少女地獄 (角川文庫)
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少女地獄の感想・レビュー(1051)
特になにも内心に残らなかったが、面白かった。しかし、火星の女と姫神ユリ子の関連性がいまいちわからなかった。書簡体で進められる小説を読むのは恐らく初めてで、登場人物の独り語りで生まれる世界に引きずり込まれていくような感覚があった。表紙がおどろおどろしいのと、題名からかなり緊張して読み始めたが、予想したようなグロはなく、ただただ精神世界の迷路の物語である。
短編三作。タイトルで期待するほど少女ではないけど、女の執念は恐い…しかし血液から処女非処女がわかるってのは言い過ぎだよなぁ
その文体と描写、舞台設定から湿気った生々しい狂気的な世界観を作り上げ、読者を惹きこむのは夢野久作の十八番でありそこがこの作者の魅力である。その中でも少女地獄…何でも無いはなんともいえないむず痒さがある。 ユリ子のついた虚構について、どこまでが虚構なのか、という疑いが読後も延々と頭の中を駆け回っている。大なり小なり、虚構の世界を作るのは誰しもが経験することもあって、許せないながらもユリ子を一刀のもとに断罪できないように思う。この薄気味の悪い読後感が何よりもよかった。
執念とは恐ろしいものだと感じます。でも、その背景にあるものは物悲しいものですね。嘘や虚無主義、復讐、どれをとっても嫌に生々しく素敵な一冊だと感じました。
怪奇でもミステリーでもない、何とも分類しがたい不思議な雰囲気に包まれた書簡体小説と短篇3本収蔵。何れも人間を醜いものとも綺麗なものとも断言しない冷静な作品で、押し付けがましい意見を主張しないレトロな著者の慎ましさが素敵。何を仕出かすか、そして何が出来るか理性の想像の埒を超える、人間という生き物の知恵の闇を感じさせる手法、とても見事です。
NHKの『Jブンガク』で取り上げられていた本。天才的な看護婦の姫草ユリ子の、嘘で作り上げられた世界に鳥肌が立った。はたから見れば美しさすら感じるほどの見事な虚構。だが絶対に近くにいてほしくない病気。
表題作の『少女地獄』がNHKの『Jブンガク』に取り上げられていて、面白そうだったので。短編だったのでビックリ。姫草ユリ子は、自分の理想と現実のギャップに苦しんで、嘘を付かなければ生きていけなかったのかなぁ…。彼女は遺書を残しているけど、自殺していないような気がする。何処かで可憐な顔をして、嘘を付き続けて欲しい。
ReaderStoreの電子本。現代仮名遣いのテキストのお陰もあって昭和も初めの文体には感じない。ユリ子さんには感情移入しやすくてかわいいとさえ思えるが,雇ってみれば怖ろしかろう。
少女性というものを、ほとんど狂気のごとく描く少女地獄。全ての短編において女性が主役となり物語は転がるけれど、どの話もどこかしら狂気を含んでおりーーいや、正気である部分を探すのが少ないのか?ーー独特の世界が立ち上がってくる。しかし、草姫ユリ子はある種徹底的に少女的で純粋だったのではないか。自分が美しいものであり、素晴らしいものである。そうやって飾り立てて自分を鼓舞する。それは誰でも、特に思春期には現実妄想交えてママ行うことだ。けれど、それから脱却できないと狂気に変換されるーーのであろうか。
どの話も女の人が主人公であり、男のやりとりの中にそれぞれ特有に煌くその異常精神を発露する。果たしてそれは、虚構の天才であったり、究極の虚無主義者であったり、現世に於いて打ち棄てられた無垢なる少女であったり、その他色々だ。短編「童貞」は絶筆の極致を窮めた不朽の名作であると思う。小野原ノブ子は魅力的だし、最後にゲロゲロと吐き出したのが良かった。『中略・・蒼々とした夕暮の底に、彼女から貰った宝石を握ったまま、空虚のような眼を見開いていたが、その視線の中に、まともに振り返った彼女の顔つきの酷かった事・・・。』
なんだか、どのお話もすさまじいものを感じてしまった。結末をどう解釈していいのかわからない、そんなものもいくつか。みんな女の主人公だけど、それぞれに個性的で破滅的。とくに印象的だった作品は『火星の女』かしらん。哀れでなんとも言えない。ただ解説にもあるように、アイ子が愛人として存在する時点で孤独じゃないじゃんって気もしたり。でも、勢いにまかせて読めて面白かった。
青空文庫にて表題作「少女地獄」のみ読了。夢野久作は初めてだったが三篇どれも面白かった。自分で自分の首を絞めて地獄へ飛び込み、死を選んでいく少女たち。たった一つの妄執に陶酔し無駄に命をかけちゃう潔癖さ、バカみたいな深刻さに狂気を感じながらも、どこか懐かしさを覚えてしまうのは私も昔少女だったからか。文章の合間出てくるカタカナ表記が小気味よくていい味出してる。他のも読んでみようかな?
怪しい雰囲気に溺れた。夢野久作の文体、好き。「何んでもない」「火星の女」が好み。一つのことしか見えなくなる狂気のような。「童貞」の結末をどう解釈したらいいのかわからなくて、ラストシーンがぐるぐるぐるぐる…
姫草ユリ子ほど清らかで純粋な人間はいないのではないか。自身の妄想世界を支えるため嘘に嘘を重ねやがて自らその嘘によって破滅していく。理想の生き方だと思った。彼女のためにささやかな祈りを。
Jブンガクで取り上げられていたのでいそいそと読みました。「何でも無い」が好きです。姫草ユリ子が魅力的。嘘で塗り固めてた生涯でしたが、憎めない人物でした。この時代の女の子の言葉遣いが可愛いです。夢野作品だけかな?うつりそう。それと、「けむりを吐かぬ煙突」が好きです。
『殺人リレー』が分かりやすくて好き。女性主人公なので感情移入しやすいのかしら?『何でもない』は嘘の話。姫草ユリ子は(名前からして)怪しいキャラクターだと思うけれど、まわりの登場人物が全幅の信頼をおいているんだから面白い。まあ、こんな人いますよね。
『少女地獄』の三篇が良かった。特に『何んでもない』はなかなか面白かった。文体は独特ではあるが、読みやすいし嫌いじゃない。他の短篇集も機会があれば読みたい。
少女というか女性が事件を起こしたりする話。「火星の女」と「童貞」が良かった。「煙を吐かぬ煙突」でグロい画帳が出てきたときドグラ・マグラを思い出した。
青空文庫にて表題作の「少女地獄」の3作品のみ読了。「何んでも無い」と「火星の女」が良かった。ただ一つの目的に殉じるその並々ならぬ怨念とも言うべき情念を抱き、生々しい感情の蠢きすら見えてくる行動を取る様が、三点リーダを用いた独特な間とリズムに乗せ、要所に使われる機微をうがったレトリックで、中だるみすることもなく緊張感を持ち表現されている作品。結末はどれもわかっているのだが、それに至るまでの感情の移り変わりを、秀逸なレトリックと共に楽しむことが出来た。
チョコレートの色と香りのする本で。 私の知る姫草ユリ子を思い出しながら、「何んでも無い」を。 「女坑主」まで、さみしくて可愛らしい人、セリフばかり。
青空文庫の電子書籍から、表題作の3話だけ。手紙によって進んでいく、少女たちの死の物語。ユリ子、トミ子に、火星の女…何かを強く思い、それに命をかけて。男が振り回されることこの上ない。もう一つ、ドグラマグラにでもいってみましょうか。
初・夢野久作。夏休みから読み始めて併読たまに放置しつつ漸く読了。最初の『何でもない』で一気に引き込まれました。ただ最初目次を見て3編かと思っていたので『少女地獄』の中にさらにいくつか物語があることに驚きました…。せめて表記してほしかったなぁ。あとは『火星の女』の命を懸けた復讐の過程はページをめくる手が止まらないほど気になって読み進め、『けむりを吐かぬ煙突』はいつのまにか攻勢逆転したラストが意外性もあって好き。たまに時代のせいか描写が分からない部分もあったけれど、全体的に好きな系統のストーリーと文体かも。
つくづく明朝体が似合う作家だなあと思います。表題は書簡形式の「何んでも無い」がやはり良いです。姫草ユリ子のような人って実はその辺にいるんじゃないかと思う。嘘で塗り固められた人。表題よりも個人的に好きなのは「けむりを吐かぬ煙突」。百年文庫にも収められていましたが、何度読んでも好きです。夢野久作の作品は、「…」の使い方がすごく印象的で、その「間」が独特の妖しい雰囲気を醸し出しているような気がします。また、登場する女性がやたら妖艶で、しかもそれが文章から肉感的に伝わってくるのがすごい。
ドグラ・マグラを読んで以来、夢野久作の文章にハマってしまったので勢いで読了!この人の文章とストーリー好きだなぁ。中毒性がある。 ちょっぴり斜に構えて読むとシュール。あえて対峙するとある意味リアルというか本質的なところが描かれた時代背景を鑑みて素敵だなぁ。と思います。夢野久作全部読むわ。
いきなりドグラマグラを読むのは、怖い(笑)ということで肩慣らし的に購入。女の強くなったり弱くなったりというややこしい所が鮮明に描かれていた。タイトルの「少女地獄」、確かに3作品とも少女的な想いで地獄を造り上げている。どれも純粋な想いだからこそ根も深い。底知れない地獄が拡がっていた。
おのれで地獄を造り出し、自ら進んで落ちてゆく。表題作『少女地獄』の三人の主人公たちは、客観的に考えると、死を選ぶ必要はない。『何んでも無い』の姫草ユリ子の嘘は他愛ないものであるし、『殺人リレー』のトミ子の行為も露見してはいない。『火星の女』歌枝も、告発には写真だけで足りるように思える。しかし、何かしらに殉じてこそ少女というもの。死してこそ少女なのです。まぁ、姫草ユリ子については、手紙も嘘かもしれないけれど。
少女地獄の
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