詞を思い出す。中身と外身の齟齬がとても歯痒い。歯痒いけれど、そういうもんだなって思う。諦めに似ている、でも少し違う何か。
色んな雑誌に寄せた短編や「エッセイもどき」を集めたもの。たまにこういった感覚的な小説が読みたくなる。脳みそを休ませて、目と耳のアンテナをのばす。残酷な時間の経過と人の縁の妙。お気に入りは「何でもなく」、「吸う」。ちなみに、うちにもテレビはありません。
静謐、ということばがとても似合う。どこまでかほんとうで、どこからがうそだろう。とても短くてさらりと淡いのに、じいっと染み入って、不思議とこころにたまっていく。他愛ないことの隠れた魅力を切り取る、川上さん独特の視点とことば遣いがとても好きです。「川上さんは癖になる」。
「次第に老いに向かって、そういうときにする片思いは、なにやら妙に嬉しい。なにやら妙にあかるい」 たとえわたしが「おばさんではない、むしろおじさんに近いような、中年の妙な女」であったとしても…『姫鏡台』、「服の古くさい感じ」 『かすみ草』、「五十になると、四十が最後なんかじゃなかったこともわかるし、かといってほんとの最後まではまだまだ届かないこともわかる」『森』ほか25編の短編集。「虚と実のあわいにあるなんだかわからないもの」の切なさがちょっとだけ苦しい。でも、「たいそう体質に合って」いるようです。
初川上さん。みじかいみじかい短編集。私が感じたのは、静かで穏やかな世界。安定していて、ちいさな隙間から染み入ってくるような気がしました。少ない文字数なのに印象に強い…。特に「琺瑯」「ネオンサイン」「森」「姫鏡台」がお気に入りです。今度は長編物を読みたいと思います。
地区図書館の書架の前を、並んでいる背表紙を見ながらゆっくりと歩く。好きな作家の未読の一冊を見つけて抜き出す。表紙の色、題字のレイアウト、見返しの美しい色と手触り。本文の書体や配置のほどのよさ。この短編達が、ふさわしく丁寧に装われて本になっていることがうれしい。品物を手に取る楽しさを感じた一冊。
二十六篇からなるエッセイ風小説集(川上さん記)。そこはかとなく漂うゆるさ、けだるさ、軽やかさ。川上さんの真骨頂だ。どれも、とらえどころがなく記憶に深くは残らないのだけれど、いつか同じようなシーンや事態に遭遇した時には、これって昔、小説で読んだことがあるような・・・などと蘇るような作品群じゃないだろうか。
とっても短い短編が集まった作品。川上さんの作品は、とっても好きなものと--;というものとにくっきり分かれる。そして、今回は後者。日常のとりとめない話のような感じで、何か惹かれるもの、光るものがなくどれも印象に残らなかったな。ただ、1つ共通して思ったのが「恋って年齢とか性別に関係ないんだな。。」ということ。もしかしたら、お隣の幸せそうな奥さんも内に秘めた恋をしているのかもしれないな。日常ってそんなものなのかもしれない。
50代ということに関するさまざまなエッセイを読んだような気分。40なら最後のチャンス、60なら本当にこれが最期と思えるけれど、50はこれが本当の最期ではないことを知っているお年頃。諦観と自分の中にある砦。まだまだこれから人生大変そうです。
寂しくなってしまう。心の根のあたりがすぅぅと。心もとない。表紙に使われている紫は葡萄色というには暗い、古めいた色。なんというか、麸菓子のような感触がするのだ、川上弘美という人は。
恋することに恋してる。ドキドキもワクワクもウキウキも・・・そしてハラハラもだんだん縁遠くなってしまう自分がこれは本当の自分じゃないんだ・・・と心のどこかで悶々としている。いくつになっても女は女。死んでも女・・・。そんな気持ちが言葉のあちこちに散りばめられている・・・そんな気がする作品。
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感想・レビュー:52件














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