疾走 上 (角川文庫)
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疾走 上の感想・レビュー(1795)
前半はなかなか慣れなくて読み進めるのに苦労したけれど、進めていくうちにめくる速度は上がっていく。内容はとても覚悟が無いと読めないものだった。 上巻の締めの言葉にはぞっとした。 何が少年をここまで変えてしまったのだろう、運命ってここまで残酷なのか。
否認。自分に限ってそんなわけない。孤立。みんなとはやっぱり違う。一人だ。怒り。なんで自分だけこんな目にあうの?取引。人を裏切らず誰かの役に立てば、神は僕に光をくれる気がした。抑鬱。僕の神はいなかった。どうにもならないんだと知る。想いも誰にもとどかない。涙が意識の外で流れる。受容。もう逃げられない。欲すれば遠のく。悲劇だとしても全てを失って運命を受け入れよう。誰も未来は変えられないの?
なんて苦しい物語なのだろう。兄にだけ一心に向けられた母親の愛情を本当はずっと求めていたシュウジ。母親の布団でマスターベーションするシーンで涙が出てしょうがなかった。ただ、愛されたかったシュウジ。繋がりたかったシュウジ。兄のことも徹夫のことも決して見限れない優しいシュウジ。幸せになってほしい。ほしいけれどきっと、明るい未来はないのだとわかってしまう。
「エイジ」「ナイフ」「流星ワゴン」に続き重松清は四冊目。干拓地と水平線が広がる町に住む中学生のシュウジが主人公。地元有数の進学校に通うほど優秀だった兄が壊れ、彼が犯してしまった重罪をきっかけにシュウジの人生は大きく狂い始める。犯罪者の弟として「孤立」し、ひたすらに堕ちてゆくシュウジ。シュウジは作品の中で「おまえ」と呼ばれており、「おまえは~した」という描写で物語が進んでいくのが不気味である。表紙絵は作品の内容をぴったり表現しているかもしれない。孤独の中でひたすら走り続けるシュウジは下巻で幸せを掴めるのか。
語り口が「おまえ」というのにまず驚きました。
最初の幼いシュウジとシュウイチのやり取りだけでなぜかすでに涙が出そうでしたが、読み進めていくうちシュウイチと母になんだか違和感が…。
差別や偏見をするのが日常茶飯事な大人たちに囲まれて、歪まずに育つなんて無理なんじゃ?と不安に駆られます…。
個人的に印象的だったのは「からから、空っぽ。」
読んでからこのフレーズが1日頭から離れませんでした。
シュウジの置かれた状況を思うだけで鬱です…。
爽やかなのに重たい。重たいのに爽やか。そんな感じの上巻
孤高のひとりのエリがカッコよく、何故か憎めないアカネがいて、徹夫がとにかく腹立たしく…
重松さんは『少年』の描写が本当に巧いなぁと感じる今日この頃
★★★★★
これでもかと言う程どん底に落ちていくシュウジとその家族たち。 終始、作品全体を包むどんよりとした雰囲気は底無し沼のように沈む底を知らない。鬱積したものの捌け口も、その吐き出し方もわからないまま、物語は暗闇の中へと疾走していく。
重松さんの本は読んでてほっこりするような温かい本しか読んだことがなかったので、この『疾走』は衝撃的だった。家族が壊れて自分も壊れていくシュウジもシュウジをいじめている徹夫もその他の登場人物もみんな何かに絶望しているようにみえた。彼はエリのような「ヒトリ」になれるのか。下巻で答えがわかることを期待している。
衝撃的な表紙を見て、初めて手にした重松作品が今作だった。第三者視点で主人公を「おまえ」と呼ぶ語り口。絶望するのも分かる気がするほどのシュウジの不幸な境遇。孤独と孤立と孤高。似ているようで似ていない。なりたいと願っても選ぶことはできない。聖書の引用があったり、声の輪郭が溶けていくひらがな描写がシュウジの心理を現わしているようで、恐ろしく、痛々しい。人間、どこで足を踏み外すのか、本当に分からない。下巻に続く。。
人や家族や街、記憶あらゆるものの形が崩れ、こわれ主人公に重くのしかかる。その中で主人公は孤独にも孤立にもならず孤高になろうと「ひとり」で生きようと走り続ける。
攻撃しようとする人は弱く、受け止めようとすり人は強く写りました。
下巻へ続く。
★★★★★ 重松清の作品 初読みですが、これは凄まじい話ですね!いじめ、差別、人格崩壊、家庭崩壊、暴力など 人間の汚い部分を集大成したような話ですが、非常に引き込まれてます。桐野夏生 が女のグロを書く天才のように、重松清は 人間のグロ を書かせたら 天下一品ですね。ストーリーの続きが楽しみですが、最後まで このままグロく突き進むんでしょうね!あと 表紙の画像 インパクト ありすぎですわwww
同じ年の息子を持つ母親にとっては、この重苦しい感情がとても辛い・・・が続きが気になって仕方がない。果たして幸せになれるのか?という訳で急いで下巻へ疾走!
天童荒太の『永遠の仔』や『家族狩り』を読んだときと同様の重苦しい感情に支配された。 上記の2作や、この『疾走』の主人公たちは何故こんな道を選び、自分をさらなる迷宮に追い込んでゆくのか。 僕は精神的に脆いところがあるので、こういった種類の小説は苦手だ。 その反面、面倒見の良いところがあるから、主人公の人生にとことん付き合ってあげたくなる。 主人公の住む町の成り立ちに始まり、家庭の崩壊が少年の人格形成にどんな影響を及ぼしてゆくか。 皆さんも読んで僕と一緒に苦しんでください。
暗っ!だからイイ!こういう少年の絶望の話は胸に刺さります.重松さんは逆境に負けずに頑張る話を書くイメージがあったけど,こんな負けっぱなしの話も書くんだなと思った.
読んでて切ない。登場人物が、一部を除いて嫌なやつばっかりだと思うけど、それに腹が立つよりもかわいそうになってきてしまう。徹夫の成長具合が面白くて好きです。
久々の重松氏、「あーあ、あーあ」って言いながら上巻読み終わった。「あーあ、あーあ……」って言いながら下巻読みはじめることにする。
一人の少年の人生の記録。苦しんで苦しんで、救いを求めながらも生き続けねばならない人生というものは、息を喘がせながらの疾走によく似ている気がする。足を止めれば楽になれるのかもしれない。だけど少年は、ひたすらに疾走を続ける。
果たしてその先に一体何があるのだろうか、ということで下巻へ。
重松さんの作品の中では確かに重い内容だったように思います。私自身も含めて、多くの人が感じたことがあるのではないかと思う「ひとり」。エリのような孤高はかっこいいけど、多くの人は孤独が怖くて群をつくる。徹夫もその一人なのかもしれない。いろんなことが壊れていくなかで、シュウジはどこに達するのか、下巻が気になります**
疾走 上の
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ナイス!

































