トーキョー・プリズン
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トーキョー・プリズンの感想・レビュー(245)
戦争が人々にもたらしたものは一体何だったのかについて深く考えさせられた作品だった。正直、犯人が誰であろうがそんなことは作者にとっては、どうでも良かったんだと思う。表現したかったのはきっと、とてつもなく大きくて深い"穴" の存在だったんだろうな。いやはやしかし、スパイ関連の作品といい、とにかくこのキザっぽい文章にワクワクしてしまう。アナグラムとかもうね、大胆過ぎるよね(笑)。
「あの戦争は軍部の暴走せい。戦犯は東条英機」こういう考えは一般人が楽だから、誰かのせいにしないと戦後は生きてはいけないから…一般人もちゃんと知っていた、知っていて戦争の始まりは軍需特需を謳歌していた。うーん、今まで考えもしなかった視点だけど、ものすごーーーーく納得できる。この人は戦争中やら戦後の日本をよく描くけど、あの時代の事を深く考察してるんだなぁ。ただ太字の部分は映画では無音&スローで流れるシーンっぽくて、ちょっと萎えた。作者の頭の中のイメージを読者の頭の中にも再生したいんだろうけど、ちょいと狙いすぎ
貴島という人物の魅力に惹かれ次々とページをめくらずにはいられなかった。戦争という異常な状況の中で自分を保ち続ける難しさ、「人道的な罪」を問いながら「人道的な罪」を平気で犯し続ける矛盾などが良く書けていたと思う。タイトルからして暗い話を想像していたけど、ラストの中に少しだけ救いを感じた。柳広司さんを読んだのは2作目だったけど、どちらも大変面白かった。もっと彼の作品を読んでみたい。
東京裁判で有罪になったB、C級戦犯で、無理やり有罪にされた人って多いんだろうなぁ。文化の違いもあるし、教養の違いもあっただろう。推理小説的には若干無理やりな気もしたけど。
戦時中に消息を絶った知人の情報を得るためスガモプリズンを訪れた私立探偵のフェアフィールドは、調査の交換条件として、捕虜虐殺の容疑で収監されている貴島悟の記憶を取り戻す任務を命じられる。フェアフィールドは貴島の相棒役を務めながら、プリズン内で発生した不可解な服毒死事件の謎を追ってゆく…。戦争となるとどうしても話が重くなってしまう。最後はとてもやるせなく、切ない…。
プリズン・ブレイクみたいな感じかなぁと想いきや、まったく違い戦争の重さが滲み出ていた。人の心はいつも善だけでなく常に二面性を持っているものだ。計算をして、策略を練る。それが窮地になればなるほど人を追いつめ、全面に現れていく。善人が悪人に変わるのはその人のせいだけでなく、裏切りとも言えない。そこにあるのは真実。まっすぐ見つめられる人が強いものの、身近であれば見たくないことも多い。それを含めて好きになれれば愛に違いないが多大な時間を要する。その間に人も状況も変わるのは切ないと思った。
文庫の森美夏さんのカバーイラストに惹かれて、でもハードカバー版を読了。ミステリだけど、戦争の重さの方が前面にあった。雰囲気的にはすごく好きだったし、さくさく読めた。ただラストが切ない…。
戦争モノは重い。読了後はいつもなんとなく罪悪感を感じてしまうから戦争モノ小説は避けてたのだけど、夏フェアのパンフに載ってたから思わず読んでしまったぜ……図書館本だけど。キジマとイツオが切ない。
面白いと思いつつもせのテーマの重さゆえなかなか読み進めなかった作品。終盤繋がりのないと思われていたエピソードも綺麗に収束させる手腕はさすが‼戦中後の話であり読後感も重いですが…「新聞が真実を書かなかったのはそれがわたしたちの知りたくないことだったから」という1文は現在にも通ずると思わされました。
なかなか読み進められず、後半になってやっと一気読み。ジョーカーゲームのような展開の早さはなく、何度も眠りを誘われました。ラストは切ない。この時代を生きた人でしか知らないだろう苦しさが伺えました。
交錯した調査と主人公に最初はつかみ所がないように思えたけれど 中盤からはしっかりと入り込めました。読後には何か大事な事を考えなくちゃ!と感じました。
戦争モノを書かせると圧巻だなぁ。ラストが切なくて、なんだかどんより気分。密室トリックは正直つまらないかな。でも、展開が面白いので最後まで一気に読ませてしまう。
終戦直後の日本。ニュージーランドからいとこの消息を調査しに来た探偵と、戦時中の記憶を無くしたまま戦犯として捕まっている日本人が、プリズン内の事件を解く&失った記憶を取り戻す話。全ての謎を読者にもわかるようきちんと解決させてくれるので、読後感がすっきりしました。げにおそろしきは人の心かな。
全体的に重低音が流れているような、そんな雰囲気。やっぱり戦争モノは重たいな。ミステリとしても読み応えはあり。ただ異様に読むのに時間がかかってしまった・・・・ナゼだろう?
『僕を殺したものはウーティス』 戦争は人間を豹変させる。何が正義で、何が悪なのか・・・ 戦勝国も敗戦国も戦争で何を得たのか?ただ深い悲しみである。戦争という暗いテーマでだったが、最後の最後でキョウコが戦争による不幸から抜け出し、幸せな躍動感あふれる女性になっていたことに心温まった。アイスブレーカーもよかったけど戦争ネタは最高に書き方うまいですね。柳さんの続編に期待!!
1月15日開始〜同日読了。戦後アメリカ軍による統率の下におかれたスガモプリズンが舞台。提示された謎は三つ。主人公の従兄弟捜し、プリズン内で起きた不可解な死、囚人キジマの記憶。キジマの過去については記述ならではの落とし穴というか答えが明示されるまでさっぱり分からなかった。主目的だった筈の従兄弟の探索は物語の結末部で明らかにされる。そこまで読んで途中でよく分からなかった部分もヒントとなる描写であったことに気が付いた。最後の最後で一見無関係な三つの事件が全て繋がり完全なる収束を向かえる結末は読みごたえがあった。
『ジョーカー・ゲーム』から遡って読みました。『ジョーカー』シリーズではおそらく意識的に切っている政治的・倫理的な命題に関しての作者なりの問いに重点が置かれた作品だと評価します。その意味で、ミステリというよりも読み物として秀逸。柳さんにはいつか二要素を止揚した集大成的な作品もものしてほしい。
戦後、GHQが戦犯を収容していた巣鴨プリズンが舞台。戦争責任とか人権問題とか背景は重く暗いのだけど、基本的にはミステリーものなので、おもしろく読めた。
推理した瞬間、今まで三次元のイメージで脳内変換していた登場人物たちが、よしながふみのイラストで二次元化してる……ヤバイぞ俺、腐りかけてる。
戦争というか戦後の暗部、戦中も戦後直後も日本には人権と言う物がなかったんだな、と。
戦後から現代まで続く矛盾に正面から切り込んでいてびっくりした。ヒロヒトという象徴。自分の戦争への理解について改めて考えさせられた。責任の取り方に自分なりのけじめをちゃんとつけたキジマのかっこよさに鳥肌が立った。
★★★★☆戦犯になった日本人の心の闇をえぐっている。オウムのトリックには???というところがあったが、意外な真犯人にさすが!である。これにも日系兵が描かれている。
巣鴨プリズンを舞台にした連続殺人事件。ニュージーランドから来た探偵が記憶を失った戦犯との遣り取りを軸に解決の糸口を探る、という展開なのですが、最後の実行犯の動機がイマイチ弱かった気がします。結局キジマ氏が一人超然としており、美味しいところを浚っていったなぁ、という気がします。推理小説の体を取った戦争体験を語る本、というのが一番正しいのかもしれないですね。戦中戦後の混乱と憎悪、悲哀と醜さ、そういったものを余すところ無く描いてやろうという意気込みが感じられます。
スガモ・プリズンに囚われている元日本兵、キジマ。戦時中の記憶をなくしているため、裁判にかけられない。彼の記憶を取り戻す手伝いを命じられるニュージーランド人。この二人を中心に謎ときが進んでいく、んだけど、この時代の空気が色濃く反映されていて、そちらのほうに気持ちを持って行かれがち。読み応えのある一冊でした。キョウコの強さが清々しかった。
原爆を投下した人や東京を焼け野原にした人たちは英雄で捕虜を虐待したら死刑に値する重罪なんだ…。比べることじゃないのかもしれないけれど重さの基準って何だ?内容は決して軽くはないけれどとても読みやすかった。キジマもエディも魅力的です。特にキジマの引き際はカッコよすぎじゃないかな。
ミステリー的には犯人は予想通りだったし、トリックはちょっと?なところもあったものの、キジマ&エディの探偵小説愛好家コンビ(?)による謎解き(?)は面白かった。が、対照的に事態は重く暗い。文化の違いによる行違いや敵と味方の狭間での苦悩から生じた暴力。それらの為に戦犯となったキジマ。私の気持としてはキジマに生きていてほしかったなぁ。でも、軍部に騙されていただけで自分は悪くないって思い込みたい人間の心は恐ろしい、けれど理解できる気がする。人間はなんて弱いのだろう。でもラストのキョーコの力強さ、逞しさに救われた
ミステリーとしては実現可能なのかというトリックだった。食生活、文化の違いから軍事裁判になってしまう。「大きな力はそれ自体生き物。大きな力には大きな責任が必要」と言った彼の言葉が重い。
ミステリーとしては、トリックが強引で稚拙な気がするが、読み物としては緊迫感があり楽しめた。戦時中に捕虜に牛蒡を食べさせたため軍事裁判にかけられた日本兵がいたと聞いていたが、異国人との文化や認識の違いは複雑だ。
キジマの無実を願っていたんだけどな。 残念。最後まで誰が犯人なのかわからず、ページを捲る速度が上がりっぱなしだった。 独特の世界観が魅力な作家さんだと思った。 出版社/著者からの内容紹介 元軍人のフェアフィールドは、巣鴨プリズンの囚人・貴島悟の記憶を取り戻す任務を命じられる。貴島は捕虜虐殺の容疑で死刑を求刑されているが、その記憶からは戦争中の記憶がすっぽりと抜け落ちているというのだ。時を同じくして、プリズン内で不可解な殺人事件が起きる。その殺人は<密室状況>で為されていた。フェアフィールドは貴島の協力を
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