生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)
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生物と無生物のあいだの感想・レビュー(2162)
研究者って本当に魅力的だ。希望と絶望、計略、葛藤、エゴ、ブレイクスルー。人間の全部が詰まってる気がする。文章の巧みさが際立つ良書。本筋とは違うけれど、得るは捨つることと見つけたり。欠落が新しさを生むこともあると学んだ。
分子生物学者である作者が生物を無生物から区別するものは何かについて考察した本なのかも知れないが、なんか小説読んでるようなおもしろさで読めてしまう。文体からからなにから、なんかあきらかにこのての本にしては変わってる感じ。
野口英世のこともDNA発見にまつわる話もわかりやすかったけど、著者のポスドク体験を通じて、分子生物学の研究の現場を垣間見ることができたのが面白かった。ポスドクは不安定で過酷ではあるけど、研究以外の些事からは解放されているから気楽、という意見は、なんかわかる気がする。「研究者」といえば、研究だけしていればいい、と思えるが、んなわけにもいかなくなる。そのなれの果てが「死んだ鳥症候群」では悲しすぎる・・・。 後半の動的平衡のあたりは流し読みしたので、あんまりわかっていない。
わかりやすく簡単でさらーっと読んでも理解する事が出来る。ちょっとくどかったり、偏った見方なのでは?と疑う事もあったりしたけど、全体的にみればとても面白かった。これを読んだだけでその世界を知った気になるのは間違いだろうという印象
優れた科学者は百凡の文学者よりも遥かに人間的叡智に満ちたもの、とまさにその通りだと思った。あまりにも詩的で、文学的で、分子生物を扱うには多少人間臭さもあった。これは研究者としての物語でもあり同時に、動的平衡へ至るプロセスが同時進行している。個人的に仮説から実験とそのデータの検証の時に、仮説と予想とが違い、発想が様々な方向で転換して実証する思考のプロセスが面白かった。
描写・導入がまるで随筆のよう。その語り方は静かな研究者の印象を受けた。研究者生活の厳しさと並行して語られる生物研究の内容は難しい所もあるけれど、丁寧に説明されている。生物とは何か。それは動的平衡である。まあだいたい思っていたとおりの話だったけど。とにかく穏やかな語りが印象的だった。
研究者って漠然とかっこいいと思っていたけど、ものすごいプレッシャーの中で日々ライバルたちと戦っているんだなあ。偉大な研究をしても日の目を見なかったり・・・。 生命の定義とか、動的平衡とか分かりやすく解説されていて、素人にも楽しめたし、生命の神秘について考えさせられました。
分子生物学者、福岡伸一氏による生命工学に纏わるエピソード集。野口英世の栄光と再評価から始まり、DNAの発見やその陰に隠れてしまった先人の業績、そして本題である「生命の本質とは動的平衡ある流れ」ということが、著者自身の話を交えて分り易く語られる。/作者は、生物には時間があり最初に決まったとおりの流れが存在すると説く。それは既に完成されたシステムであり、これを乱すような介入を行えば動的平衡は崩れ、取り返しの付かないダメージになり得ると。生き物という最も身近な仕組みの奥深さが宇宙のそれに匹敵すると知って慄いた。
タイトルも詩的だが、内容も科学系新書にしては詩的。分子生物学としては初歩的内容ではあるのだろうけれど、簡潔かつ平易な説明で門外漢でも難なく読める。細胞、遺伝子、原子の"化学的"なふるまいが生み出す生命のダイナミズムは感動的ですらある。エイブリーやフランクリンのように華々しい表舞台に立つこともなく研究を積み重ねたアンサング・ヒーロー、マリスやワトソン、クリックのようにひらめきで革新をもたらした天才たち。そうした学術的小話も面白さのひとつだった。売れてるだけはあると言って良い。
科学への興味、好奇心を読者に植えつける一冊。科学史に触れながら、生物研究の変遷を辿り、ちょっとした業界裏話も読めて、読者を次の機会へと誘う。こういうアピールが出来る人は少ないので重宝されるが一歩間違えれば帯に記された何某氏みたいな顛末になるので、薄氷を踏む慎重さで先へ進んでもらいたい。蝶の比喩で『胡蝶の夢』を連想したのは私だけかもしれない。きっと世相的にはカオス理論だろう。
大きな時間のスパンで見れば、人間の体は液体と同じです。生物学の先生が、とても美しい言葉で思っても見なかった世界を提示してくれます。
タイトルからてっきりウィルスの話がメインかと思っていましたが、動的平衡へのイントロでした。終盤、他の研究グループのプリオンタンパク質の研究結果を引用して、時間軸上の動的平衡(ひいては生物と無生物の違い)を説いていますが、福岡先生のGP2の研究の行方が気になるところです。ところどころ、ニューヨークやボストンについての美しい紀行文やポスドク時代の回想が織り交ぜられ、研究以外の部分でも、福岡先生の語り口にとても魅力を感じました。
私たちの体は分子レベルで常に入れ替わっているというお話です。 「お変わり無いですね」どころか全然変わりまくりなんですね。 すごく文章が美しいと思いました。
生物学のことはよく分からないけれど、一つの物語のような小説みたいな印象だった。エピローグのアオスジアゲハの話は何とも言い難い。福岡さんの言葉の選び方がとても綺麗だった。
小説みたいな書き方するなぁ。楽しめたけれど、タイトルと内容の差が広すぎる気がした。生物のプロセスは純粋に化学的なもので、その仕組について言及する事は多かったけれど、生命と無生物の境界域というか、つなぎの部分に重きを置いてるんじゃないかと期待してたのでその点では少々期待はずれ。でも面白かった。秩序は守られるために常に破壊され続けなければならない。良い概念だと俺は思う。
★★★★☆ 福岡伸一さんのエッセイのような本。その中にも生物とは何かを問う場面があったり、研究手法について説明する場面があったり、と面白かった。
大変おもしろかったです。 友達に勧められて読んでみましたが、本文で紹介されているDNAの二重らせん構造を発見したワトソンの本は以前読んでいたものでした。 事実の表記と著者の思いの表記がはっきりと分かれていて気持ちが良いです。 結局生物と無生物の違いが何なのかは示されてはいませんが、それは最先端の生物学全体に言えることで、本書を読むとこの究極の問いがどれだけ奥深いものであるかを思い知らされます。
小説のような語り口と専門的な話とをうまく書き分けて、1冊を通して読み易くしてあり、とても面白く読めた。小中学生の時の理科の授業で生物のビデオを見た後のような読後感があった。
生命科学の内容自体は学科で専門的に学ぶことに比べれば当然ながら柔らかいものになっていたが、科学と絡んで綴られる偉大な研究者達のストーリーには一見の価値あり。生命科学部分は全て飛ばして、数人の科学者の伝記として楽しんだ。透き通るような文章を書きたそうにしているのであるが、どこか垢抜けない文になってしまう作者に少し可愛げを覚えてしまうのは不謹慎であろうか。
かなり専門的な内容だったわりにわかりやすかった。理科にまったく興味がなかった私でもどんどん読み進むことができた。内容としては理解しきれなかったこともあったのでぜひもう一度読み直してみたい。
Jan. 7 14:20 紀伊国屋書店横浜にて読了。ドミナント・ネガティブ アタキシア ノックアウト。後半は日本とアメリカでのポスドクの立場の違い、著者の研究の回顧録のようなものだった。
ずっと前から読んでみたくてやっと読めました。専門的な内容もあったけど、小説みたいなタッチで書かれていて読みやすく、面白かったです。自分にもこんなに神秘的で不思議な遺伝子や細胞があると思うと嬉しくなってしまいます!彼らの働きを、その持ち主である私が知らないのはどうしてだろう。生命というものをもっと知りたいと思いました。
1/7巡り合えてよかったと思える本。生命の素晴らしさ、生物学者の探究心に驚愕した。淡々と美しい文章で生物について描かれている。多少、理解が難しい部分も作者のわかりやすい例えで、無知の自分ですら理解しながら読めた。「生命という名の動的な平衡は、それ自体、いずれの瞬間でも危ういまでのバランスを取りつつ、同時に時間軸の上を一方向にたどりながら折りたたまれている。・・どの瞬間でもすでに完成された仕組みなのである。」
図書館で借りた。非常におもしろかった。章を大きくまたいで話が繋がり、情景描写、比喩的・間接的表現が多く、小説を読んでいるようであった。生物学史、研究者の実態、生物の巧妙さについてが上手く絡まって記述されている。高校生物から研究者レベルの知識が比喩を用いながら丁寧に解説されている。この本を高校時代に生物教師からすすめられたのを思い出した。おそらく当時は通読できなかっただろう。しかし、細胞生物学、生化学をかじった現在読破し、なんとなく分かった気がしたその時、鳥肌が立った。
生物学をかじっていれば、内容に関してはそれほど示唆的なことはなかった。が、エピローグが非常に秀逸。「生命という名の動的な平衡は、それ自体、いずれの瞬間でも危ういまでのバランスを取りつつ、同時に時間軸の上を一方向にたどりながら折りたたまれている」
遺伝子不思議。勉強は嫌いだが、知識を得る事って面白いよなぁとつくづく思った。あとは、哲学と通づるものも少し感じた。生ってそういうことなのかな。大好きな上司のオススメ本。 わかりやすかったとはいえ、久しぶりの分野で今一理解が浅いので、もっかい読んで次は動的均衡をば。
あぁ、そうか、生命って凄いんだな、って感じで読み応えがあった。タイトルの主旨については妙にあっさりとしか触れられてなかったような気もするけど、興味を煽る様な話の流れもいいと思う。話に入っていく前の比喩が分かりやすくて関連付けも面白い。DNAの科学史についても専門で習ってない分には楽しく学べる。
生命とは何か、機械とは何が違うか。自分が体験できないことを本を読むことで擬似的に体験することのおもしろさを実感できて良かった。ひらめきやセレンディピティの負の作用や、理論負荷性は参考になった。「生命とは構成物ではなく、流れがもたらすところの効果」というのは自分の中ではなんとなく「諸行無常」と結びついた。
動的平衡を読むための準備運動。後半の細胞壁と小胞体の話は、専門知識がない人でもわかるように書かれていたせいか、知識のある僕にはかえってわかりづらかった。すごく淡々と綺麗な文章で書かれている印象。
おもしろかった! まるで小説のよう。偉人の業績とその裏にある研究者としての業や狡猾さを暴きながら進められる序盤。DNAと細胞に関するいくつかの事象を、未知の専門智への興味深さと好奇心で読み進めて行けば頁にして二百ほど捲った頃にそれらが著者の研究への布石、もしくはミステリーさながらの伏線として浮かびあがり、読者は厭が応にもその研究の前途に固唾をのまされる。
こういうものを読んでたら、いつももう少し理科をちゃんと勉強してたらなぁと思う。エントロピーの拡大を防ぐためには拡大される前に、自分からその部分を取り換えていく必要があるという考え方ってすごくおもしろいですね。
たくさんの顔を持った本。科学史でもあり、DNAの秘密をめぐるヒューマンドラマでもあり、生き物の不思議に魅了された少年の冒険譚でもあり(あとがきは必読!)、分子生物学の最良の入門書でもある。文学でもエッセイでも学術書でも、読書の醍醐味とは、著者のセカイの見方、セカイとの対峙の仕方を追体験することだと思っています。こんな大袈裟過ぎるかもしれない要求に、しっかりと応えてくれる素敵な一冊。最後に導かれる結論は感動的でもあります。まさか新書でここまで感動するとは思わなかった!
知的でおもしろい、興味深い。めちゃくちゃ小さな分子があつまって自分のからだを構成していて、分子レベルでは「同じ」自分は二度と存在しないのだと考えると、生命の不思議さに胸が熱くなるね。めちゃくちゃ大きい数字のことを「天文学的」ではなく「生物学的」だと著者は述べているが、天文学と生物学には共通項が多いのではと今更ながら気づいた。
タイトル勝ち、というところもあるが、普通に新書としては適度なレベルで面白かったと思う。分子生物学についての本なのだが、高校生物レベルのところからじっくり書いている。ただ分子生物学についてひたすら説明しているのではなく、「分子生物学史」といった要素もあって物語性があり、読みやすかった。余計な描写(エッセイ的なもの)がある、と言われればまぁその通りだけど。生命とは何か、自己複製、動的平衡、一回性……最後まで読むと生命の美しさというか力強さに感動した。一般向けとしては良書だと思う
生物と無生物のあいだの
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