砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない A Lollypop or A Bullet (角川文庫)
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砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない A Lollypop or A Bulletの感想・レビュー(2858)
最初から解っている悲劇をなぞっていく話。それでも私は殺されないで欲しいと願いながらページを捲っていた。でも捲れば捲るほど誰にどうやって殺されるかがより具体的に解っていってしまう。なぎさが藻屑のことを友達だと認識したのは、藻屑の性格も確かにあっただろうけど一番大きかったのは藻屑がなぎさよりも不幸な人間だと解ったからではないだろうか。きっとなぎさには自分よりも不幸な人間の言葉しか本当の意味で耳に届かないし仲間だと思うことができなかったんだろう。切ない。
初めはラノベのような印象(悪い意味ではない)を受けたが、読み終わると、解説でも書かれていたように、ある種のカタルシスを体験したように思う。「素敵」というような内容ではないのだが、そんな感情が読後に感じられた。
すごい。軽い文体から、非常に重い弾丸が撃ち出されている。しかしヘビーな内容であるにも関わらず、この読了後の爽やかさはなんだろう。子供は大人になり、リアリストになっていく。
まずタイトルが魅力的です。砂糖菓子と実弾の違い理解できてからは物語の面白さが増しました。兎を殺したのは一体だれなんでしょう?
読みやすい文体にヘビーな内容。悲劇は最初に提示されていてそれは実際間違いじゃないはずなのに、読後感はむしろ清々しさすら思えさせられる。痛くて気持ち悪い、けれども心にずっと残るこの感覚はなんだろうか?生々しくて作り物っぽい世界の、彼女の心の叫びを聴け、そして撃ちぬかれろ。読めば分かる、何だかいろいろなものが相反するような、何とも言えない、そんな複雑な一冊。
海辺の街に暮らし、生きるために早く"実弾"を手に入れたいと願う少女・山田なぎさ。そして、人魚と言い張り"砂糖菓子の弾丸"に塗れた、綺麗で奇妙な転校生・海野藻屑。二人が奇妙な友情を育んだひと月あまりの日々と、その顛末を描いた青春文学。/嘘をつき、虚勢を張ることは、現実と対峙する彼女なりの戦いだった。だが砂糖菓子の弾丸は「現実」を撃ちぬけなかった。世界中で、今も沢山の子供たちが、そんな風に見えない銃で戦っていて、生き残ったものだけが、大人になる――。そんな当たり前の現実を想った。切なくて、痛々しい傑作悲劇。
ナイス! ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ -
コメント(2)
- 02/04
藻屑のアピール(砂糖菓子の弾丸)の本当の意味が、冒頭の結末で強く引き出されていたと思う。SOSに気が付くのがあと少し早ければと思わずにはいられない内容だった。
最初の方はちょっとファンタジックすぎて物語に入り込めませんでしたが、最後の最後でやられました。藻屑は父親を愛しかばいつつも、どこかで逃げ出したい思いもあったのかなと考えると切なさで胸がいっぱいになります。この事件の後1番の変化が見られたのが兄の友彦だというのがまたいい。担任も事件の前と後では全く印象が違いました。「きっと全部、誰かの嘘なんだ」「砂糖でできた弾丸では、子供は世界と戦えない」という言葉に、子供の無力さを感じます。
始めは、ライトでちょっとおかしな子が出てくる系のやつなのかーとさらっと読んでいたのに、いつの間にか抜け出せなくなっていた。気付かないうちに外堀を埋められているプロットの妙。何より生々しさが凄くて、結末は明かされているのに祈らずにはいられない。そしてクライマックスのあの清浄さ。衝撃的な一冊だった。
序盤の展開で電波女なお話かと思ったり、どう冒頭で示されたラストに持っていくのか とか、展開が予想できない話で新鮮でした。中盤、後半からどんどん不穏な空気が漂い始め、気が付いたら重めの話になっていて・・・ 救われない話だけれど、少しは救いのあるような、こんな終わり方は結構好きです。
「実弾」との対比に、「砂糖菓子」の弾丸を用いたところが桜庭一樹のいいところだと思う。藻屑の仕草ひとつひとつが生々しく、冒頭の新聞記事のせいか、そのほとんどが心に響いた。主人公がはっきりと藻屑を「友達」と認める場面、事後の描写、涙は出ないのにびっくりするぐらい感動した。
頭が次の授業でいっぱいになる前に感想をば。
最初はラノベで出てた〜っていう前情報があったから油断してました。
冒頭は不穏な始まり方だったけど、変人系美少女が出てきたところで、そのあとの展開もラノベ的なゆるい進行をしていくと信じてしまった。
ラストで突き放されました。幸せな方向に進めそうだったその矢先に。
もやもやするけど、ずっと心に残る作品ってこんなものですたぶん。
内容は重め。文体は軽め。救われない話だけど、後味は悪くない。オモシロいお話ってやつだな。主人公の兄貴が滝ゲロ、担任の本音、あたりに野郎どもカッコイイって思えてよかった。このへんも救いか。
前半の砂糖菓子世界から、後半への血生臭い実弾世界へじわじわ墜落していくあたりの構成は凄まじい。気がつけば奈落。でも現実回帰=絶望じゃないあたりうまいな。カタルシスがふつふつと湧いてくる作品です。
どんなに「砂糖菓子の弾丸」を撃っても、「実弾」を手にすることはできない。それはいつか手にするものであって、欲しいときに手に入れられるものではない。物語の最後、最初に示されていた藻屑の結末がより残酷に感じられた。
前半は、何だこの訳分からんグロいのは、という感じだったけど、なるほど、砂糖菓子の弾丸と実弾が分かってくると、彼らのもどかしさが見えてくるような気がした。最初から、結末は見えているのだけれど、でも良いラストでした。
最後の数ページに言いたいことが詰まっているな、と感じました。作者は、この話を青春小説として書きたかったみたい。 お兄さんは、最初はただの狂言回しだと思っていたけど、自称悲劇のヒロインやストックホルムかぶれと同じく、彼も立派なガンマンの一人だったんだね。
後半からは急に魅了されて読んでいました。読み終わった時は特にそこまでといってのものはなかったのですが、しばらくしてからずっしりと来るものがありました。とても良い作品でした。
前半はなんじゃこりゃだったけど、後半は良かった。意味不明だった不思議少女の行動原理やら砂糖菓子やらの挿話、プロットには好感が持てる。んだけど、ダイアローグというか、セリフ回しがどうも……。
不思議キャラとして描かれてる奴らよりも、一見「実弾」側の野球部とか担任教師のが俺には不思議に思える。
薄さの割に、いや、むしろに余分な修飾がない分余計に重い。藻屑の撃ちまくった砂糖菓子の弾丸を受けたなぎさが彼女の弾丸を忘れていないことが唯一の救いか。
ラノベは読まない、というのが私の矜持だったわけですが、たいそう評価が高いというので読んでみました。冒頭の一頁で物語の結末が提示されるので、読者は主人公の「あたし」に寄り添ってそれに向かって最後まで読み進めるわけだが、その文章構成に直木賞受賞作の「私の男」の時系列逆行の片鱗が見えた。ミステリ的要素があるのは面白いが、提示されている結末がいかんせんショッキングなので気分が悪くなってしまった。バラバラ殺人へ至る父の動機を歌詞の内容で示してしまうのは短絡的だと思った。あ、犬やうさぎが好きな人はトラウマになるかも。
何とも言えない。藻屑があまりにも突飛で変わり者だった最初からだんだん可哀想な少女になっていき、あのラスト。最初からラストが分かっていたとはいえ、結局何を伝えたかったのかは私には分からなかった。タイトルに惹かれた分、もやもやしてしまった。
桜庭さんが好きだという友人がいたので(彼女の勧めるのは今作ではないのですが)手にとってみました。海野藻屑。この結果は彼女が望んだものに、どれ程遠く、どれ程近いのかなあ。なぎさの言うように、彼女達はへっぽこな、よくわからない弾を打ちまくることしかできない。ああ、この歯痒さ、私も知っている、と思いました。雅愛をああした原因とはなんだったんだろう。いろいろ思うところはあるけれど、せめて藻屑の遺骨は海にあればいいな、と思います。
砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない A Lollypop or A Bulletの
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