トーキョー・プリズン (角川文庫)
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トーキョー・プリズンの感想・レビュー(672)
オウムトリック、あんなん分からん(笑)でもよかった。考えさせられた。悪いのは誰?責任は誰がとるべき?一世紀も経ってないのに、こうも時代は変わるもんだなーと思った。今のこの世界状況なり、日本の状況なりってのは、もう60年くらい先から見たら、間違いなのかもしれんなあ。
元ニュージーランド海軍少尉で私立探偵をやっていたエドワード・フェアフィールドは、戦時中に行方不明になった知人を探す為、スガモ・プリズンに訪れた。フェアフィールドが調査の交換条件として与えられたのは、とある囚人の記憶を取り戻すことと、その囚人・サトル・キジマの明晰な頭脳を持って監獄内で起こった不可解な密室殺人事件の謎を解くことだった――。ニュージーランド人の眼を通して語られる終戦直後の日本の姿が新鮮だった。欧米と日本の文化の差異、日系二世、戦犯、天皇制…戦争が残した深い闇が読む者の胸を抉る。異色の戦争小説。
戦争犯罪、裁判、原爆、天皇制、日本民主主義等の重いテーマをを上質のミステリーにしている。グイグイ読んでしまった。未読の「ジョーカーゲーム」も読みたくなった。
後半、キョウコの語る言葉の力に圧倒される。何が悪なのか。善悪は時代によって変わるものなのか。責任は不在なのか。読みながら呼吸が苦しくなるような重いテーマが描かれているけれど、読みにくいということは一切ない。登場人物たちが語る言葉は、まるっとそのまま今の時代でも通用するような、鋭いものだったと思う。語り部役が日本人でもアメリカ人でもなく、ニュージーランド人であったことによって増した面白さ、というのも確かにあるように感じられた。
ナイス! ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ -
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- 01/26
ミステリーとしては平凡で、特段面白くはなかった。ただ作中のキョウコの台詞に強い印象を受けた。「騙された者の罪は、ただたんに騙されたという事実の中にあるのではなく、あんなにも造作なく騙されるほどに判断力を失い、思考力を失い、信念を失い、家畜的な盲従に一切をゆだねるようになってしまったこと、無気力、無自覚、無反省、無責任、それこそが私の罪だったのです。」まさに今の日本人そのものではないか!!このままだと日本は再び“敗戦”の憂き目にあうのではと暗澹たる気分になった。
ミステリの逆転に次ぐ逆転という面白さと、戦後の日本を巡る問題点について考えさせられるという面白さと、両方ある小説でした。あまりミステリ小説を読まないので、トリックとして面白いのかとかいうのは分からないですが、後半になればなるほど面白いと感じました。
異色の戦争小説。東京裁判を待つ記憶喪失の軍人がプリズン内の謎を解きながら、失われた記憶を探していきます。戦争により様々な人達の人生が狂わされ、正気を失っていく。やはり戦争は恐ろしい。だって人間が「獣」になってしまうのだから…。
ジョーカー・ゲームの著者による作品。題材として扱っているのは、戦争犯罪と裁判、原爆、天皇制、戦時中の日系アメリカ人、戦前の日本民主主義など、どれも重いテーマだが、それを上質のミステリーとしてまとめあげた作者のセンスの良さと筆力の高さに拍手。もっと評価されても良い作家だと思います。
可もなく不可もなく。普通。てっきり独房に拘置された探偵と、その手足になる外国の探偵が、刑務所の中で起きる様々な問題を解決していく小説かと思ったが、なんか思ってもみない展開に。うう~む、ラストのタネアカシもなんか都合が良すぎるし、イマイチかなぁ。
戦後の巣鴨プリズンにおける戦犯の容疑という題材は魅力的なのですが、読後感は今ひとつ。話がなかなか進まないし、展開にも無理がある。悪くはないけどよくもない、本の出来としては普通。ほんと普通でした。
戦犯として記憶を失ったまま逮捕された男。失われた記憶と監獄内の毒殺事件との関わりとは。登場人物達がホームズに憧れているからか、ストーリーもちょっとした手がかりから真相に向かって行く流れが似ている。人に勧めたくなる程ではないけど、印象に残ってるのは婚約者が自分の運命という甘えに気付き力強く立ち直るシーンと、私を殺したものの名前は"Utis"のセリフ。誰でもない。
最初のほうちょっとこの本の世界に入り込めず読むのに時間がかかってしまいました。どうも章立ての本に慣れすぎていたようです。 読み終わって、真相を明らかにしすぎてしまうのはどうかな?と。
『ジョーカー・ゲーム』が面白かったので。戦争--あれから一世紀も経たないのに、世の中は随分変わったものだ。酷いことを承知で訊くことが許されるならば、あの頃大人だった人たちに聞いてみたい。どんな思いで、その後の時代を生きたのか。
陰の主役である日本人の戦争犯罪者キジマの思考力・行動力に圧倒された。基本はミステリーだが,太平洋戦争時の日本論,文化・習慣の相違,原爆の被災者の苦難などが随所に織り込まれている。そのため一本調子の展開とはなっておらず,構成はしっかりしている。殺人のトリックは若干腑に落ちないところもあったが,ラストのキジマの手記にはうなずけるものがあった。10代の頃の自分であれば,キジマのしたことへの反発しか残らなかったと思うが,今の自分はやむなしという思いが強い。
正直期待外れだった。キャラはいいと思うのだが、なんというか深くない。オウムを使ったトリックはそんな無茶な…と思ってしまった。
消息不明者の捜索とどこでこれがリンクするのか気になってたが、そこですか!?ちょっと強引な印象。しかし、キジマの濃いキャラのおかげで面白く読めた。
巣鴨プリズンが舞台とあって、戦争責任が大きなテーマ。連合軍と日本軍の元兵士、マッカーサーを頂く駐留米兵、市井に生きる一般人。それぞれが戦時を見つめるのが終戦後であることが悲しい。多方向からの視点の考察があり、戦史を知りたいというきっかけになり得る本だと思う。
戦後混乱期、巣鴨プリズン前に立つ一人のニュージーランド人。戦犯被告人が収容された地に、友人の消息を調査するために立ち入った彼に与えられた交換条件は、明晰な頭脳を持ちながら記憶を失った、ある戦犯容疑者の相手をすることであった…。ぼくにとって柳さんの作品は好みにミートする、しないの振れ幅が大きいのですが、これは『当たり』。柳さん自身がお好きなギリシャ神話・またよく調査されている戦前戦後の話になると筆致の冴えがまるで違うように感じます。話の流れも『推理』より『登場人物の心情』を優先した運びで自然に感じました。
ナイス! ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ -
コメント(1)
- 08/30
ぺぱごじら@富山→東京→横浜
前半の時代背景を描写するディテールの書き込みが精緻な分、後半の思索を巡らす茫洋とした部分が『書き込み不足』『駆け足』というバランスの悪さに見えるかもしれませんね(笑)。数作読んだ柳さん作品の総合的な感想でもありますけど。『ジョーカーゲーム』のような短編連作形式が活きる方かも。
ナイス!
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08/30 21:00
前半の時代背景を描写するディテールの書き込みが精緻な分、後半の思索を巡らす茫洋とした部分が『書き込み不足』『駆け足』というバランスの悪さに見えるかもしれませんね(笑)。数作読んだ柳さん作品の総合的な感想でもありますけど。『ジョーカーゲーム』のような短編連作形式が活きる方かも。
ナイス!
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08/30 21:00
戦争で行方不明となった友人を探しにきた主人公は巣鴨にある刑務所で資料提供の代わりにある男の記憶を取り戻すように言われる。戦後復興前の日本で謎解きと同時に、戦時中の倫理観、正義を問いもしている。ラストに真相を提示しつつも断定の形を取ってないことで、何だか突きはなされた感じを受けた。
再読。今まで読んだ柳作品の中ではこれが一番好き。ミステリー+戦争。最後に明らかになる真実は予想外であり、読了後は決して爽やかではなく、暗く重い終わり方である。探偵役の貴島の存在が強く、彼の本当の考えを知りたいがためにどんどん読み進めることができる。特にエピローグでフェアフィールドが思う「イツオは、あるいはキジマは、私であったかもしれない」と言う言葉が印象に残った。
“結果”の部分があまりにも薄い感じかな~~。。。細かいとこのこじつけがててんでしっかりしてないように思えた。最後に至るまではほんとにおもしろかったのに最後の数ページで面白かった印象をすべてひっくり返された感じ。 読み終えて、翌日には、あれ?結局最後ってどうなったんだっけ??と結末を忘れていた。。。 ジョーカーゲームにはやはり届かないかな。。。
柳作品二作目。前回読んだ新世界もそうだけどこらもまた読み終えるのに時間がかかりました。これでやっとジョーカーゲームにいけるかな。て
謎解きは自力で深く考えない気質なので楽しく読めた(後半は強引だったけど)。一番心に残るのは戦争についての自分の罪を語るキョウコさんの言葉。なにかと楽なほうに流れがちな自分にはグサリときた。
敗戦直後の日本。消息不明の弟を探しに来日した主人公とGHQ管理下のスガモプリズンに収容されている戦犯を中心に物語が展開。面白く読めたけれど、物語の元にある事件を知ると、全体が軽く感じられてしまった。戦争体験や苦悩ってもっと重かったのではないだろうか?大岡昇平や武田泰淳、坂口安吾らの作品に触れるとそう思えてしまう
トーキョー・プリズンの
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感想・レビュー:214件









































