女神記 (新・世界の神話)
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女神記の感想・レビュー(347)
前半の、南国の小さな島の古い慣習から必死で逃れようとするナミマの下りは面白かったものの、後半に入るとちょっといまいちかなぁ。神話を題材にしたのはいいけど、どこか消化不良な感じ。もう少し違った描き方があるように思えました。
表紙(裏表紙も)が刺激的なので通勤時にはどーかと躊躇ったけど、読みだしたら一気だった。桐野版古事記、ではあるだろうけど、物語の最後がこれだと、創世記というよりは終末譚?それかむしろ黄泉の国に残った後のイザナミを想像した、古事記後日譚というべきかも。南の島の娘ナミマとイザナミの二人の物語を絡ませて女性の愛と裏切られた恨み・嫉妬・諦めを描いている。相対する男性陣は多感で愛すべき優しさを持つが同時にご都合主義で多情。男性読者にも楽しめるかどうか。
桐野夏生版イザナキ・イザナミ神話。黄泉の国に住まうイザナミと、イザナミの側仕えとなった女性ナミマの話の二本立て。ナミマの生きている頃の話が一番面白かった。
ずっと積んでいましたが、今回本屋で文庫版が出ているのをみて読んでみました。 「女は殺し。男は産んだ。」 殺す女神と増やす男神。殺された女と忘れた男。 死んだ女と生きた男の物語。 愛が深ければ憎しみも増すもの。 限りある生をいき死んだ男と、死してなお怨み続ける女。 男はただただ放出する生き物で、女は憎しみをも孕む生き物なのだ。
神話の世界の話。古事記の知識が全くないけど、読み物として純粋に楽しめた。人が死に際して、それをどの様に迎え、どの様に受け入れるのかと言うのを考えさせられた。最後の、「破壊の後に、何を再生なさるのかは…」って文言には、何だか納得。
刊行された当時本屋で第一章を立ち読みして、続きが気になっていた本、2年以上経ってやっと読了。こういう話好きなんですよね。古事記をベースに本当に新しい神話ができたって感じです。
3章まではナミマの物語としての面白味しかなく、国生みの物語も阿礼の口を借りて語られるだけで味気無かったけれど、4章からは非常に面白かった。当該の箇所は神話に不案内な読者の為に必要なのだろうけれど、他が良いだけにもう少しどうにか・・・と悔しい気持ち。しかし後半、八岐那彦を介してナミマとイザナミの物語が重なり、男と女、神と人間、陽と陰、男神と女神が描かれる部分は、まさに圧巻。神は神の尺度でしか測れず、その行動は人間の感情で語れるものではない。読み心地はあっさりしているけれど、まだ潜れそうなので、再読します。
子どものころに読んだ「日本の神話」に出てきたイザナキとイザナミ!懐かしく読みました。昔は、追いかけるイザナミが「かわいそう」と思ってすごく印象に残ったのだった。不思議と怖いとは思わなかった。大人の私は・・・女の一途さはこわくて、小気味よい。
イザナキイザナミの神話をベースにした桐野版新古事記。 この二神に仮託して男と女の社会的な性差、つまりジェンダーの問題を語っているのだと感じた。
古事記を題材にした、イザナミの話。もともと神話は理不尽で残酷なので、桐野夏生さんの書く「人の毒」が薄らいでしまう。とは言え、桐野さんらしいイザナミ像は魅力的。揺らぐイザナキに対して、揺らがないイザナミはまさに女神。
「古事記は女の扱いがひどい」と聞いてはいたが、ここまでとは。イザナミの怒りももっともで、イザナキもマヒトもしょうもない奴。一年近く体をはって子供を産む女にとって子供は自分以上の存在なのに、男にとっては自分の社会的な価値を補強するためだけのものなのか。子供に対する母親の想いは決して父親には分からない。女が複雑でドロドロというよりは、男が単純すぎてバカなのかも。それでも女は「あなにやし、えをとこを」とつぶやく。恋に落ちる瞬間の描写がさすが桐野夏生と感じた。
神であるイザナミと巫女で重なる運命。それは、神が作ったからなのか、それとも最初から? イザナギに対するイザナミの情念と故に、離れていく運命。そして、ますます燃え上がる情念。その描き方が何よりも印象に残った。
人間は神に似せて作られた。当たり前だけど人間のほうがずっと弱っちぃね。イザナミの苦しみが全ての女性の苦しみとなるなら恐ろしい事だ。
スズメバチになってマヒトたちを見に行くシーンがドキドキした。海蛇島は東京島を連想してしまった。
16歳の巫女が死んだ。そこから始まる物語。古事記の知識がなかったが楽しく読めた。知識があったらもっと楽しめたかというとよく分からないが。。。古事記について基本的な知識だけでも知りたいと思った。対になるものがナニカを生みだす。愛とは何か?深く考えずあっさりと伝えているような1冊である。
古事記をよく知らない私なので、ちょっともったいなかったかも。桐野さんらしい表現だなぁ。と思いつつ、内容は、わりとあっさりなので、読みやすい。神話って面白い。
イザナキ・イザナミの神話をベースに、小さな島と巫女たちを舞台に、女と男の愛情と裏切りと憎しみとを繰り返していく話。最後があっさりと言うかあっけないので、途中のドロドロ感を引きずらないので読みやすい。
女の執念や嫉妬からは神であるイザナミですら逃れられないのか。終盤のイザナミの言葉「常に自分のことしか考えずに、世界の秩序を壊す」に、今までイザナギに持っていた印象ががらっと変わってしまった。
ふーっ…と重い溜め息が一つ。女の中に渦巻く、ドロドロとした熱いモノ…嫉妬、恨み、つらみ、憎しみ、儚さの混じった赤錆色の愛を表現させたら天下一品の桐野夏生。今回は日本神話の国産みがベース。国を産んだ母のイザナミが、女のドロドロを昇華出来ないまま黄泉の国の女神である限り、私達女のドロドロと渦巻く愛は消えないのだろう。女の愛はイザナミの愛そのもの…。男は勝てないですね。どっと疲れたが、大好きです、桐野夏生。
女って太古の昔からどうして業が深く描かれなければならないのか。理性で生きるのが男なら、感情に翻弄されるのが女。この構図が崩されることはないのか。あまりにも女の生き方に救いがなさすぎる。
南の海の貧しい島の話...なもんで、どうも『東京島』を思い出してしまう。理不尽な運命にあらがい、結果として自分で納得の出来ない死を迎えることになったナミマが可哀想で泣ける。イザナキ・イザナミの神話の後日譚。神話はこんな風に終わらせていいのか? 大きな矛盾を抱えてこそ八百万の神の物語だね。万能のもののない切なさ。夜宵は残され、最後どうなるのか? 物語全体としては未消化なような...。
愛も憎しみも、男も女も、善も悪も、美しさも醜さも、陰陽一体のもの。神様だとて、それから逃れることはできない。そんな、心あるものとして生きる者の運命の哀しさが、ふつふつと迫ってくるような一冊でした。
古事記や日本書紀の話はよくわからないけど、イザナキとイザナミの話はおおまかに理解しました。さすが桐野ワールド、女の情念がおどろおどろしいです。語り口調で書かれているので、ところどころ声に出して読むとストンと入ってきました。
女神記の
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