サイゴン・タンゴ・カフェ
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サイゴン・タンゴ・カフェの感想・レビュー(131)
タンゴの短編集。この作家さんの言葉は本当に綺麗だ。場面の詩的な描写が好きで、言葉の選択が好きで、たまに急に読みたくなる。で、読むと「これでしばらくはいいや」ってなる。なぜか?濃密な性愛のにおいに、作者の強烈な自我に、鼻をやられてしまうからだ。
タイトルに惹かれて手に取る。ブエノスアイレス・ベトナムと地球の真逆の土地のそれぞれの舞台で繰り広げられる恋愛短編集。それぞれの街の雰囲気がありありと思い浮かべられる作品で読んでいる時もそのあとも気分がとても良い。みなさんのコメントを拝見するとどうやらこの作者他の作品の作風はこの作品と異なる様なので、また別のものを読んでみたい。
作者にしては、ファンタジー要素が強めで普段の作品よりも毛色が異なっていて、とても面白かったです。サイゴン~はいわずもがな。濃密な異国の空気に負けない濃密なる恋愛の物語、眩しくて焦げて仕舞いそうな位に熱い愛情。そして、どの作品にも共通のキーワード。 『世の中には二種類の人間しかいない。踊る人間と、踊らない人間だ。』
正直、いきなりタンゴやらブエノスアイレスやらベトナムやらよく分からんことを押し付けられても困るわさ…と真っ向から消極的な姿勢で手をつけ始めたが、どうやら、そんな事をいちいち心配する必要は微塵も無かったようである。読者は、深い湖の奥底から染み出す、甘く湿った音にただ身を任せていれば良いのだ。周りから何と思われようと、無我夢中に何かを素直に追い駆けることの出来る人の内面はいつだって、愛しくて哀しい。そんな思いを異国の風に一滴も残さずに溶け込ませた作品。
初めて手にした『天使の骨』が突然大好きな大切な一冊になってしまい、彼女の他の本も読みたくなって手にしたこれ。コメント付けられない、読んでご覧といいたい。お口に合わなくても、読んで悪いとは思わないでしょうから。
何読んでも裏切られない作家ってすごい。表題作のラストは美しい。一番初めのお話は中々複雑な恋愛だけどこういう愛の形をつくれるのは、人並以上の荒波を越えた人でなければ描けないよね・・・
表題作以外はこれまで読んだ中山可穂のイメージと異なり、意外な驚きがあった。アルゼンチンブエノスアイレスからベトナムサイゴンへ、タンゴが響く。タンゴとは、誰かに見せるものではなく、自分たちのために、交感するために踊るものなのだろう、深く密やかな結びつきがそこにはあった。独特の濃厚さ。猫の物語がとても印象的。主婦鈴木鈴子の愛すべき平凡さが新鮮だった。
以前の切なくて苦しくて死ぬしかないような話から、しなやかに強くなったと感じた。以前ならむき出しになっていたであろう、刺々しい思いを、美しく時間を重ねて深く包み込んでいるような短編。タンゴが聞きたくなる。
メモ:猫と暗殺者 5つの短編集。全編掴みはOK!で、するすると、ずるずると読んだ。映画のような舞台や流れ、情景で、まさに鑑賞した気分だ。表題作にあるように、全てタンゴが関わる話だが、一貫性はあまりなく、1つのテーマでこれだけ多様な物語を作れるんだと感心、感動した。また他著作も読みたい作家さんを、見付けられたぞ。
「そのときのおじいさんを見るのがわたしは一番つらかった。おじいさんは癇癪を起こして子供のように泣き出してしまうからだ。そんなとき、わたしはそっと膝に乗り、滴る涙を舐めてやることしかできない。猫はにんげんが泣いているとき、その涙を自分のからだに吸い取って、悲しみを分かち合うことしかできないのだ。」
再読。5編全てが好き。甲乙付け難いのだけど、敢えて言うなら表題作。以前のお話が濃い滴るような色彩であったなら、これは淡色。但し、パステルなどではなくて、落ち着いたもの。素敵な風合いのお話だった。
タンゴにまつわる5つの恋愛短編集。いままで読んだ中山可穂の作品のなかでいちばん好き。短編なのにそれぞれ濃厚で、でも希望を感じさせる展開なのがよかった。
ドブレAの悲しみ、サイゴン・タンゴ・カフェが特に良かった。大人の深く切ない愛情を表現する文章がほんとに素晴らしい。サイゴンは泣けた…。
きりきりと胸が痛むような切なく苦しい恋に、タンゴがぴったりと寄り添った濃厚で情熱的な短編集です。どのお話も光明が見えるような、優しい温かさもあってすごく良かったです。「ドブレAの悲しみ」と表題作がとくにお気に入りです。
久々に中山さんの本を読みました。とってもよかった!せつない哀しいストーリー、短編集ですがどれもよかったです。「弱法師」もすごくよかったけど、こちらも負けず劣らず。おすすめ!
前作のケッヘルがいまいちで。今回も期待せずに読んだけど。もう最初の1話からアレ!!やっぱり中山可穂。せつなくてどうしようもなくて。すごい好きな本の1冊になった。
タンゴをテーマにした、恋愛短編小説。男女の恋愛作品もあって少し驚いた。表題作は、癖の強いレズビアン作家と年下の女性編集者の愛という、中山さんらしい作品で、やはり泣いてしまった。装丁も美しい。
「セックスは誰とでもできるが、タンゴは君としか踊らない」、そんな激しい恋を描いた3編に、普通のおばさんが情熱を思い出す2編。全編すばらしかったとしか言いようがない濃厚な短編集。タンゴを聴かないと読み終わった気がしなくてYouTubeで見て聴いた。この作品と中山可穂さんにぴったりすぎだ。
どの作品にも中心にタンゴがある恋愛小説作品集。そして長編並の濃密さに圧倒される。身を切られるような切なく狂おしい愛にタンゴの調べがよく合う。交感される官能に身が震えるかのよう。どの話もいいが、「ドブレAの悲しみ」、それにあれこれ想起させて胸が苦しくなる表題作が好き好き。
サイゴン・タンゴ・カフェの
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感想・レビュー:48件














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