戦略拠点32098 楽園 (角川スニーカー文庫)
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戦略拠点32098 楽園の感想・レビュー(169)
久しぶりに泣けた。話の本筋でも涙が出たけど、読んでいると自分の子供時代が思い出されて泣けた。子供の頃は子供時代があたかも永遠のモノのように思えたけど、マリアのように永遠に子供でいたまま日々を過ごすのは無理で、そう思った途端また涙が出た。
少女マリアと、戦艦制御官のロボであるガダルバがクラス静かな楽園と、そこに隠された真実。何も変わらないはずだったその星に一人の敵降下兵ヴァロワが降り立ったことで、彼らの生活に変化が生まれる。ガダルバの心、ヴァロワの心、敵同士のはずだった二人も、衝突の中でやがて心を開いていく。それでも、マリアは変わることなく、ささやかな共同生活の後、やがてヴァロワは彼の心に起こった変化ゆえに、楽園を守るために去っていく。しかし彼とのささやかな思い出は残り続け、イチゴは他の種と同じように育っていくのだろう。
楽園の永遠性や完璧さ加減が、そもそも人間の持ついわば誤差から生まれたという所からして切ない。一篇毎に振られている経過時間と思しき数字がラストで不意に途切れるのも泣ける。あぁ、誤差は修正され、世界は永遠に還ったのか、と。そうして本編読了後に導入部分に立ち返ると、もうそれだけでたまらい喪失感に襲われてしまうのだ。小編ながら佳品なので、絶版は確かに勿体無い。
楽園というのは静かに変わらず寂しさをたたえた世界なのか。円環少女でもそうだったけれど、氏の描く楽園という文字に込められた世界をひたすら描いたような物語。誰にも知られず、思い出されることもなく、たただた繰り返し続いていく世界。よい物語。
たゆとうような長い永い時を映す、穏やかでどこか懐かしい、果てしない雰囲気を味わわせてくれるSF。青空と白い入道雲、草原、ワンピースの少女といったタームが本当に好きで好きで、この小説を教えてくれた方には幾万の感謝を捧げても足りないくらい。ひとの生き死にと永遠と一瞬、そういった限りないものを真摯に誠実に書き綴った、とても感傷的で美しい小説でした。
個人的にSFは少し苦手だけれど、これはとても面白かった。
なんといっても心理描写がうまい!
背景の描き方もなんとも綺麗で引き込まれた。
この薄さにもかかわらず、読み終えた時の充実感はそこらの下手に長い本とは比べものにならないと思う。
読友さんから借り本…う〜ん…これは考えさせられたぞ〜
淡々と毎日食べ物を探す一人と一体。代わり映えのしない日々に変化の兆し。
そう、空からの訪問者、なのに代わり映えのしない毎日。でも…なんだなぁ〜普通が良いんだよね。変わらない毎日が。
少ない登場人物の交流が静かに心に染みる。ストーリー上劇的な動きはないものの、背景にある巨大な戦争が夜空の光として瞬く情景は確かに美しく、切ない。全体として地味ながらも丁寧な描写なので、ラストの予定調和な(そしてささやかな)奇跡も素直に受け止められた。絶版のままにしておくのはもったいないですよ。
星間戦争の狭間にある創られた死後の楽園での物語。『あなたのための物語』が出た今、ぜひ創元かハヤカワから再販してほしい。
表紙を眺めてすこし読んで、ああ、これは『鉄コミュニケイション』みたいなお話しなのかなあ、とおもって、おもったけれども、ずいぶん昔に読んだそれがどんなお話しだったのか、さっぱり憶えていなかったし、それに、もし憶えていたとしても、こんなソリッドな小説ではなかっただろう、と読みおえてからまたおもう。空と風があるばかりで、そこには海も山もない。しにかけた、というか、じぶんがいなくなったあとのことをよくよく考えたひとが書いたみたいだ。とてもよかった。
決して万人受けする内容ではないが、作品に対する誠実さと愛が感じられる良書です。探している人も少なからずいるようなので、ぜひ再販してほしいですね。
純粋に面白い。決して軽い内容ではないが、重さは感じさせない。これだけのものを過不足なく、このページ数で纏めたのはさすが。ラノベだと軽視する前に読むべし。
念願かなってようやく入手。マリアの正体というか仕掛けはわりとありがちな物だったのに、二人の男の心理描写が巧みで実に楽しく読めた。
十年前に読みたかった。二人の選択が次第でどうにでも話が進めるので、読み進めていくと凄く先が気になる。あとがきが狡いぐらい面白い。しかし、楽園が偽物だとして、そこで感じた想い出まで偽物にする必要はない。どんな観光地やゲームだって使用者を愉しませようとする偽物なんだし。
本編よりもあとがきのほうが切ないんですけど……。とか思って冒頭を読み直したらギャアアア目からなんか出てきたァァァ!! 表紙絵にヴァロワが居ないのが辛い……。でもきっと彼のお陰で楽園に星が降らなくなった筈で、これからもずっと楽園は守られていく筈で、彼は願いの通りにマリアを守ることが出来て、マリアはそれを一生知ることはない。文章が独特すぎて何書いてるか読み取りにくい代わり、頑張ればそれに報いてくれる話だと思いました。ところでSF的にはどうなんでしょう? 詳しくないからわからない。
t_hirosaki
勘違いしてたけど時系列としては本編→冒頭→ラスト、なのか。切ない気持ちが少しだけ減退、代わりにちょっと嬉しくなりました。マリアはちゃんとヴァロワの事を思い出せたんだね……。
ナイス!
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02/07 17:02
勘違いしてたけど時系列としては本編→冒頭→ラスト、なのか。切ない気持ちが少しだけ減退、代わりにちょっと嬉しくなりました。マリアはちゃんとヴァロワの事を思い出せたんだね……。
ナイス!
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02/07 17:02
厳密には再読。余計な事柄がなく、素晴らしく奇麗な作品。あっさりしているのに、心に来る。
透明度200パーセント。感傷的でドラマチック。これだけ淡々としていながら、心にくる物語。ディテールもなかなか凝ってるし、そのおかげで、本書のその前、その後の世界を想像する余地が生まれる。 80点
「あなたのための物語」から読みたくなって、古本屋で購入。地味な話かもしれないけど、味わいは深い。もっと早くこの作品に出会っていればよかった。
結構長いこと探していた本。やっと読めた。永遠を感じさせる夏の風景が印象に残った。千年に及ぶ戦争と人体改造に映画スターの顔を用いる世界。世界観に関してはディテールが甘い部分もあるけど、色々考えさせられた。読み終えた後、心にポッカリ穴が空いた気分になった。
もう、なんていうか・・・読んでくださいとしか言いようのない本。切なさの中に通り抜けるような爽やかな風を感じる作品。ゆっくりと過ぎていく時間のなかで築かれていく様々な感情。彼女はいつまで覚えていられるのでしょうか。空の綺麗な惑星で、草原を駆け回る彼女を彼がいまでも優しく見守っている気がしてなりません。
(☆☆☆☆☆)最高。 こういう儚く切ない世界観と描写はやっぱりたまらないものだなとあらためて感じさせられた。 円環少女といいなんでこの人の心理描写はこうもツボに来るのだろうか。 円環少女と違い専門用語とかもすくないのでこちらのほうが読みやすくはあるかと、薄いし。 値段も高くないのでぜひ一度読んでみてほしい。
戦略拠点32098 楽園の
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感想・レビュー:47件



















































