疾走 下 (角川文庫)
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疾走 下の感想・レビュー(1710)
なんて救いがない結末。エリと再会できて、ちょっと安心したのに。シュウジはエリと再会できて良かったのかな?自分はなんて恵まれていて、幸せなんだろうってすごく思った。重過ぎる話やのに、下巻も一気に読んでしまった。しばらう引き摺りそうやけど、読んで良かった。
15才の少年が背負には過酷すぎる現実。少年は暗く先の見えない人生を疾走する..光を探して..エリと東京で再開したところからラストまでの展開が一つの詩のようで本当に良かった! この小説を読んで疑問が一つ。聖書のヨブ記を引用していたが神に試練を与えられたヨブも暗いからっぽの目をしていたのだろうか?それとも希望に満ち輝いた目?....それはそれで怖いよね。
つながりたい、人としてそれは当たり前のこと。 だけど、当たり前はとても難しいことなんだよな。 運命に振り回され続けたシュウジは、宿命=死を全うするまで堕ち続けていくだけだった。 全てを背負い、暗い穴のような目になってもシュウジは優しさを捨てなかった。 それなのに、最後まで報われなかった。ラスト数ページで涙がどっと溢れて止められなかった。シュウジの戻った故郷には、新しい希望が生まれていた。 救われないけれど、救われたのだろうか。
シュウジに会ってみたかったな。教会で、神父さんの話を聞くでもなく隣でぼんやりしながら、シュウジがどんな目をしていたのか、見てみたかったな。わたしも時々さみしい。この作品を読み終えてから、なかなか次の本を読もうって思えないのです…
これ以上ないくらい救いようがないストーリー。主人公の境遇を言い表した一文がこれ。「「もしも、自分が子宮にいる頃に戻れたら、自分から堕胎する」退廃的な作品ですが読み応えがあって私は面白かったです。
★★★★+/5 苦しみの共有が主題。久しぶりに重松清を手に取る。彼は街ゆく人々を見てすぐに「良い話し」を思いつくとAERAの記事で読んだことがある。しかし、今作ではその「良い話し」を一切封印して、ひたすら主人公たちに、重いものを背負わせて行く。二十章の最後。「強い『ひとり』と、弱い『二人』が、寝返りひとつでつながりそうな距離を隔てて、それぞれの涙を流し続ける。」この一文のための長い長い物語。
この本やばい。一気に引き込まれて、ラストは本当に震えた。社会の恐ろしさ、家族の大切さ、なにより謙虚に生きることの大切さをずっと感じながら読んだ。絶望の救いのない物語だからこそ読む価値があった。いろんなものにカモフラージュされて気がつかないことが多いけど転落するのはほんのあっという間。弱くあってはいけない、強くならないととまじで思ったよ。
「ひとり」の中学生の悲しい物語。読み終わった後にこんなに虚無感に襲われた作品は初めて。シュウジには幸せになってもらいたかったけどまさかこんな形で幕を閉じるとはね・・・。兎に角、重松作品はいつも自分を小説の世界に取り込んで、一気に読了させてくれる。
重松清の作品を読むといつも思う。小説家というのはこんな作品を書ける人のことだと。本物の小説とはこうゆうものをゆうのだと。最後の章は苦しすぎて泣けて泣けて読み終わるとかなりの疲労感におそわれた。唯一の救いの神父さんの存在に本当に感謝した。凄い作品だった。読めて良かった。
まったくスピードの落ちない物語の閉じ方が凄い。アカネと再会するだろうと思ってたらこんな形だったとは。上巻でのイメージは澱んだ川だったけど、下巻で川は一気に流れていき海に呑み込まれる。そして巡りめぐっていつか雨となって降り注ぐんじゃないのかなと自分はそう肯定的に考えたいと思った。暗い物語ではあったが救いのある終わり方でよかった。
一家離散し、故郷を離れるシュウジ。彼を待ち受けていたのは地獄のような運命だった。暴力、セックス、殺人。15歳の少年にはあまりに過酷すぎる。最後の最後まで救いようがない。全体を通して家族の大切さを思い知らされた。折り合いのよしあしなど程度の問題はあるかもしれないが、一人の人間の一番奥底にある心の拠り所はやはり家族なのだと思う。これが根本からへし折られてしまった時、人は本当の孤独を感じるのだろう。人とのつながりに異常に飢えるシュウジの狂気はここに端を発するものだったはずだ。後味は悪いが余韻は長く残る本だ。
相当暗いだろうと覚悟して上下読みました。
想像以上に性と人間の罪の描写が生々しくてキツかったです。が、だからこそ余計に心に重く響くのかも知れません…。
周りの人間の汚さに心を閉ざしてしまったシュウジが切なくて、そのぶん神父の温かさが余計に染みます。
まだ幼いながらも孤独や憎しみと必死に闘うシュウジやエリに、共感したり泣かされたり…。
ラストはやりきれませんが、何となくこうなる予感はしてたので後半シュウジが少しでも希望を取り戻した事が唯一救いです。
辛い時また読みたくなりそうです。
まさに「疾走」。 最後の表情が彼の結論なのだろう。 どのような境遇だろうと、生き方を決めるのは自分自身だけだ。
重松さんの本で、これほど重く苦しい話はいままで読んでなかったので驚き、いつ光が見えるかと期待をこめて読んでいたが、最後まで表紙のイメージのままだった。唯一の救いである神父でさえも弱い存在であることがわかってしまい、人間というのはこんなにもちっぽけなものなのかと思い知らされる。
1日で読めた。つくづく子供時代の環境がその後の人生を左右すると思った。何とも言えない。現代にもこんな世界があると思うと、ただ親に感謝
読んでる途中で心が苦しくなる。
最後に救いがあったから、読後は特に後味悪いとは思わなかったなぁ。
みゆきに関しては不憫としか言い様がないが。
『家族』について非常に考えさせられると共に、今日一日を平穏無事に過ごせたことに感謝した。とても素晴らしい小説。
重松さんの作品の中で一番好きになった。
★★★★★
社会の悪という悪を寂しい少年の目から見た作品。読み終えると気だるい気分になります。この作品を素直に受け入れられない自分は子供なのでしょうか。どこかでこの作品は社会の縮図と書かれた人を見ましたが、これほど堕落した社会で生きる人も少ないと思います。日本を濃縮すればこうなるのかもしれません。感動といった点では、彼の他の作品ほうが上回ります。しかし、文の運びや言葉の選び方は流石です。
こんな結末だなんて。心を掻き乱されました。言葉がみつかりません。
読み終わって数十分。まだ気持ちが落ち着かない。(古谷実のヒミズのように)物語に容赦無くオトシマエをつけた重松さんのその覚悟がとにかく素晴らしい・・。
とても暗く重い物語だったけど、読み進めるうちに止まらなくなった。シュウジがどうなってしまうのか読み進めるうちにどんどん気になって後半はあっという間に読み終わってしまった。最後の最後で救いがあってよかったと思う。どんな方法であれ、あんなに辛く残酷な日々を生き抜いたシュウジは強い。孤独と孤立と孤高の違いがよくわかった。私もエリやシュウジのように強くて優しい人になりたいと思った。
何だか妙にリアルで、一度読んだだけでは自分の中で消化しきれないから、またいつか再読しようと思う。文庫なので上下巻に別れていたが、上巻では閉鎖された地域間の陰鬱さを、下巻では人が行き交い流れる都会での駁雑とした虚しさを感じた。
重く、読んでいて辛い作品ではあるが、読んでよかった。望まざるべくして「ひとり」になった少年は希望の光を求めて壮絶な人生を疾走する。上巻を上回る疾走感。孤独であるが故の悲劇のループ。心を抉られるようなシュウジの情感。シュウジを終始見守り続ける語り手の愛とひとつになれた人々のラストでほんの少しだけ救われた気がした。人生は平等じゃなく公平なんだとしたら、やっぱりそれは不公平なんだと思う。『ひとりとひとりで、帰ろう』
たまに、ほんとにたまにシュウジに会いたくなる。三度目の再読。シュウジの幸せを願ってしまうが、何度読んでもだめでした。やっぱり結末は変わらない。
心に強く残り、感銘を受けた。読み進めるのが思い圧力と暗闇の中で進む深海のようでとてもつらかった。
物語に出てくるにんげんはみんな弱く脆いし現実においても同様だと思う。シュウジは「ひとり」を求めるところから、こわれながらも切実につながりを求め走りきる。
命と生、きれいごとなしに真摯に伝わる作品はこれを差し置いてないかもしれない。
上下巻合わせて様々な要素が詰まっており、誰でも何かしら共感できる部分があると思います。よく後味の悪い小説として紹介されていますが、自分は、東京の家出少女を除けば妥当な結末だったのではないかと思います。最後の数ページでは久々に泣きました。
★★★★★ 非常に暗く重い話ではあったが、この本にめぐり会えた事に感謝します。性描写が少しきつい部分はありましたが、人間社会のダークな部分を描いた名作だと思います。僕の好きな作家 桐野夏生「グロテスク」の男(少年?)版 のような感じがしました。。。 この本の感想は言葉で上手く言い表せないですが、とにかく読んでよかったと思ってます。重松さんの作品 これから少しづづ読んでいきたいと思います。
悪夢を見ているような感覚に襲われた。哀しい残酷な運命。「お願いだからシュウジをこれ以上不幸にしないで」と願いつつページをめくっていった。疾走し続けたシュウジはこの結末で「ゴール」なのだろう。そしてようやく安堵しているのだろうか・・・。 とにかく色々な意味で疲れた本だった。ただ読み終わって自分の周りを見てみると現実が陽だまりのように温かく感じられてホッとした。
苦しい読書だった。 重松清らしからぬ描写の数々にも引き気味になってしまった。 とりわけ性描写にはまいった。 中学時代、家族に内緒でひっそりとめくったエロ漫画にそっくりな場面があった。 50代の自分が今更エロ漫画読むのは恥ずかしい。そして好きな作家である重松清が描く異常な性行為にはさらに顔を赤らめてしまう。やめてほしいね。 上巻の感想でも書いたが、天童荒太の『永遠の仔』や『家族狩り』に近い重苦しい小説の主人公に寄り添いながら、僕は小説とは違う道を主人公たちに考えてしまう。 いろんな意味で天童も重松もドSだ
辛い話だけどとても面白かった。私の周りは平和すぎてこんなことがどこかであるかもしれないなんて想像できない。けど良い人そうな老人が出てきたとき、絶対だまされる!と思った。そのあたりを読んだ時人間不信になりそうだった。
「ひとりとひとりで,帰ろう」…すごいセリフだと思う.こういうセリフを言ってくれる人が身の回りにいれば,決して一人ぼっちにはならない.手は触れないけどそばにいる,そんなシュウジのような存在でありたい.
どよ〜んとした重い気持ちのまま下巻に突入。辛くて哀しくてしんどくて救いのないお話。けど日本のどこかで起こってるであろうお話。ゆえに切ない。 ひとすじの光を求めて読み進めたけど…、私にとっては辛い結末となった。もう再読はしたないなぁ。
絶対に二度と読みたくない本。日本文化の醜さ、人間のひどさ、残酷さ、とにかく“悪”が描かれ、全てシュウジに降り掛かる。あまりに残酷。こういう現実があるであろうということはきっと事実なのだと思う。ただあまりにつらい。
物語の後半にシュウジとエリが「ひとつのふたり」になれたのは強いエリが自分の弱さを少しさらせるようになり、弱かったシュウジが深い孤独を経て以前より強くなれたからか。だとしたらふたりのつながり方は強くて弱い「ひとり」どうしでないと成立しないものだったのかもしれない。ラストはつながりを求めつづけたシュウジが自身の生を超えて「命」というつながりをもつことができた。単純なハッピーエンドとは言えないけれども、静かな希望と静謐な空気をもつラストだったと思います。
疾走 下の
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