漆黒の王子
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漆黒の王子の感想・レビュー(193)
こ・・・こえぇ。「怖さ」の定義づけをするとしたら、高遠曰くの「衣食住を奪われた時」なんだと。交差する上側と下側。ガネーシャが何者なのか。そして、時間軸が交差しているのか、どうなのか。ミステリっぽくもあり、バイオレンスモノっぽくもあり。理不尽なチカラ関係が垣間見えたり。踏まれたほうは覚えているのに、踏んだほうは・・・。というのがネ。★冲方丁「黒い季節」
上側(現実社会)と下側(暗渠)が入り組んで書かれていて、話の仕組みが わかるまで混乱したが、わかってからはあっという間に引き込まれた。ガネーシャ、千鶴、高遠、紺野、水樹、秋庭、暗渠に暮らす人々。。過去への復讐や原子力廃棄物処理、伝染病という思いもかけない方向へ進むスピード感は見事だと思った。
暗くて重い内容だったので、一気に読むことはできなかった。1週間くらいかけてゆっくり読んだけれど、下側の世界はミステリアスで上側の世界は欲に塗れていた。この表現が正しいのかは不明だが、とにかく自分のことしか考えていない。ガネーシャが復讐のために選んだ方法はとても恐ろしいけれど、紺野や高遠のほうがもっと恐ろしい。謎に満ちた暗渠が彼女を隠し、守ってくれた。
☆×4.5…これはちょっと冗長と言うイメージが強いかな。それと、1箇所ほどどうしても理解できない謎が存在します。何かの隠喩か?あらゆるところにぼかした表現が出てきて、真相の整理が面倒です。しかしながら序盤のほうでは傍点で強調しているのでそこに気を配れば。この作品のメインは下側の世界のほうですね。とにかく、救われることのない世界が広がっています。トリックはなかなか力作ですが、設定的に無理があるかな。それよりもある人の「凄惨な事実」が印象に残りました。それがなければこんなにはならなかったろうな。
上側と下側の世界が少しずつ繋がり、重なっていくのは読んでいてとても面白かった。ですが、この時期に読むには少しばかりヘビーでした。読後感は『取り残された』でしょうか。
読み進めるのが辛かった。原因は二つのお話が全然交差してくれない退屈さにあると思います。いつこれが重なるのかまったく見えてこない。しんどかった・・・
残虐な描写あり。上の世界も下の世界も闇。救いがないのが辛い。憎しみが新たな憎しみを呼びやがて引き返せない闇の世界へ…。こんな雰囲気なのに「もういいや」とならずもしかしたらひっくり返す展開が待ってるのではと続きが気になって最後まで読んでしまった。
世界の終わりとハードボイルドワンダーランドのピカレスク版、というといいすぎかな。トギオにも少し似てる。魔物(大沢の)にも似てる。かなり好きだわ。
読み進めるのがしんどかった。闇、闇、闇。それぞれの屈折する闇を描き出しつつ、上と下とで話は進行してゆく。冒頭で語られる二人の過去が苦しくて、こんな結末を迎えるしかなかったのか、とやるせなくなる。救いがあったのか、救いとは何を指すのか、わからなくなる作品だった。
通常よりも読むのに時間がかかってしまった・・・好みじゃなかったのかなぁ。読みながら続きが気になるのに、なかなか進めなかった。他作品を読むかは検討だなあ
上と下の関係が明らかにされないもどかしさ、うーん、たまらん。ミステリであり心理学的アプローチもあり分類が難しいかも。まさかの犯行の手口が「アレ」だったとは驚き。個人的に「紺野」は最後の最後まで悪役としてのキャラが崩れることなく好きなキャラです。
分類はなんだ?ヤクザ抗争系幻想ミステリー?(笑)久々に読まされて止まらなくなったなぁ。ラストは…んー、でも展開は面白かった。他の作品にもそそられる
全然話の先が読めなくて、ドキドキした。最後の最後まで上側と下側のガネーシャがどう繋がってるのかわからなくていっぱい考えた。紺野と高遠が大人になってああいう関係になってしまったのは悔しい。もっと単純な関係だったら…2人とも頭がよすぎたからこじれすぎたのかな…。下側の一筋縄ではいかない人々の不思議な感じは嫌いじゃなかった。
びっくりするくらい暗い…(ノ>д<)ノこの物語の登場人物達に光はあるのだろうか?と思ってしまうくらい、最初からラストまでやるせない気分になった。初野晴作品は退出ゲームから入っただけにただただ唖然。トリックは嫌いじゃなかったけどね、すごいと思った。
紺野と高遠がせっかく再会しているのにどうしてそういう方向にいっちゃうのって感じで、幸せになれなかったのかなぁって思った。ガネーシャと千鶴さんも…。でも、それがあってのこの話の雰囲気がまた好きだなぁと思ってしまう。
『水の時計』以上にやりきれない話だった。救いがありますように、と祈るような気持ちで読みました。誰が救われて欲しかったのか、自分でもわからなかったけれども。
コメントを書こうとして今気付いたんだけど、私はこの本がだいぶ好きみたい。くっっらい話だし、出てくるのは基本壊れた人ばっかりなんだけど、その人たちがちょっとだけ限定で持ってる純情にぐっと来るのだ。とくに最初から最後までクールだった彼女はお気に入りなんだけど、お気に入り…なんだけ…ど…なぁ…。★★★★★
図書館で借りたので、帯は付いていませんでしたが、内容と全然マッチしてませんよね?上側の世界と、下側の世界の関連や、ガネーシャが、いつ上の世界に復帰したのか良くわかりませんでした。読み返せば、理解は深まると思うのだけれど、この陰湿な世界に、戻りたくありません。日本でのいじめ以上に、イギリスでのいじめは、すさまじく、とても不愉快でした。あれで、自殺しなかった彼は、すごいと思う。ナオユキが支えになっていたんだろうか。誰も救われず、まさに漆黒の闇だった。
ここまで回りくどくする必要はあったのかな?という感想。伏線も弱いので案外すぐにわかるし、情報だけがつらつらと述べられていて中身を見出だせなかった。下の雰囲気がとても出ていて良かった。その対比で上の世界に緊迫感が増す。上の動と下の静のギャップが良かった。
話が何処でどう繋がっていくのか読み進めたいのに、全編通して漂う重~い空気が絡みついてくる…。水の時計の静かな空気にも似たような似てないような。ハルチカシリーズも初野さんだったと気づいた時はビックリでした。
憎悪は憎悪を呼び、その渦中に巻き込まれた人を残らず食いつぶしてしまう。表紙を見た瞬間のぞっとした感覚に違いなく、どこまでも哀しい物語だった。 全体を覆うどこか幻想的で退廃した雰囲気がいい。この作者は現代的な残虐さというか、昔にはなかっただろう現代人特有の屈折した感情を表現するのがうまいなと感じた。
ツライ経験で屈折したココロが、同じようなココロを引き寄せて、ツライ経験を押し付ける。堂々巡りで雪ダルマのように真っ黒なココロが巨大化する。ミンナ、ツライ経験なんてしたくないのに。ダイジなヒトのタメに何かしたいと思っているのに。『王子』みたいなカナシイココロを受け止める存在が上の世界にもいたら少しは救われただろうか。この本は、二面から話が進むセイか、とにかく長い。なのに読み疲れない。フシギ。
面白かった、そしてそれと同じ位イラっとした作品です。実際物語として読む分には面白かったです。ミステリとしてはイマイチでした。色々伏線っぽいのが張られているのですがそれの回収が中途半端。気になった点を幻想的な雰囲気で押し切られた感があります。その為、面白かったのですがもやっとした読後感になりました。ちょっと不思議な物語として読むのであればオススメ、ミステリとして読むのであればイマイチと言った所です。個人的には、ミステリを幻想的な結末にされちゃうと問題だけ出されて回答が付いていないようで好きではないです。
帯から想像してた話とは違ったかなー。でも、繋がらない感とか、途中までの2世界構成はお気に入り。これだけ謎っぽくていい雰囲気出せる人だから、最後どうやって終わるのか楽しみにしてたんだけど、最後の終わりはちょっと中途半端っていうか、チャチっていうか…もったいなかったかなぁ
廃棄退的な、ダークな色が濃かった。登場人物の個性も、その色に染まっていた。そういう描写への持っていき方は巧いのだが、その重苦しい雰囲気がずっと続くので、読むのが疲れてしまった。ストーリーと雰囲気作りが良かった分、物語の中に、読者を喰い付かせる何かが欲しかった。
血生臭いヤクザの抗争がどっしりと中心に据えられているのに、下側の世界という存在が物語全体のステージを違うところに据えている。水樹と『王子』がこの救いのない物語を微かに照らす光。ミステリ小説というよりファンタジー小説という印象。
野生化したカラフルなインコが頭上を飛び回る地方都市とその地下で展開する二つの物語。弱者だった二人の男の人間への復讐とその二人に踏みにじられた一人の少女の復讐がたくさんの命を奪う。幸せとは所詮主観的なものだということ。命をかけてでも成し遂げなければいけないほどのことって私にはあるだろうかと少し考えさせられました。それでも悪いことは悪いからみんながそれぞれその罪を背負うことになったのでしょうか。
(これは傲慢な感想です)上側の世界の残虐で傲慢な人間の性質や下側の世界の人から見ると幸せに見えがたく、しかし、本人からすると違うと言うような人々の姿や紺野と高遠のやってきたことは残虐でしかし、こちらの胸も悲しみで引き裂かれるような悲痛な痛みがあり、彼らの言葉1つ1つに私の人間への価値観を打ち砕かれながらもそれを簡単に否定できる資格は誰にもないことをまざまざと思い知らされました。どちらの立場から考えても遣り切れなさと悲しさで張り裂けそうになりました。
ダークでノワール臭漂うヤクザ世界を描いた"上側の世界"と、<王子>や<時計士>、<ブラシ職人>といった中世オランダの職業名で互いを呼び合う、地下暗渠の住人たちを描いた"下側の世界"、二つの世界がどのように繋がるのか気になり、一気に読了。面白かったけど、プロローグから始まる各人の関係があまりにもストレートで、ちょっと拍子抜け。ミスリードさせるための仕掛けかと思ったのにー。でも、リアルさの中にごく自然にファンタジックな要素が組み入れられており、うまいなあと思う。やっぱり、これから大化けしそうな作家だなあ。
純白と漆黒。その対比に目がちかちかした。暗渠、プラネタリウム、夜。その中に、小さく主張する白いドライフラワー、百合、そして北極星。痛くて痛くて、空気が針に変化して突き刺してくるようだった。ガネーシャは幸せになれたの?読み終えた私はどうしたらいいの?まるで私まで暗渠の中を独り、片言のチェロや見えない矢印を頼りにさまよってしまいそうになった
04.11.5。414p 角川書店。上側の世界と下側世界を交互に描いた現実のようで幻想的な話だった。アングラな世界を垣間見た感じ。描写が丁寧なためか、読みにくく感じたけど、読むのをやめられない不思議さ。万人におすすめできる本ではないかも。△○
雰囲気に圧倒されて徹夜で読んでしまった。あまりにいろんな社会問題が詰め込まれていて読んだ私が浄水場に沈められたようだ。ガネーシャに肩入れした水樹はかっこよかった。紺野め…
プロローグから痛々しくて読み進めようかどうか迷いました。散漫とした感じで結局なんなのかよくわからなかった。みんなが痛みを抱えているのはわかるけど・・・読み終わっても面白くなかったです。退出ゲーム、1/2の騎士は大好きなので、テイストぜんぜん違えて書くんですねー。水の時計もイマイチだったので、私はコミカルな初野作品のほうが好きなようです。
初野作品は「退出ゲーム」のシリーズしか読んだことがなかったので、ダークな話にびっくり。殺人の方法はかなり早くに判ったが、地上の世界・地下の世界で生きる人たちが、特定の人にのみ強い執着と信頼を寄せ、それ以外は非情に切り捨てるという人々で占められていて殺伐としてました。それでいて読後感が悪くないのはそこまでエグい表現を使っていないからでしょうか・・・。
漆黒の王子の
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