鼻 (角川ホラー文庫)
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鼻の感想・レビュー(312)
最初の「暴落」から掴まれた。「個人の株」などという言い回しの、小ネタとしか思えないようなネタをうまく膨らましていると思う。オチは持ち上げ落とすような感じで怖い。「受難」は、じわ怖系の話で伏線やヤマはあまりない。しかし、不条理さはよく現れている。イライラしたけど、あまりぱっとしない印象。「鼻」はやはり一番強烈だった。展開がうまいし、全て話の中だけで伏線が消化され、なおかつ納得もできる。ぞわっとした。 あと、これとは関係ないが解説で、「鼻」の内容を時系列順に述べているのは、必要なかったのではないかと思う。
「暴落」「受難」は筒井康隆に似ていてクオリティも高い。「鼻」はSFものかと思いきや……のオチが秀逸。全体を通して暗く理不尽で救いがない。個人的にはそこまで好まないけれど、それでも素晴らしい完成度でした。
素晴らしい。個人の評判=株価というワンアイディアから理詰めで構築された世界が恐ろしい「暴落」、ただひたすらに不条理な「受難」、そして衝撃の表題作。3編どれも濃密な作品世界を構築していて、その上リーダビリティも高い傑作。とりわけ表題作のオチが最高すぎる。これはちょっと凄いぞ。
期待通りの面白さです。表題作「鼻」がやはり一番面白いな。本格ミステリーの要素もある傑作です。他の二作も充分楽しめる話です。全作品ともブラックユーモアに溢れており 筒井康隆を彷彿させる感じがもろに自分の好みに合うなあ~。★★★★★
構成がぶっとんでいる。しかし、目線を変えてみると、案外あり得る世界であるからより怖い。沈底魚を読んでがっかりしたばかりだったので(すみません)読んで良かった。また、好きな作家さんが増えました。この短編集、もっと読みたいです。
3編からなる短編集。どれも面白かった。そろいもそろって後味の悪い話ばかりなのに、どこかユーモアすら感じさせる文体は、個人的に筒井康隆を想起してしまった。しかし表題作「鼻」はとにかくすごい。といいつつ、解説読んでやっと全て理解出来た自分(笑)。
『暴落』は「70年代日本SF」の教養がない私には「『世にも奇妙な物語』っぽいなあ」くらいの感想しか持てなかった。ただ、「三友かえでKSJなかよし安心銀行」とか「新宿のあにき」みたいな細かい部分のセンスは嫌いじゃない。あとは人間を材料にした燃料なんかも。表題作の仕掛けはある程度察しがついていたところでもう一ひねりして円環をつなげていて、これにはなかなか感心。どの作品もよくできた話の粋を出てはいないけど、こうして上手くまとまっているだけでも大したものかもしれない。
ワンアイデアの短編ばかりだが、十分面白い。どれもこれも不条理な世界観。3つだけじゃなくてもっと収録されててもよかった。もっと読みたい。
びっくりするほど面白かった。ホラーは苦手だけど、グロ描写が無いし現実とは少し違う世界なので大丈夫。表題作の『鼻』は、よく意味がわからず、解説を読んでからもう一度読み返しました。解説読んだら、この作者さんが新人で変わった人だけど面白いということがわかっておかしかった。他の作品も読みたいです。それにしても表紙絵が不気味で苦手。読書メーターがなかったら絶対に手にとってなかったなあ。
すごく面白くて夢中で読みました。短編が三つ収録されており、どれも残酷でブラックな話。一つ目の「暴落」は世にも奇妙な〜で使えそうな話でした。展開読めるけどおもしろい。二つ目の「受難」はまさに受難ってかんじの話です。ただ受難では片付けられない不条理な仕上がり。三つ目の「鼻」はなかなか混乱させられる話でした。非常に質の高い叙述トリックです。話を中断して考えれば予測できたラストなんだけど、続きが気になって本を閉じれなかった。すごく引き込まれた。うますぎる。
三篇とも面白かった。あっという間に読めちゃいました。世にも奇妙な・・・に出てきそうな感じ。ありえない話なんだけど陳腐ではなく、リアリティがありましたね。
短編が三本収録されてますが、どれもクオリティが高く楽しめました。非日常な話なのに、なんだかスゴくリアリティがあり、ハラハラします。結末も秀逸!
三編とも好きだった。ただ、私の読解力がないせいか、「鼻」に関しては読んでるうちに何が何だか混乱してきて意味が読み取れず。解説読んで納得した。「暴落」が一番よかった。途中までは面白おかしい感じだったけど、主人公の凄まじい転落ぶりに、だんだん憂鬱になってくる。最後ちょっと希望を持たせておいて、あのラスト…恐すぎる!
『沈底魚』よりも面白かった。同じくホラーテイストの『熱帯夜』もよかった。『図地反転』はこれまた微妙…… 短編中編の担い手なのかな。
なんかオカシイと思ってたら、やはりこう来ましたか。ちょっと思ったのは、騙しのためのフリが多すぎかなということ。まぁ、物語自体は楽しく読めました。
人間の狂気の恐ろしさを独特のブラックユーモアセンスと巧みな文章力で描いた中編集。ホラーでありながら3編ともある種の社会風刺的な題材を扱う。表題作の「鼻」は特にユーモラスで、奇妙な異世界と現実が交わるときに走る戦慄は味わう価値あり。★★★★★
一般的「ホラー」的な恐怖ではない、怖さが印象的でした。鼻に関しては解説を読んでその深さを理解しました。個人的には受難が一番好きです。
トワイライトゾーンや世にも奇妙な物語が好きな人にはお勧めです。ラストが凄惨な短編が3作ありますが、文体が上手いので読後感は悪くありません。
表題以外の作品も絶品! 本当の「怖い」とはこんな状況や世界のことなのだろう。自分に起こったらどうすんだ??、あ~、ゾッとした… ★
憂鬱というか落ち込むというか・・・。そんな読後感なんですが、面白いのは間違いないと思います。3編ともブラックホラーとでも言うのか、すごい世界観でよくこんな話考え付くなぁと驚きました。ああ怖かった・・・。
第14回日本ホラー小説大賞短編賞。受賞作に2つの中編を加えたもの。いずれもおもしろく、あっという間に読んでしまった。ホラー賞ではあるが、霊やサスペンスではなく社会の不条理さ、いびつさ、醜さをベースに描かれており、筒井康隆を思わせる作風。ミステリィとしても、ブラックユーモアの利いた社会風刺小説としてもよく出来ていると思う。とくに表題作は伏線が張り巡らされているので丁寧に読んでもらいたい。
3編収録されてるうち、最初の『暴落』と『鼻』が好き。もう一つの『受難』が嫌いというわけではないけれど、比べると少々。どれもこれも一番怖いのは人間(の狂気)で、面白いけどざわつく。
日本ホラー小説大賞短編賞作品ほか三編。表題作「鼻」の独特の世界観に惹かれて読んだが、まさかのどんでん返しにびっくり。二つの視点、「テング」・「ブタ」設定の収束のさせ方が非常に上手い。前向きなラスト二行にゾクゾクした。「暴落」は「世にも奇妙な物語」で見たような設定だったが、ディテールや話の膨らませ方が上手い。私なら説教臭い展開にしそうだが、あそこまでなっても反省しない主人公が清々しい。「受難」は登場人物たちの不気味さやオチ自体はいいけど、さすがに淡々としすぎかな。ひょこたんはウザカワ。
短編集が3つ収録されていて その3つがどれも秀逸な話しばかり!最後にはあっと驚かされます!独特の世界観も良かったです。賞をとったのも頷ける作品です。
三編の短編が収録されている。表題作の「鼻」は叙述トリックに慣れていなかった私は残念ながら初読時は楽しめなかった。叙述トリックに慣れてない方は先入観を持って読んで欲しい。
三篇とも、救いのないオチ。それでもさすが評判通りにおもしろかった。「暴落」の世界観は秀逸。インサイダーや、何よりファンドの言葉が出てきたときはやられたっと思った。「受難」は微妙。表題作の「鼻」は一度目よりも二度目のほうが楽しめた。というより、読解力不足のせいか一読しただけではわからなかったという。笑 そして何より怖いのが、三篇すべてがちょっと行き過ぎただけなような気がするから。私たちの世界も一歩間違えれば、評価は株価になりえるし、差別だってもっとあからさまになる。ただのホラーにとどまらない怖さがある。
鼻の
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