いつかパラソルの下で (角川文庫 も 16-5)
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いつかパラソルの下での感想・レビュー(738)
最初は???な展開で、どうなるのか不安だった。でもひとつずつ、ゆっくりパズルのピースが埋まっていくような心地よさがあった。
柏原野々は雑貨店で働く28歳の独身女性。厳格な父の教育に嫌気がさし、成人を機に家を飛び出した。そんな父も死に49日の法要を迎えようとしていた頃、生前父と関係があったという女性から連絡が入る……。個性豊かなキャラクターだし、会話も面白いけど、色々と考えさせられる作品でした。
厳格な父親に育てられ、二十歳にようやく家を出てからは極楽トンボな暮らしをしている主人公の野々(のの)。彼女の人生観よろしくぽや~っと物語は進むのかと思いきや、急死した父親の秘密が発覚した時から急展開。登場人物(特に女性たち)がみんな魅力的で会話はポンポン面白く佐渡のイカイカ祭は楽しそうで海は綺麗だし天気も良い。なのに、妙に心がズシンと重くなる本だった。「誰の娘であろうと、どんな血を引こうと、(中略)人は等しく孤独で、人生は泥沼だ。」という野々の悟りが全てだと思った。
自分の生きる道は人のせい、ましてや家族のせいにはできない。どう生きていくかは自分の力で決めていかなければならない。なくなった父の過去を見つけていく兄妹三人の思いを重ねるとなんだかそう結論にいたった。
児童文学の時とはまた違った森絵都。でも根本はそんなに違わないのかも。父親のことを知ろうとしたつもりが、自分たちのことを再考することに。とりあえずいかいか祭りに行きたい!
厳格な父親に育てられた3人のきょうだい。その父の死後1年が経つ頃に新事実が判明する。父親の生き方に理解できなかったこと、自分の生き方に大きな影響を与えていた父の知らなかった側面、性にまつわる倫理観やタブー。様々な要素が盛り込まれていながらすっきり読めるのは、少年の成長物語の天才である森さんならではである。
厳格な父に育てられた三人の子供たち、その反動で野々と兄は二十歳を境に家を飛び出して自由気ままな地に足をつけない生活。そんな父が亡くなった。亡くなってから父の書棚からみつかった使用された形跡のあるコンドーム。自分の暗い血を忌み嫌い、故郷の話しなどしなかった父。子どもたち三人が父の暗い血を辿りに佐渡に向かう。そこで知りえた真実とは?!こう書くとミステリーぽい(笑)ある女性の日常を切りとったお話。当たり前ってなんだろう。自分ってなんだろう。小さな満足を積み重ねて自分は自分の日常を生きよう。
読み始めは主人公のふわふわ感が、ストーリーの先行きを不安に思わせていましたが、佐渡に入ってから一転。少しずつ現実を受け入れていく、遅咲きの思春期...。抑制され過ぎてたからか?最後はホッとしました。佐渡のいか祭りに行ってみたい♪
森絵都さん著書の2冊目。厳格な父親との確執、その父親亡き後に発覚したまさかの会社の部下との浮気。加えて、職を失ったり、恋人から別れを告げられたりと、決して状況は良くない。そんな中、悩みながらも、どこかカラリとして明るく乗り越えて成長していく主人公野々には、欠陥と言うより、強さを感じた。
主人公の性格と同じようにふわふわと進む、読みやすい文章。なーんにも考えなければ、後には何も残りそうにないけど、気がつくと何だか色々考えていた。うまい人だなあ、と。 それにしても、イカイカ祭り、美味しそうだったなあ。
自分がうまくいかないいろんなことをみんなすくなからず環境や親や祖先のせいにする時期があるものかと思うと少しほっとした。
いままで読んだ森絵都さんのお話の中でも大人な雰囲気、意外に思いながらも読み終わればすごい面白かった。父の浮気が死後発覚して、その縁で兄妹三人が父の暗い血の真実を求めて故郷の島に向かう…ここまで読んで何か凄い過去があるんじゃないかとドキドキしたけど、結局は兄が言った身も蓋も無い考えだったんじゃないかと笑えた。でも人間ってそんなもんだよなあと納得。イカイカ祭りが読んでいてすごい美味しそうだった!イカ三昧羨ましい。
数年ぶりの再読。父親の故郷である佐渡で体感した亡き父の軌跡。父と性についてのコンプレックスを抱える主人公・野々がそれらに触れ次第に変化していくお話。ありふれた日常に潜む、誰もが何かしら抱えるコンプレックス。それに囚われすぎず、悲観せず、上手く付き合って生きていくということ。目を覆いたくなる現実に背を向けないこと。ユーモアなセンスあふれる森絵都さんの文章からはいつも何かが伝わってくる。テーマは重いけど、優しい物語。また数年後に再読しよう!
一言で言うと「親だって人間だものね」という一冊。主人公である野々に苛ついてしまって序盤は微妙な印象だったのだけど、最後まで読むと良い話だったな!と思える。兄弟揃って一気に成長しすぎだけどね。
ゆったりとした時間の流れ。その中にある流れを変える石のような出来事たち。森さんの作品をあまり読んだことがないためよく分からないが、森さんの人生観を見たような感じ。
事実の認識が変わっていく姿が鮮明に描かれている。 ご都合主義感満載でなんだかなーという感じ。 全体的にぬるく進んでいく。 姉のような性格は嫌いではない。
今まで読んだ森絵都さんの本とは異なり、生活観のある話。森さん特有のほんわかとした文章で綴られる内容は、でも結構重いものがあって、一応ハッピーエンドなんだけど妙に尾を引く。厳格で潔癖症の父親、そしてそれがトラウマになっている主人公。その父の死後、家族は隠された負の一面を知ることに・・・。家族だからといってそれぞれの真の姿がわかるわけではない。また、それにとらわれていたら、毎日毎日が地獄のように思えてくる。と、そんなことは書いていないけど、やっぱり皆が分かり合えて、海岸のパラソルの下で語り合いたいものだね。
ナイス! ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ -
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- 08/28
夏に読んで良かった。自分の人生を受け入れようとする話? 一人でグダグダと悩んでいても、外から見ると案外どうでもいいことだったり。でもそういうこと含めてキラキラして見えてくる気がする。とりあえず私も酒豪になりたいです。
タイトルからすると夏の本。海の描写も多いし、暑さも描かれている。なのに夏を感じない。▼主人公野々の突拍子のなさや生活感は瀬尾まいこの「強運の持ち主」の主人公ルイーズ吉田を思わせる。何だかとってもあっけらかんとしていて、妹の花ではないが、もっと地に足を付けて生活したらと心配になる。他の家族にしても父親が亡くなって一年経たないのにこの状態。。。だが、必然を感じさせる偶然の繋がりが物語を動かし、全員を新しい生活の場面へ連れて行っている。
さらさら、と波の音がするような話。
いろんなことを父に押しつけていた野々が、そこから抜け出ていく過程が丁寧で、彼女と一緒に心が浄化されていく気がする。
思春期の愛と野々が話す場面が、イタくて、けど誰もが知ってる感覚で懐かしいような恥ずかしいような雰囲気。すごく好きな場面です。
佐渡にいって、なんとなくすっきりした感じで、達郎ともとにもどってよかった。読み終わったあとはなんとなくほっとする作品やった
森絵都は初めて。すごく読みやすかった。難しい表現を全く使っていないわけではないが、あくまで読者の読みやすさが意識されていると思う。バラエティに富んだ登場人物と主人公の駄目さ加減が共感を誘う。どこにでもありそうな設定だが人間のいじらしさの表現力がミソ。後は雰囲気の好みだろう。
十数年ぶりに手にした森絵都さんの本。読み終わって、なんとなくホッとする。なんだかんだでゴタゴタがあっても人は日常を生きていくしかない、しかしそれは一番のセラピーなんじゃないかと。この厳格な父親、私の中学時代の教師に似ていて嫌だったりする。
異常に厳しかった父の死後、その父の意外な秘密の発露をきっかけに春日・野々・花の兄妹は父の過去を巡る。「人は人を忘れる。けれどもまた思い出す。もう何もかも取り返しがつかなくなった頃に記憶の蓋をゆるめる。それが憂鬱で、面倒くさくて、だから私は父の故郷など訪ねたくはなかった。」
厳格な父の死後一周忌直前に集まったきょうだい達、ある一つの事柄がきっかけで、きょうだい達が思う"父"の姿と、実際に生きた父の姿とを追うことになる。森絵都さんが描かれる大人が主人公の作品は今作が初めてでした。"成長"という言葉を使うには大き過ぎるけれど、ゆっくりと変化してゆく心の様子が読んでいて非常に心地良く、収まり方も含め描く人物が大人になったとしても、やはり良い意味で森さんらしい色が残っていて読了後少しだけ感傷に浸ってしまいました。
再読。誰でも何かしらコンプレックスを持っているもの。それを他人のせいにして、自分をごまかしている人は多い。自分の弱さに向き合うのは、とても勇気のいること。けれど、一度向き合ってみれば、案外なんでもなくて。人生なんて、思う程難しいものではないのかもしれない。それでも、その時の自分にとってはそれは一大事だったりするもので‥だから人間は悩み続けるし、何かを言い訳にし続けるんだろうな。それが若いということ?歳を重ねれば、言い訳せずとも全て受け入れられるようになるのかなぁ。大人になったらまた読んでみよう。
人生はたいしたものじゃないけど悪いものじゃない、と何となく思える話です。死んじゃうって惜しいことだな、という台詞が心に残りました。三兄弟がだんだんかわいく思えてきます。好きな本でした。
こいつはヒットです。こんなにビビビときたのは久しぶりかも。「お父さんの子だからではなくヤスの孫だからでもなく、自分のせいでもなく、そういうものだから」。これに尽きるのかも。最初の(伊豆に行く途中の)海の描写とはしゃぐ野々が大好き。佐渡もそうだし、広がる風景のなかで3人(あるいは他の人も)が持つ気持ちがなんか共感できる。意識せずとも、やっぱり自然には力がある。わたしも家庭や環境のせいにしていることがいっぱいあると思う。夢でのんびりオヤジに話しかけられる日がくるとよいな。
いつかパラソルの下での
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