前巷説百物語 (角川文庫)
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前巷説百物語の感想・レビュー(416)
青くて悩みまくってる又さんを好きになりました。これ読むまで、仕掛けにおいては人死もやむを得ないとされるのかと思っていた。さらりと「仕方ねェ」とか言わせてる言葉の裏の、又市の苦悩が思われ、これまで読んできたお話に深みが加わる。林蔵、おちか、又市の心の揺れもよかった。
自分の中での筋を通そうとする又市。若さだけではない強さも感じました。今作で感じたのは町人にすらなれなかった身分の人々の思い。虐げられ、簡単に殺されてしまうという命の軽さの意味。簡単にはこうと論じられない問題ですが、京極さんはひとつの答えを出しているかなと思いました。
青臭くて不器用で詰めが甘い又市が、御行となるまでの物語。切なくて寂しい思いを持ちながらも、それでも又市の優しさは御行となってもずっと変わりなかったのだろうと思う。
又市の過去がなかなか壮絶で……巷説〜であれだけ人死にを出さない、表側の百介を巻き込まないようにしてたのは、この過去があったからなんだ…。と読み終わって暫し呆然としてしまった。前巷説〜と巷説〜の作中年数はまだあるのでもう一冊位読んでみたい。
『巷説百物語』の又市が、裏世界の仕事に手を染めるようになった経緯が記された、人気シリーズの第4弾。一見怪異に思える出来事を探偵役が解き明かす京極堂シリーズの逆で、真実では埋めきれない人の心を、怪異の仕業とすることにより丸く収めるという物語。もちろん時代ミステリとして楽しめる作りになっているのだけど、それ以上にとにかくキャラクターが魅力的。読み終えた瞬間にシリーズを最初から読み返したくなった。このシリーズは本当に好き。
久々に活字って面白い!と感じさせられた作品でした。展開を予想しながら読んでいましたが…それを上回る着地点に心踊りました。お気に入りの登場人物は町方同心の志方兵吾(萌)…このひとが登場する場面ではあらかた事件が収束されている。←オススメいただいた読友さん曰く「だから巷説なんですよ」の一言にポンッと膝を叩きました(笑)
青臭くて詰め甘な小股潜りは本当に可愛い。ずっとこのまま、と願いながらも頁を繰る矛盾。そして、このままだと百介には会えないのだ、と、タイムパラドックスに陥ったような切なさ。尤もこの『巷説百物語』シリーズも他の京極作品と同じく様々な仕掛けが施されていて、一度読み終わったからと云ってそれで終わりではない、むしろそこからが物語の始まりなのだ。とは云え。物語はやはり、終わったのだ。※解説で物語、登場人物に関する核心部分が明かされています。解説から読む方はご注意!
若かりし日の又市が「巷説百物語」シリーズで読者が良く見知った「御行の又市」となるまでのお話。これまでの作品で又市が「殺さずに何とかする方策」を何とか捻り出そうとしていた理由や自分に関わりのある女性が死んでしまうことに対する強い拒否反応の理由(の一端)が解る。損料屋の面々も強烈に個性的なので、「前々」の「巷説百物語」が読みたくなってしまうのは仕方のないところ。最後に御行姿を又市に譲る形になった人物については、京極夏彦には珍しくあまりに都合が良すぎる設定だと感じた。否、そんなに珍しくはないか。
巷説シリーズの原点的な物語。若き日の又市が、御行の又市として裏の世界の住人になるまでが、丁寧に書かれています。巷説シリーズおなじみの、妖怪関係の仕掛けもここからスタートしたんですね。仲間が魅力的すぎて、旧鼠は少々辛いですが・・・。
「小股潜りの又市」と呼ばれた男の巷説百物語へと続く物語。損料屋と呼ばれる人には言えぬ仕事を手伝うことになった又市が青臭いと言われながらもなるべく人を殺さないという信念を持って仕事をする様はかっこよかった。この小説は分厚く感じるかもしれないが六つの物語はどれもシンプルな構成(依頼~解決~真相)で描かれており思ったよりは読みやすい。あとがきにも記載されてるが「御行奉為」のセリフが出てくるタイミングがよい。読み終えて、後のシリーズで登場する人物等、シリーズを読みかえすと違った想いに感じるのだろう。
よかった、おもしろかった。若き又市のそのポリシーを貫きたいがための苦悩や、貫くための工夫などがよかった。周りのキャラも魅力的だった。シリーズをもう1回読み直したくなった。
若き日の又さんの青臭さと江戸っ子ぶりがとても魅力的で読んでいてとても楽しかったです。えんま屋陣営では鳥見の山崎さんの圧倒的な強さが素敵で、特に彼の活躍にはわくわくしました。でも前半が大掛かりな仕掛けを用いた派手な展開だった分、後半からは一気に暗く切なく、仲間が去っていく度にどんどん悲しい気持ちになりました。…この巻で又さんの「御行奉為」の一言に篭める想いを知って、もう一度最初から巷説シリーズを読み返そうと思いました
もう、又市さんが愛おしくてしょうがない。なにこれ。何この青臭いの。この青いのが伊右衛門やなんやらを経て、巷説の達観したような超然としたような又市さんになると思うと内蔵吐きそうになる。どれだけ巷説以降で達観していようとも、いつだって又市さんの底に流れてんのはこの前巷説で又市さんが叫んでることなんだよなあ。どれだけ惨めでも辛くても悲しくても汚くても悪くても、生きてこそだって。
すべてのはじまりがこの本なのかな?、これでまた巷説シリーズ読み返さなきゃいけません、ブ厚くても読み出したら止まらない、読み終わるのが惜しい1冊です。
巷説物語シリーズ四作目。巷説百物語の前日談である。何か達観した感じの”御行の又市”になる前の、仕掛けの世界に足を踏み入れることになる「青い」又市が見所である。又市カッコイイのである。そして「御行奉為(おんぎょうしたてまつる)――」のセリフが余韻として残るのであった。
うわあああああああ(;Д;)読了後第一声がこれ。だって、だってさ……!!!本当に「前」巷説、全ての始まりじゃないか。巷説読み返そう。若い又さん好きすぎる。『かみなり』とか特にさ。又さんの青臭さとかやりきれなさとか……(;ω;)ブワッ。うん、絶対巷説読み返そう。
ずっと積読本だったけど、読み始めたら止まらない。御行の又市のはじまりが知れる今作。又市の誰の命も失われないようにと悩む姿が印象的だった。確かに人が死にすぎる…特に山崎さんが死んでしまったのは…これを読んだからこそ、巷説シリーズをもう一回読みたくなった。志方さん、何気に好きです(^-^)
又市が裏社会に入るまでの物語。 『巷説~』では何もかもを見透かして仕掛けを作りだす又市が 後手後手に回ってあまりにも多くの物を失う。 この物語があるからこそ”あの”又市が生まれたんだろう。 失われた幾つもの命にかけて殺さない仕掛けを念じる又市に。 中でも山崎さんの死は哀しすぎる。 百介がほんのちょっとだけ登場するのはご愛敬?
『巷説百物語』のエピソード0です。まだ若いというか「青い」又市が主人公です。『巷説百物語』以降の又市も渋くて良いですが、若い又市も愛すべきキャラクターです。この話があって、『嗤う伊右衛門』を経て『巷説百物語』につながるんですね。途中、にやりとする設定があったり、最大の敵との戦いがあったりでとても楽しめました。最後の方は切ない話でしたが。
今までのシリーズでところどころ垣間見えていた又市さんの”青臭さ”が全面に出ている姿が印象的であり魅力的。最後まで読んでからこの文庫の表紙を見るとああ!と思うこと請け合いです。
このシリーズ読むのは初めてですが、百鬼夜行シリーズとは違った面白さ。江戸時代の人たちには妖怪はもっと身近にあったんだろうなぁと思う。でもやっぱり又市みたいにそんなんくだらねぇって言う人も居たんだろうなぁ。時系列で他も読みたい。
巷説百物語より時代としては前の物語。又市が何故「小股潜り」という名前を用いているのか。御行の格好をしているのか。その辺りがわかってきます。後巷説百物語の話に繋がる話でもあり、これまでのシリーズを読んできたのなら、シリーズの"仕掛け"を知るためにも、読むべきだと思います。
巷説百物語・前日譚。江戸へ流れてきた小股潜りの又市が、御行の又市へと身を替えるまでの物語。尖っていた頃の又市への容赦のない展開が続き、人を死なせたくないという仕掛けの原点を垣間見ることができた。このシリーズは、どこを起点に書き始めたのだろうか。破綻のない繋がりに感嘆してしまう。
山崎さ〜ん(泣)
せつない、切ない、せつない。又さんの過去。仲間たちとの出会い、そして別れ。人死にを避けようと必死に知恵を絞りながら、それでも大切な人たちを失ってゆく又さん。せつない、切ない、せつない。
姑獲鳥の夏を初めて読んでから語られる一貫とした妖怪幽霊などに対する姿勢。巷説、続、後、どこまで読んだのか忘れていたのだが、たぶん既読。再度、他も思い出す意味で読みたくなった。人生は哀しい。読む前は分厚い本に圧倒されるが、読み出すとアッと言う間。後、西は未読だと思うので、これから読むのが楽しみだ。巷説シリーズは京極作品でもかなり好きだな。
2010-92 この巻を読んだことで、又市への思い入れに色味がついて深まりました。またシリーズを再読せずにはいられない。そのくらい力ある逸巻。
人は哀しい。生きるも死ぬも哀しいけれど、最後の色々な人との縁が切れていく様が特に哀しい。そして今からこのシリーズ読んでみようかな、って人が羨ましい!時系列順に読めるじゃないですか。わたしはこれからもう一度全部ループを描くように読み返したいと思います。誰かお岩さんやお菊さんの話含めて全部時系列で並べてくれないかな~。それにしても自分の中で又市さんがやたらカッコよく脳内変換されてしまってるのですが妄想しすぎでしょうか。シリーズ本編これでお終いかと思うともったいなくて少しずつ読んでしまいました。<続>
過去にあった祗右衛門とのやりあいについて、後手に回るのを嫌う理由、あの白い衣に身を包んだきっかけ、又市さんが纏っていた謎がどんどん明かされていって、なんだか呆気にとられてしまいました。読了後、こんなにぼんやりしてしまったのは久しぶりです。
普通のミステリは、いかにして謎を解くかというのがテーマだけど、このシリーズは逆なんだね。いかにして謎を作るか。世間から真相を隠すか。なんてことに、四作目にしてようやく気づいたのでした。
前巷説百物語の
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