犬の力 下 (角川文庫)
犬の力 下を読んだ人はこんな本も読んでいます
犬の力 下を追加
犬の力 下の感想・レビュー(448)
読み終わるのがもったいないくらい面白かった。一気呵成に転がる後半。主役と敵役の二人だけじゃなく、出てくる男達女達全てが魅力的。そしてエルロイのアンダーワールドUSA三部作同様、これも三人の男達の物語だったと知る。カタルシスなんてないダークビターなノワール絵巻。
NAFTAや反共工作網を巻き込んだ壮大な麻薬を巡る闘いが、次第に解体されアートが全てに決着をつけるクライマックス。巻き込まれ続けたカランが、遂に愛を見つけたノーラと共に生きていくために、最後の最後に「人生を変える」決断をする。上巻冒頭で引用されていた「わたしの魂を剣から、わたしの愛を犬の力から、解き放ってください。」と祈っていたのはアートではなく、カラン。さまざまなものを抱えていたカランがノーラに打ち明け泣き出したのと違い、アートは泣くことすらできない地平に辿り着いた。
逃亡銃撃交渉悔恨 緊迫した一瞬の場面を描写する筆力が圧倒的で息苦しいほど。夢中になって、文字を追う速度が早まるにつれ、脳内に浮かぶイメージはスローになっていく。一瞬たりとも目を逸らせないその情景に息苦しくなってくるが、息継ぎしている間に肝心のところを見逃してしまうんじゃないかと必死に読み進めるうちに読了。作者が上手いのか訳者が上手いのかはたまた両方なのかわからんけど。サウナの後水風呂入った様な読後感!ふぅっー!
圧倒的な筆力! アメリカ・南米の麻薬戦争の大きな流れを政治的・経済的に「縦糸」として掴みつつ、その末端の売人・卸・殺し屋・捜査機関・CIAの登場人物を、その1人1人を主人公に1編書けそうなほどに緻密な「横糸」として、編み込んだ壮大な物語でした。 いや~、読み応えありました。。。
長い話でしたが先が気になって一気に読んでしまいました。この話に惹きつけられたのは登場人物たちの魅力のなせるものなのでしょうかね。それにしても下巻はばたばた人が死んでいく… 欲望、復讐心のうずまく恐るべき血みどろの麻薬戦争。犯罪撲滅のために投入される多額の費用。争いというものは何も生み出さないものだなとつくづく思います・・・。小説自体は面白いですが。
私怨の相剋、糾える縄の如し。上巻の三倍ぐらいの銃弾が飛び交う下巻。壮大な前フリ(?)を回収してバイクで逃げ出す二人。そして責任者勢揃いの中でクライマックスの銃撃戦はまるでスローモーションで展開するジョン・ウー作品のガンアクションの様な見事さ。一気読みで堪能させていただきました。
元々、私はミステリ好きだったのですが、 最近は、年1~2冊読むのですが、 何か物足りなくてガッカリということばかりでした。 でも、この本は違いました。 圧倒されます。 この凄味は一体、何なんでしょう! 私が読書に目覚めてから、 ミステリと言われる分野で、 はじめて満足いく1冊でした。 こういうのを読んでしまうと、他がますます物足りなく 感じるのでしょうねー、、
決着がつくはずのない麻薬戦争だけにラストはどうなるのかと思ったけど・・・読み始めたら止まらず、一気読みでした。 結局一番恐ろしいのは「人間」。映像化されたら面白そう。
読メを通して興味を持って手に取ってみた本。残酷な話は苦手なので冒頭から挫折の予感がしたが、読み進めるうちに面白くなって最後は一気読みでした。訳者あとがきにも書かれてますが、作品全体からは作者の怒りのエネルギーが感じられ、そのパワーに飲み込まれるように読み進めました。特に信仰に疑問を持ちながらも出来るだけ多くの人を救おうとするパラーダ枢機卿と、生き方に全くブレがないノーラの二人がカッコ良くて印象的です。
長い話だしいろんな人間の思惑やらなんやらが交錯しまくるのにダレずに読みきれたのはキャラクターの魅力のおかげかなと思う。みんな個性豊かですげー悪人でもなんか憎みきれなかった。一応主人公はアートだけど読んでいるとアダンのほうが思い入れもって書かれているような印象があった。自分がアダンのほうが好きなだけかな。
読みきった!満足した!登場人物沢山いるのに皆キャラが立っていてどうなるのか気をもんだぞ。「ストリートキッズ」ファンだったので、カランにはニールを重ねてどうにか幸せを祈ってしまった。バイクでのスピード感溢れる逃亡シーンは詩的で良かったなぁ。
30年にも渡って展開する血まみれの物語。徹底的な正義を目指すもの、叔父が残したマフィアを守ろうとする兄弟。17歳で殺人を犯し、暗黒世界へ身を投じた男、娼婦から鍵を握る人物へと変遷した女、どこが義理堅いイタリアンマフィアの兄弟、屈強なメキシコ保安官、元アメリカ陸軍大佐でありながらマフィアの成員である酷薄な男。などなど、それぞれの思惑が入り乱れて縺れ合う……。大変楽しませていただきました。
ナイス! ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ -
コメント(2)
- 11/10
何度も途中でやめそうになったが何とか完走。 人間ドラマとしての面白さを感じられず。 ただ麻薬犯罪のために殺したり、それに復讐したりしているだけの話に感じられた。
麻薬捜査官として、もしくはマフィアとして人生を賭けた長く厳しい戦い。自分の利益になるためなら、人を人と思わず、策略と憎悪で殺しまくっているな…。上にはワイロで仲間に引き込み、下には報復怖さに誰も逆らえない。このような中、後手後手でも1歩も引かず立ち向かう捜査官。憎しみを擁く相手の愛人になる娼婦。複雑に因縁が絡み合い、捜査というより紛争もしくは戦争だな。
南米あたりのマフィアものの連続ドラマのシナリオを読んでいるよう。描写や情緒ではなくストーリーで読ませる小説。大味だとしても、そう割り切って読めば十分面白い。
熾烈、壮絶、そして圧倒的な暴力。殺伐としているが最後には救われる。物語はアメリカの麻薬捜査官、麻薬組織の首領たち、高級コールガール、マフィアの構成員たちの目を通して1975年から2004年に至る30年の抗争を緻密に描いている。全編を通じて麻薬の問題のみでなくイデオロギー、政治、役人の腐敗、アメリカとの関係など、中南米が抱える問題が鮮やかにあぶりだされている。ここ数年間で読んだ翻訳物ミステリーでは三指に入るぐらい読み応えのある傑作。骨太な大作なので歯ごたえもあるが文章もよく人物が魅力的なので一気読みできた。
個々の人物や物語が絡み合って、えも言われぬ重厚感をかもし出す下巻。低音で胸に響く作品。これほどの「犬の力」を人はいつまで続けるのだろう?
面白かったです。敵味方がどんどん変わって人がどんどん死んでというノンストップ感ががあって下巻も1日で読みました。30年間にわたる麻薬戦争ということでしたが、あっという間でした。やっぱりノーラは良いですね。
すごかった!壮絶な物語。裏切り、裏切られ、味方だと思ったら敵だったり。ただ下巻の序盤で人が殺されすぎてびっくりしたけど。久々にドキドキハラハラの超大作でした。
アメリカの麻薬捜査官アート・ケラーと麻薬カルテル・バレーラ一統の30年に渡る因縁と怨念の物語。一捜査官と麻薬売人一族との枠を超えて、いつしか国家間の大掛かりな陰謀の様相まで呈してきて、どんどん引き込まれていく。すさまじいまでのケラーの執念。一風変わった神父と高級娼婦、アイルランド出身の殺し屋、イタリアマフィアなども加わった複雑な人間模様。ゴッドファーザーやL.A.コンフィデンシャルを彷彿とさせる、麻薬・暴力・セックス・裏切り・死が満載の、最後までどう転ぶかわからない、スリル満点の展開でした。
国境で一切の価値が逆転する事実は今後も不変だ。唯一の突破力が麻薬(金)という皮肉は現在進行形で裏書き中。「トラフィック」は甘いぜ。
どんな小説でも下巻は読む速度が上巻の倍くらいになるんだけど、これは4倍加速だった。そのくらい止まらないし、息も付けない程の展開が待っている。「やられたらやりかえせ」「目には目を」がそのまま成り立つ世界。誰が味方で誰が敵なのか解らない世界。裏切り合いの騙し合いがこれでもかと襲って来る。なんだこの凄い小説!とんでもない復讐劇で、最後の最後までどうなるか読めなかった。それぞれのキャラクターを映像化するなら誰だろうか・・・ラモスはずっと脳内でダニー・トレホに転換してた。もう彼しか考えられんw そこは決定でw
文字通り一気読みしました。なにしろ一瞬たりとも息が抜けない展開です。麻薬のお話だから、それはそれは悪者がオンパレードで、実際正義の味方不在なんですけど、どの人も魅力的・・・負の魅力にとりつかれそうで怖いです。ただひとりの女性主人公のノーラもあっぱれです。警察もマフィアも復讐に燃えすぎて収拾がつかないのは分かりますが、人が死にすぎてちょっとゲンナリかもしれません。それにしても、このウィンズロウって「ストリート・キッズ」の作者さんだったんですね?全く作風が違うので、今の今まで気づかなかったほどです。
ナイス! ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ -
コメント(0)
- 06/27
読ませるな~。ノンストップでした。とにかく先へ先へと進んで、最後の最後まで緊張感は途切れることがなかった。事実はもっと怖いんだろうな。。。 誰に感情移入することもできず映画を見るように読んでいたけど、最後の方に来てノーラの存在が私にとっても救いになった。あの女優さんがいいかな~などと勝手に想像しながら読んだのもまた楽し。とにかく読んでない人には読みなよ!!と強くオススメしたいです。フー、脱力感&充実感。
凄絶。最後まで死にまくり。ケラーの復讐の末に得たものはなんだったんだろうか。今も麻薬戦争は続いてると思うと、やるせない気分になる。どうでいい話だが、犬はゴールデン・レトリーバーが一瞬だけ出てくる。
面白かった。何よりキャラクターを一切無駄遣いしていないところが本当に素晴らしい。出てくる全ての人物が作品内で120%以上消化され、「おセンチのための死」や「説明のための登場」「都合が悪くなったから退場」というものが一切ない。これだけ長い小説なのに徹底的に刈り込まれているため、最後まで面白く読んだ。血なまぐさいのが苦手な人でなければ、誰が読んでも一定以上の満足感が得られるのではないか?
長かった~。犬もメキシコ料理も大好きだけど…ノーラは、神父さんが亡くなる前から愛人だったのに、亡くなった途端に、復讐に走るのって、無理があるかも。
上巻の後半でもそうだったが、下巻ではさらに抗争が激化。敵の敵は味方であるのか、はたまた敵なのか。ここまできてやっとこの本がミステリーとして高く評価されたことが理解できた。そしてラスト。なくならない麻薬、汚職、殺人・・・・。これは映像化されないのだろうか?いやある地域ではリアル過ぎて映像化できないのかもしれない。そう思わせるほど緊張感のあるストーリーでした。
現実はどうなんだろう。どの程度フィクションなんだろう。平凡な日本人には想像もつかない。 ノーラは普通の女の人にどんな態度をとるのだろう。知りたい。
犬の力 下の
%
感想・レビュー:182件









































