照柿
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照柿の感想・レビュー(244)
真夏、溶鉱炉、劣悪な労働環境、再会、不倫、賭博、殺人。読んでいるあいだ中、ずっと息苦しかった。「マークスの山」よりはだいぶ読みやすかったけどしんどかった。ちなみに、気になって調べた照柿色は意外と良い色だった。 http://www.colordic.org/colorsample/2247.html
やっと読み終わりました。単行本で上下二段で五百頁。内容としては、マークスの山で出てきている合田とは違う裏の人間性があった。ちょっと期待していたが、今一つだった気もする。
完全稿の新潮文庫が出版されたので読み比べのため、再読です。「マークスの山」と比べて大幅な改稿はされていませんが合田君が自分の結婚生活や自分自身を内省するなどの部分が描かれているなどで単行本の方が知らず知らずの罪に対する悔恨というテーマに肉薄しているように感じられます。父子で違う絵の色は「太陽を曳く馬」の伏線でしょうか?最後の手紙では合田君の罪を炙り出した美保子よりも己の罪を知り、煉獄で苦しむ合田君に救いを与えた祐介の方がヴェルギルウスだったと思わずにはいられません。
雄一郎さん、暗い、というかねっとり…。なぜ容貌に影響がでないのか不思議。白い歯の花が咲いたりするのに…。猛暑日に読むと、さらに暑くなって、よい。
余りに繊細でそれ故周囲はおろか自分ですら気付かないままに追い詰められて行く達夫。燃える炉は青色、そして父親からの逃避だったのかな、などと思いました。合田が狂い切れなかった理由に読後暫くして漸く気付き、全てが腑に落ちた気がしました。最後の十数頁は衝撃。加納の優しくも高潔な手紙で締められているのが美しかった。
澱んだ恋愛。奪い合うのは雄一郎と達夫が賭けた互いの精神。手本引きのように一か零かを賭けの代償として引き渡された蝶番の外された精神が緻密に描写される。壊れた者と壊れきれなかった者の間に張り渡された電話線を通じての声は、燃える雨音がかき消す。私は一年に一度、これを読む。己が精神を擲って『照柿』色の融解炉でドロドロに精神を溶かした後に、再び人生の暗い森に光る一閃が見える気がするから。
暑苦しく、重く、切なく、救いがなく、誰も幸せにならない物語なのに、途中で止められない。同性でありながら、美保子の気持ちが一番わからなかった
職業を全うする為の苦悩。内面を隠しつつ、尊厳を保とうとする登場人物の足掻きに息苦しさを感じる。しかし読み終わった後には、活力を得たような気がした。高村作品でお気に入りの一冊。
なんのこっちゃ。話 膨らませすぎ。「大阪の食い物屋で昼どきに空いているといえば高いか不味いかのどちらかしかないのに」みたいな知ったかいらん文おおすぎ。大江橋の土左衛門じゃあるまいし。
照りつける「暑さ」と炉の炙る「熱さ」と工場の「雑音」、そして主人公二人の「融解しかかった脳」から見る世界。これらを全部掘りこんで煮詰めた描写が重くて重くて数日をかけなければ読み切れませんでした。最後投函しようとする背筋の伸びた雄一郎の後ろ姿を想い浮かべたら、なんだか眩しく感じました。
全ページが重い空気に包まれている。どの登場人物も皆、精神状態が不安定で、日々の生活に疲れている。いつ誰が犯罪を犯してもおかしくないぎりぎりの状態だ。本来なら美しいと感じる照柿色も、このストーリーの中では不気味に感じられる。どうやったら彼らを救うことが出来たのか?
達夫の敏感さや生真面目さが、周囲とかみ合っていないのが遣る瀬無い。子どもの頃の様々な出来事を、本当はずっと敏感に感じていたんだと思う。最後の電話はぐっと来た。また、雄一郎の俗な一面は親近感を覚えるとともに、何気ない日常に潜む落とし穴にヒヤッとさせられた。
雄一郎は、美保子が放っていた「狂気」に惹かれてしまったんだろうなぁと思う。美保子の「狂気」に反応した雄一郎も「狂う」一歩手前だったんだろう・・・。達夫も同じで、夏の暑さがそれに拍車をかけて・・・この三人と自分の違いはどこにもなく狂気はいつもすぐ隣にあると突きつけられる。
こちらもブックオフで百円で購入し拝読。合田刑事シリーズのニ作目です。合田刑事複雑です。私も、今合田刑事と同じ心境なので、身につまされます。
また文庫本と比較しつつ読んだ。でも今回は「マークスの山」ほど改稿されてなく、逆に文庫本の方がシンプルになっていたように思う。そうは言っても、暑さは変わらない。人間は色んな限界に追い詰められるが、達夫のようになるかならないかは、紙一重なのか、達夫の生い立ちのせいなのだろうか。でも、シリーズ中祐介お兄さんの手紙は私の楽しみの一つです。
再読。醜い雄一郎を堪能した。前に読んだときは「オンナに走るなんて許せない!」という怒りにさいなまれたものだが。それにしても、祐介の手紙が無心で読めない。呼び止めてほしい人の影は昔っからあるのに! みたいな。
淡く、苦い、うだる、歪曲した恋愛模様。救いない熱さに身を焦がして読んでいると胸が張り裂けそうになる。『太陽を曳く馬』を読んだ後ではまったく違う雄一郎の立ち居、振る舞いに慄然とせざるをえない。達夫と雄一郎二人が行き着く彼岸にはただ哀しい慟哭のみが待ち受ける。でも、、、祐介が雄一郎に送る手紙を読むと少しばかり救われた。
冒頭の熱処理高炉の描写のタフさが読めるかどうか。飛田新地の描写といい、男と女の心の軌跡の描かれ方といい、これこそがBLUES!!切ない。
夏。工場。大阪。不倫。刑事。狂気。幼なじみ。父の愛人。「君は未来の殺人者だ」。うだるほど暑い夏の記憶。高村薫さんの小説で、エンタメとオリジナリティが最良の形で一致した作品ではないでしょうか。大幅改稿後の文庫は、これほどページ数はないみたいですし、このぐだぐだとつづく感じが薄れている恐れがあります。是非単行本で読んでみてください。
高村作品の中でも最高に好きな作品。熱い夏に2人の男は再会し、1人の女がその中に入ってきた。止めようのない崩壊へと向かい、そこへと到達した人間を描くただただ熱いの一言に尽きる小説。
照柿の
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ナイス!































