戦友の恋
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戦友の恋の感想・レビュー(178)
「ごめん。いい恋だった、ってあの時認めてあげなくて、ごめん。」マンガ原作者の佐紀と、担当編集者の玖美子。デビュー当時からの付き合いの二人は、数々の仕事を成功させ、公私共に順調な生活を送っていた。だが、ある日、突然、玖美子は死んでしまった。強い喪失感を抱える佐紀は・・・
タイトルがうまい。かわいい娘のラスト一行にぐっときた。それはかわいい娘と言わざるおえない。戦友の恋も不思議。短編集かと思ったら連作でところどころ、はっとしたりぐっときたり。長い長い喪中という表現もすごくわかる。人生にはそんなふうに思える相手がひとりふたりはいるものよ。本人にはわからないけど。ラスト、なにげにいかしたプロポーズ?なんやかんやで長い長い両思い。いいなあ。初恋の人の名前忘れちゃったからこんな再会もないんだろうなあ。向こうが覚えててくれたらいいのに、とちょっと夢見勝ちなことを考えた。
初めて読んだ大島さんの作品。これといった感想は出てこないんだけどほかの作品も読みたいなと思うくらい面白かったし、好きな雰囲気の話だった。そうそう、木山や君津との会話が妙に面白かったな。
目黒考二の書評を読んで。表紙絵のライトノベル風な小説ではなく、なかなかの力作。友だちには括れない大事な戦友ともいうべき担当女性編集者を亡くしてしまったコミック原作者の成長期(大学卒業~50歳前)。桂望実に続きわりと好みなので、2作目もと思う。1962年生まれ。
初☆大島真寿美さん!うわうわ、めちゃくちゃ面白くて吃驚(びっくり)!戦友の概念がかっこよすぎ。新人編集者・玖美子と新人漫画原作者・佐紀で、戦友。私には戦友はいないよ。その関係がうらやましい。玖美子が突然亡くなって、その後の佐紀のお話。ウケたのは、2番目の担当編集者は佐紀の送ってる生活をつまらない生活、3番目の担当はすこやかな日々と呼んだこと。3番目の担当の若い女の子に若き日の玖美子の面影を見る所がドラマティックだった。かわいい娘の章もとても好き。木山がフルネームで呼んでくるのもいい。ラストは大泣きした。
初めましての大島さん。読みやすい文章で、一行目からすんなり世界に入れました。玖美子と佐紀の友情以上の結びつきは確かに「戦友」。長い長い喪が明けたのよ、の言葉にはっとなりました。しかし君津はウザかった^^;「すこやかな日々」の、のびやかな雰囲気が特によかったなぁ~。
戦友が亡くなり悲しみながらもその後の暮らしは日々続いてゆく・・・。悲劇的にするのではなく最初から最後まで淡々とサラっと書いてしまうのがこの作家さんらしくてそこがすごく好きなんだけど、どうにもこのよさをコメントで伝えるのが難しい(^-^; ただタイトルに「恋」とつけるのは少し違うかなぁという気が。
表題の戦友との恋で描いた、友人との永遠の別れから懐かしい友人との再会まで20代から40代くらいの駆け抜ける日々が綴られていてこんな風に年を取るのかもなぁ私とつい考えてしまった。主人公のように、淡々と生きて時々もがいたりもして誠実に生きたいなと思う。★★★★☆
大切な誰かを亡くした後、残された側は、必ずしもわかりやすく喪失感を表現して復活するわけではない。この本のように、立ち直ったフリをしながら「沼」を彷徨う方が多いのではないか。長い時間をかけて、フツウの日常の中で多くの人とのつながりを経て、やっと「喪があける」のだろう。ちなみに私も、もっと薄っぺらいながらも、同性の同僚のごく一部を「戦友」と称したことがあり、いきなり共感してしまった。
「親友」ではなく、「戦友」という捉え方がとても沁みた。喪失を知ると、人は生き方とか人生への取り組み方が変わるのではないかと自分の経験から思っていたのだけれど、この本にはそれが描かれている。この本のスピンオフとも言える「ほどけるとける」を先に読んでいたので、銭湯でのエピソードなども楽しめた。
すごく、すごくよかった。大切な人を亡くした人は特に、共感というか共鳴してしまう人少なくないんじゃないかな。ずっと喪った人ばかりを想って生きているわけではない。でももちろん忘れてしまったわけでもない。そして時々、ふとした拍子に心に浮かぶ今はいない人。その紡がれる一つ一つの言葉が心にすっと溶けてくる。亡くしてから流れる月日の長さなんて関係なくって、ふとした瞬間に、心の中に現れるその面影を追う。初っ端の表題作に心を掴まれ駆け抜けるように読み切った。緩やかに確かに流れる時間と彼女の心の描写がたまらなく素敵だった。
今の日本のこの状況で読んだせいか人とのつながりについて思うことが多かった。生きていてもそうじゃなくても、近くても遠くてもいい、心の中で語りあえる、思い浮かべることのできる人がいることが、生きていく力になる。そして自分に力を与えてくれる人がいることがどんなに支えになるか・・
佐紀の戦友玖美子が亡くなった。23才から一緒に仕事をし、飲みに行き、共に過ごした13年間。日常のふとしたきっかけで思い出す玖美子との思い出は、過去と今が繋がっていることを思い出させる。玖美子と過ごした若かった佐紀、年を重ねていく現在。
年上のお姉さん達と飲みに行くと、佐紀と玖美子のような思い出話を聞かされるので、読んでるというよりも、お姉さん達の話を横で拝聴してる気分になり一気読み!
これ、てっきり短編集だと思って読んでたら連作短編集でした。長い喪中って文章中に出てきました。確かに…。喪失を抱えながら少しずつ前に進んでいた。
良かったけど、コメントとして何が良かったって書きにくいな。長い長い喪中の話?どんなに大切な人が死んだって、残された者は生きていくしかないのよね。辛さを乗り越えるためのチカラは、たぶんまわりの人からの影響とかで、時間をかけて出てくるものだよね。
残された者は、それでも生きなければならない。「ここにいたら、何て言うかな。」と半ば妄想しながら、ただ、失ったものの大きさもわからずにぼんやりと過ぎる毎日。佐紀の痛みは佐紀にしかわからないけど、佐紀と同様に痛みを抱えた人たちもいて、皆、それぞれにどうにか折り合いをつけて生きている。えらいことでもなくて、必死だったり、漫然とだったり。でも、いつか、喪は明ける。
アラフォーのドロドロ恋愛かと思ったら、それどころか穏やかに流れていくストーリーで、心にストンと落ちました。恋にもいろんな形があるんだ。
私もこの本の主人公たちのようにアラフォーを迎え、普段周囲にいる年の近い友人の突然の訃報を耳にすることが出てきた。子どものころから祖父母や親戚の死は経験してきていたが、友人の死はそれとはまた違い、さらにさらに辛くこたえる。そして残された生きてる自分について色々なことを考えさせられ、いつまでもボディブローのように効いてしまう。作者の大島さんは、そんなこととその周辺のことを書きたかったんだな、と。こんな年だから共感できるのてすね。
友達ではない。気の合う仲間でもない。でも、他の誰にも埋められない存在。漫画原作者の佐紀にとって、編集者の玖美子は"戦友"だった――。冒頭とタイトルから、彼女たちが恋のライバルとでもなる話かと思いきや、玖美子が既に亡くなっていることが佐紀の語りから明かされる。玖美子を失った佐紀が抱える、心の喪失。この作品は、30代半ばに玖美子が突然亡くなってからの、10年にもわたる佐紀の再生の物語である。淡々としているが、アラサー•アラフォーの働く女性に読んでほしい、お仕事小説。タイトルでちょっと損してるかも。
始めは、もっと重苦しい話になるかと思った。死がまとわりつくかと。が、さすがは大島さん、ゆるゆると、さらさらと、川が流れるように話は続いて、佐紀のスランプのように気付くと浮上している。突然起こる事も気付くと過去になっている。そんなものなのかもしれない。
ずっと一緒に仕事をしてきた戦友の死。それでも日常は続く。長い喪中を抜けたのね等、随所を締める律子さんの佇まいが素敵。恋という割りに恋愛の話はあまりなく。淡々とした作品ながらするすると最後までよんでしまう。
戦友の恋というわりに、あまり恋愛感もなく、淡々と過ぎていく日常の話しです。淡々としていながらも、静かに燻り続けている悲しみが、底にあるような。駄目男な初恋相手も、いい味出してます。でもまだ消化不良。続編があれば良いのに。
ずっと一緒に人生を戦ってきた友の突然の死に向き合う女性。喪失感からいつしか抜け出して再生していく様が淡々と描かれていて、爽やかな読後感でした。さらりと読めました。このような物語は好きです。多分左紀さんと同年代の私には戦友はいません。ちょっと憧れます。ドラマ化とかされたらいいな。他の作品も読んでみたいです。
とっても大切にしたい物語です。漫画の原作者とその担当編集者の女性2人が中心人物。ですが、編集者の女性が突然死んでしまって・・・。残された方は、突然の「戦友」の死にどうすることもできず、そのまま流されるように日々を送って行きます。ふとした瞬間に彼女のことを思い出しながら。自分も相手も生きている“今”を大切にしようと本当に思える作品でした。
友だちでも親友でもない。同僚でもなく、仲間でも、同級生とも違う。しいて言うなら戦友。瑞々しい文章に定評のある大島さんですが、この作品もいいですね。自分を見出してくれた、玖美子は佐紀にとってかけがえのない、存在だったのですね。ある日突然、そんな彼女がいなくなった。失望と、虚脱感。そして、スランプ。そこから、ゆっくりと、再生していくんですね。佐紀を通して、わたしの人生の中の死を思い起こし、でも人は生き続けることを教えてくれました。だから、やはり、今が大切なんですね。実に余韻の残る作品でした。大島さんのベスト。
書評からいろんな想像がかきたてられて読みました。その想像は期待でもあったのですが…私にはつまらなかったです。何も起こらないことがつまらない。そういう話じゃないので、私のように勝手な想像や期待をすると、本来楽しめるはじの話を台無しにしてしまいますよ。
大島さんらしい作品ではないでしょうか。何の変哲も無い日常を描きながらも“戦友”の死を受け入れ、再生していくラストは流石です。こういった話はだいたい間延びしてしまうんですが、大島さん作品はそれだけで終わらない安心感を与えてくれる。ただ、人によっては深いというか厚みがないと思うかもしれません。実際、私も好きなんですが感動、などの余韻は少なめです。でもそれも著者の作品には淡々とした生活の中の再生を描かれていて好きなんですが。
人が生きている中で必ず訪れる、出逢いと別れ。それが進級だったり、偶然だったり、死であったり。濃密な人間関係を結べば結ぶほど別れが辛い。著者の作品をもっと読もう。これはオススメです。
『喪うことに慣れてしまったからといって、喪う前に放棄してしまっていいわけではない。喪うことに慣れてしまったからこそ、ようやく繋がった、ようやく見つけたこの細い線を手放してはならないのではないか。』
戦友の恋の
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感想・レビュー:74件














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