あげくの果て
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あげくの果ての感想・レビュー(141)
誤解を恐れずに書くと、良質のB級映画を見た感じ。楽しく読ませていただきました。決して心地よい読後感に浸れる訳じゃないけど、こういう作品嫌いじゃありません。しっかりとした世界観がよませるなぁと。これまで読んだ曽根作品の中では、一番のお気に入りです。
筒井康隆『銀嶺の果てに』のようなものを予想しながら読んだら、違った。収録3作品とものっけから不幸だった人達が更に不幸になる話。帯には「黒い笑いと切なさに満ちた」との謳い文句。黒さと切なさは素晴らしいものがありましたが・・・笑っていいのかこれは。短編ながら構成が非常に面白くよく出来ていて文章も世界観の構築も上手く、すごい作家です。ただし自分の体調や心の状態が悪いときに読むには要注意かも・・・。
3編いずれも設定と構成の妙。「熱帯夜」ではグロテスクさを隠れ蓑にした構成力の高さに、表題作では忌避すべき未来を連想させるリアリティに、「最後の言い訳」ではタイトル通りのアイロニカルな結末のどこか可笑しさに、それぞれ舌を巻く。
3作品ともに、アイディアが奇抜なだけではなく、ミステリ要素もぎっしり。そして、ブラックな展開。自分の好物ばかりが詰め込まれたお弁当を食べている感じで、とても幸せな気持ちになれました。特に、「最後の言い訳」が素晴らしかった。少子高齢化、食品偽装あたりを風刺するだけなら、そこらへんの作家にもできる。これにゾンビを絡めるんですよ、ゾンビ。それでいて、最後は少し切ない気分になれるという。曽根圭介は筒井康隆の進化系です。この作家の作品をリアルタイムで読めることに感謝。
感想を一言で表すなら「気持ち悪かった」です。表紙もそうだし、描写も黒いしグロいし・・・。でも所々クスリとさせられて、ブラックユーモア有りって感じでしょうか。表題作を含む短編が三作品収録されていますが、個人的には「熱帯夜」が一番面白く読めたかな。予想外の展開で「おおっ」と感心してしまいました。いや~でもホント・・・すごい世界観です。寝る前と、食事中に読まなくて良かった(笑)
面白かった。けど、暗い厭な気分になるな……。特に『あげくの果て』は。とんでもない話なんだけど“荒唐無稽”じゃすまないような気もして。曽根さん、3冊目だけど、今までに読んだ2冊とはちょっと雰囲気が違ったか。こちらの方が随分好きだ。
近未来の日本。高齢者が増えすぎたことによって、それを迫害する団体、保護する団体の対立は、テロレベルの規模まで拡大していた・・・ 表題作を含む全三編のホラー?短編集。 まず目を引くのはインパクト絶大なおどろおどしい表紙だけど、内容もそれに引けをとらず実にブラック。現状の日本が抱えてる問題を「ほんの少し」茶化すことで生まれる悲喜劇。でも表題作は長いわりに落しどころがイマイチだったかな・・・ 他二編の方がおもしろい。『最後の言い訳』で、ゾンビ話の亜流にはまだまだ無限の可能性があるんだなと思わせてくれた。
まっくろ・・・ですがなぜかニヤリとしてしまう。短編集ですがどれも良かった。最後のお話でなぜか「ビートたけし」の赤信号みんなで・・・を連想してしまった。
ホラーは苦手な方なんだなあと少々ビビりながら読み進めたのだが「何これ面白いじゃないっ!」とやたらニヤニヤしてしまった。構成上手、風刺も鋭く、変にドロドロしていないので、ホラーが苦手な人でも大丈夫だと思う。
く、黒い。黒過ぎます。全部で3話収録なのですが、最初の1編目もなかなか殺傷度の高いブラックな雰囲気でしたがそれ以降の2編のダークさがヌケてますね。平山夢明さんの「ソレ」とは質も狂気度も全く違っていて、よりリアリティーを感じさせる設定な分、ファンタジックでなく生々しくゾッ...とする怖さがあります。 救えないようでなんとなく上手く落としたラストの「最後の言い訳」は米澤穂信の「儚い羊たちの祝宴」に収録されているようなフィニッシング・ストローク的な破壊力。
サービス精神の権化。「あげくの果て」では「難局2号」に笑う。「最後の言い訳」は、せっかくの緻密な構成を全身全霊で自ら投げ出すラスト2頁が最高。心の底から褒め言葉を贈りたい。
「この本には黒くてどろどろしたものがいっぱいつまっている。悪くするとそれにつかまるかもしれないのでくれぐれも安易に手を出してはいけない」という書評を読んでたので、おっかなびっくり、しかし、怖いもの見たさで読みました。・・・・・が、そんなどろどろしてない。と、思う自分が少し心配。確かに黒いけど。3つ目のなんて後半の展開に笑ってしまった。
シュールな笑いと切なさのバランスが良いです。全体的な雰囲気は、七割の平山夢明氏と三割の恒川光太郎氏を足したような印象を受けました。あくまでも個人的には、ですが。
読後の爽や感は全く無いけど、なかなか面白い。二つの物語が絡まって一つになるとき、ちょっとうなってしまうかも…
表紙からして不気味な三作の中短編。『熱帯夜』ではちょっと先が読めてしまうところも有るが、それぞれのツキのなさをうまく表現している。表題となっている『あげくの果て』では近未来の設定で、ありえなくない程度の貧富の差から来る思想感がぞっとくる。『最後の言い訳』ではと人間と蘇生者の共存から、食の不安という時事ネタを活かしつつ不気味なラストへもっていくお見事な作品。
「鼻」に続くブラックホラー3篇。ブラックに磨きがかかり、ユーモアになっている。ブラックのネタにされている奴らは絶対に読まないのだろうが、読ませてやりたいものだ(読んでほしいのだという表現は×)。「最後の言い訳」がベスト。
黒い。でもただ黒いだけじゃない。いや~巧いです。黒いのにそれほど嫌じゃない読後感。3作とも良かったです。ギーガーの装丁がまたぴったりですね。
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感想・レビュー:52件














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