悪党
悪党を追加
悪党の感想・レビュー(328)
社会派作家の薬丸岳。犯罪被害者遺族と加害者の接点が有り過ぎる気がするが、被害者遺族としては何があっても許せない気持ちは分かる。では過ちを犯してしまったものはどうしたら贖罪を果たせるのか。立派に更生するものもいる一方、不浄な身に落ち込むものもいる。私は主人公の佐伯が一線を越えなくて良かったと思う。エピローグの部分は、ほっとさせられた。
「犯罪被害者遺族は、何を以て赦すことができるのか」という非常に深いテーマであるが、短編集的な編成になっておりかなり読みやすかった。簡単に結論の出る話ではないが、少なくとも本作の主人公は最後は多少なりとも救われているので良かったと思う。また、本作を読み終えた後で東野圭吾氏の「さまよう刃」の内容を思い出し、色々と考えてしまった。
面白かった!(・∀・)まぁ面白いと言っていいのかどうかというテーマではあるし、この方の本ってこういう本ばかり?今までは似たような系列ばかり読んでます。床屋のお父さんの「笑わなくてはいけないんだ」というセリフ。重いです。
薬丸さんの小説は人の暗部を覗き込むものだが、正義、良心、常識を圧倒的に善として描いており胸がすく。罪を犯したものを徹底的に憎悪するもののどこかで赦す暖かい眼差しも感じる。「刑事のまなざし」も素晴らしかったが、こちらも悲惨な話でありながらクール&グッド!こういう小説を読むと非常に安心するし、ほっとする。
心に深い傷を持った、とある探偵が主人公です。各章毎に探偵事務所を訪れる人間が、被害者遺族、加害者家族、国選弁護人…と、それぞれが色んな事件の関係者で、その人達を通して、主人公自身が自分の心の傷と向かい合います。非常に考えさせる話でした。心を殺された人々に、相手を「赦す」事は一生できないと思うけれど、憎しみの焔は、その身も焼き尽くす。いつかは「終わらせる」という形で幕を閉じるしかないのかもしれない…と思いました。
みなさんいわれているとおり、内容は非常に重い。重いけれど、サクサクと読み進めることができる。 犯罪被害者の家族達は、本当の意味で笑うことができないのか。加害者を許すことはできないのか。加害者に対する恨みは消えないけれど、復讐してもよいことなどない。それはわかっているけれど、何かせずにはいられない……そんなジレンマをずっと抱えていかなければならないのだろうか。
とても面白かったです。重いテーマでありながら、サクサク読めました。主人公が犯人を追いかける動機が果たしてリアリティあるのかどうかは微妙だけれども、エンターテイメントという点ではありかな?という気がしました。映像でも見てみたい気がします。
★★★☆☆ 犯罪被害者とその家族がそれぞれの苦悩を語り、加害者は「どうせ赦されない」といい放つ。作品のキーワード「赦し」は、当事者同士には成立しないだろう。前を向いて生きようとする佐伯の父や冬美の強さに胸を打たれた。
何をもって赦しとし、何をもって罰とするのか。何をもって善と成し、何をもって悪と成すべきなのか。非常に考えさせられる内容。加害者側にとっても被害者側にとっても、たった一つの過ちによって人生がここまで変わってしまうのか。ただ、人を徒に傷つけ、時にその命さえも奪ってしまうのが人間だけど、その罪を許せるのも最終的には人間にしかできないんですよね。どんな人間だって愛されていいし、人を愛してもいいはずで。その価値がない人間は一人もいないんじゃないか…そう思いたくなった。それじゃ甘いのかもしれないけれど。
主人公・佐伯修一の働く探偵事務所は、出所後の加害者の身辺調査を行う異色の探偵事務所。調査依頼を発端に、一話一話に加害者・加害者家族・遺族・元国選弁護人など様々な立場の人々が出てき、彼らの心理描写が秀一。佐伯自信幼少時に姉を強姦殺人で失っており、加害者三人の個人調査を通して味わう葛藤が全話を通して描かれる。更生保護に関する被害者心理など、著者は被害者心理について十分理解した上で話を書いており、非常に読ませる。
自分の身内が無残な事件で命を落とすことになったら憎んでも憎みきれないだろう。自分だったらどうなのか・・・想像するだけでも苦しい内容だった。赦しても赦さなくても被害者家族はずっと悲しみを背負い続けなければいけない。たとえ加害者がこの世にいなくなったとしても。主人公の苦悩や怒りが外れた道に行かなくてよかった。それが読んでて救いになった。
「刑事のまなざし」を読んだ時、このような重いテーマがながら敢えて書いている薬丸さんの他の作品も読みたいと思っていたところ、読友さんにオススメ頂き、読みました。更に辛い内容の作品でした。遺族と加害者のその後の人生、裁判で言い渡される判決は更生出来るのか出来ないのか、いつどうすれば赦されるのか…佐伯だけじゃなく誰も答えられない問題ではありますが、少なくとも最後は、佐伯が多少救われて終わって良かったです。そうでなければ佐伯はずーっと事件を引きずっていたでしょうから。所長さんも結局は佐伯を救う一人だったんですね。
とても重たい内容でした。被害者は、被害者の家族は加害者を許せるのか?加害者は更生できるのか?姉を殺された主人公は、加害者を許すことができるのか。ラストに救いを感じた。
★★★★★被害者遺族の苦悩と憎悪、加害者の量刑と更生を双方の立場から鋭く描いた小説。薬丸氏は一貫してこの問題を小説の題材にしており、どの著書も読み応えがあり面白いが、これは傑作。連作短編集の形態で読み易く、文章自体も難しくないので、中学生の課題図書に推薦したい。
重たい内容だった。自分ならどうするだろうと考えて読んだ。結局、罪を犯した者もその被害者も本当に救われたり赦されたりすることはないのだと思う。ラストは読者が癒されたと思う。
難しいテーマをエンタメとして読ませるのが上手い。もっと評価されてほしい作家さんのひとり。犯罪被害者とその家族の心情がよく描けた作品だとおもう。刑期を終えた犯人がしあわせに生きていることに耐えられないというのがリアルだった。刑期を終えたからといって被害者やその家族には終わりではない。赦すことは難しくでも赦せないことも重く苦しいのだ。誰にでも起こりうることとして考えながら読むと更に重くやるせない気持ちになる。でも読んでよかった。
被害者は一人だけではない、その家族をも殺してしまうものなんだ。佐伯の父親の「笑えるようにならなきゃいけない。自分たち家族は絶対不幸になっちゃいけないんだ」の言葉が心に刺さる。絶対に不幸になってはいけないけど、心から笑える日は来るのだろうか。加害者を赦せるわけはないと思うけど、憎み続けるより加害者の赦せる部分を見つけ、少しでも自分も楽になりたいと思う気持ちもあるのだろうか。重いテーマだっただけに、いろいろと考えさせられた。佐伯は冬美と幸せになって欲しい。心から願った。
読み始めて読んだ事あると思った。一昨年読んでた。再読。
姉を強姦殺人で亡くした探偵が主人公の連作短編集。
『加害者の追跡調査をする』という探偵の仕事をこなしながら、姉を死に追いやった者達を探しだす。
かなり重たい内容だが、この作者らしく終わり方は未来ある感じでよかった。
初の薬丸作品。題から裏社会、○クザものだろうと踏んでいたのですが違いました。読んで行くうち、事件の事実からだけでは分からない、犯罪者、被害者、その家族の人生と消えない心の傷が見えて来ます。それぞれの立場に立たないと分からない事ってたくさんありますね。でも何の罪も無い人を殺める犯罪者達だけは許せないです。人の命の重み、尊さを幼いうちから教え諭す必要があると思いました。
今のところ私の中では薬丸岳作品はハズレ無しだ。テーマが 犯罪の被害者家族の苦悩なので、考えさせられる部分がたくさんある。どうあがいても被害者家族と加害者が理解し合えることはない。謝罪されてもきっと許すことはできない。
薬丸さんは毎回犯罪をテーマにしているが、今回は短編集が集まってひとつのストーリーを構成するといった今までとは少し違った感じだった。犯罪の被害者、加害者の両方の立場から「赦す」ことや「償い」とは何かを考えさせられる。主人公にとって前向きな終わり方で良かった。
重いテーマだけど、読みやすい形式だったので、話に入り込めた。最後の終わり方に救いがあって、ほんとによかった。いろいろ考えさせられる一冊です。
思った以上に、好みのタイプの話の流れでした。重いテーマだけど、読ませる展開がうまい。罪を償うってことはどういうことなんでしょう。被害者はどう受け止めて、加害者は赦されることはないのでしょうか。最後の終わりに救いがあったことが、良かったと思います。佐伯には笑えるようになって、幸せになってほしいと思います。
面白かった。重い話なのに、連作の形を取っていることで読みやすくなり、話の進行も掴みやすかったし、主人公の気持が揺れる過程に説得力があった。犯人を許せるのか、考えながら読んだけど、やっぱり答えは出ないな…。
被害者も加害者の心情が詳細に書かれていると思いました。被害者の弟は本当に納得したのか・・・読後はさわやかではないけれど前向きに生きてほしいと思うばかりでした
犯罪被害者の遺族や被害者本人と、加害者やその弁護士との関わり合いがよく描かれていて引き込まれました。被害者側が加害者を赦すということが本当の意味でできるのか、かといって復讐して自分が犯罪者になるのはどうなのか、全く後悔の念を持たない加害者を刑が終了したからといって一般社会に放置しておいていいものなのか、とにかくいろいろ考えさせられました。
復讐というテーマをもとに探偵が動く。。 赦す、赦せない、赦さない。。犯罪被害者の心の中の葛藤が少しわかった気がした。
犯罪被害者の家族の話。犯罪被害者でもありながら探偵をしている佐伯の心情にだんだんせつなさというかやりきれなさが出てくる。話がうまく展開されていて、スムーズに読めた。一気に読んでしまいたい作品です。
ラストに入るまで主人公も読者もやりきれない気持ちになってしまう。被害者が赦すことなどないと自覚しているから、赦されることなど考えないという加害者の発言には怒りを超えて脱力した。これが悪党かと。現実では被害者が悲しい目にあった後、笑っていたり遊んでいたら世間は何でそんなことできるんだと批判する。佐伯の父親が「笑えるようにならなきゃいけない。絶対に不幸になっちゃいけない」というセリフにある通り、被害者家族はそうあるべきだ。ラストは悲しい目にあった彼女だから佐伯を支えられる女性だろうし佐伯だから傷跡を微笑みに
犯罪被害者の家族が一番虚無感を感じるのは、犯人が刑期を終えてのうのうと生活していることよりも、生に対して執着していないことが分かる時だろうと思う。法が裁かないのであれば自分が天罰を与えたい。命乞いをしてきたらさぞかしすっきりするだろう。しかしそれすら叶わない時の虚しさ。姉を凌辱され殺害された佐伯のやり場のない怒りが伝わってきた。探偵事務所の所長の木暮は最初、業突張りで嫌な奴だと思ったが、色々考えあってのことだったのね。行き場のない怒りを感じた作品だが、明るい未来を予感させる終わり方が救いだった。
ナイス! ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ -
コメント(0)
- 11/11
身内を殺された被害者が何の迷いもなく加害者を憎み、思うがままの復讐を遂げられたら、気持ちは救われるのだろうか・・・。何があっても失われた命は帰っては来ない。多くのやるせない思いが詰まった本だと思う。
悪党の
%
感想・レビュー:139件















































