声の網 (角川文庫)
声の網を読んだ人はこんな本も読んでいます
声の網を追加
声の網の感想・レビュー(370)
星新一による連続短編小説。1970年に初版が刷られたにも関わらず、現在の情報化社会を予期していたかのように、克明にコンピューターに頼り、すがる私たちの姿が描かれている。googleの個人情報収集へのポリシー変更のニュースと、作中に描かれる情報銀行が重なり、寒心に堪えなかった。無から始まる空間や時間の概念を逆さに捉えた描写は流石と言ったところ。
秘密と情報がテーマ。独立したショートショートではなく全体で1つのお話。40年以上前に書かれたとは思えないほど現代社会の闇を突いていて、示唆に富んだ内容。星新一がまだ生きていたら、情報にあふれた現代を見てどんな話を書いただろうかとつい想像してしまった。
お電話の話。スタンダードにSFな感じでなかなか気持ち悪い。でも読後感は良かった。かわいい挿絵のおかげで全体に漂う薄気味悪さがちょっとましになってる気がする。イラストなしならまた少し違う印象だったかも。
コンピュータの声に支配されていく人間...相当昔に書かれている事に驚きます。星新一は短編のイメージが強いですが、これは連続短編になるのでしょうか?一つひとつがつながってて長編のようなボリュームです。久々にSFでゾゾーッとしましたヽ(´o`;
ナイス! ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ -
コメント(0)
- 11/21
同じ舞台設定の中に、12の物語がある。そして、一つ一つの物語は曖昧なまま終わりを迎える・・・。その曖昧さ、「声」の正体が分からないことがより一層怖さを引き立てていた。情報化の中で怖いことは「無知」であることだと知らされた作品。
(☆☆☆)12編からなる一つの話。ある日突然電話にて誰にも知られたくない秘密を暴かれ、行動を制限され少しずつコンピューターに支配されていく穏やかで平和な世界。理想のようで怖さもはらんでいる。それでもこんな時代に生きているからか少しうらやましい気もしてしまう・・。
私たちは永遠の安寧を神様に祈るけれど、その状態を客観的に見ると自由が限りなく制限された世界になってしまうのかな、と気づかされたように感じます。当事者は知らぬが仏、実際にそうなるのはちょっといやかも。
昔、まだコンピュータが流行り始めた時にこの小説を書いたとは!すごい!管理がちゃんとできているというのは、素晴らしいけど、ずっと頼りっぱなしではやっぱりいけないよ。自分の力で生きるから人間なんだと思う。
70年代にこれを書いた星新一はやっぱりすごい。完全な管理社会が忍び寄るストーリー展開も面白かったし、子供・支店長・大学生等々それぞれの立場の人が《声》をどう見るか、の対比も面白かった。あと各章冒頭で、毎月の気候・自然のうつりかわりを丁寧に描いていて、それがまた上手い。人間が構築した社会と対比をなすよう。やっぱり星新一はすごいなー。
いつもの鋭さはない。最初とまどった。しかし、星新一らしい「管理社会」の描き方。大仰さは皆無。しかし、確実に管理社会の怖さを描いている。ただ、携帯電話は予測していなかったのかな?という疑問を持った。小さいことだけど。
大部分の人は確かに管理されることを望んでいるだろうな。けれど実際に管理されるのはものすごく薄気味悪い。登場人物の暮らしぶりが現代の生活に近くて驚く。
いつものショートショートの鋭さがないのと、茫漠とした雰囲気がたるく、読むのに時間がかかってしまった。
連続短編によって描かれる、〈声〉の正体と登場人物らの不安が、読んでいて少しずつ、しかも漠然とした不安をこちらにも与えてきた。暗いオチだが、ショートショートとはまた違った怖さがあった。
表紙の絵柄が、いつものと異なっているのも印象的。
この小説を例えば、今から売り出したとしても、ちょっと古くさい題材だけど十分面白いと思える。これが昭和45年に出ているとは思えないです。凄いとしか言えないですね。難しい表現もなく、かといって稚拙でもなく、単純に面白いと思わせるんですから。
電話回線を用いて、コンピュータが人間を支配するさまを描いた連作短編集。星新一氏の先見の明や洞察力に驚きます。初出時には、空想の物語だったのでしょうが、今読むと、「あるかもしれない世界」です。
コンピュータが支配した社会におけるディストピア構築を描いた短編集。短編とはいっても1つ1つに繋がりがあり、全て合わせて作品全体の社会が見えてくる仕組み。誰も知らないはずの秘密をいきなり言い当てられる怖さや、徹底的な情報統制管理体制に、本当に書かれたのが昭和の時代なのか疑いたくなるような先見性がある。
電話のダイヤルを回すだけで、店の売り上げの計算から支払いまで済ませられ、体温や脳波をはかって病院に送信することもでき、そして自分の隠しておきたい秘密でさえ情報銀行に預けることができる時代。しかし非常に便利で快適な日常に、不穏な影が忍び寄る。いち早く異変に気づき、反抗を試みる者もいるが……。はりめぐらされた声の網は異分子を決して見逃さない。巧妙な罠がしかけられていくさまに、読みながら震えが走ったが、何よりもこれが40年前に書かれたということが一番怖い。人類の幸福のあり方についても考えさせられた。
インターネットがまだ普及してない時代に書かれたとは思えない。
リアル過ぎて私たちが行く末なのではないかと怖くなった。 ユビキタス社会が完成したら本当にこうなるのかも…。
小学生の時はまってたショートショートは将来こんな風になったら良いななんてわくわくしながら読んでいたのに
今では読みながら進歩した世界の問題点や環境の事ばかり考えている自分に驚いた。
大人になったと言うか汚れたと言うのか…(笑)
短編だけれど、同じメロンマンションに住む人々に起こるお話。コンピューターが人々を支配してるって、これからおこりうる、もしかしたら今おこっているかも…と思わせられました。
人間が積み重ねた情報が、意思を持ち、人間を支配する。ロボットやコンピュータの人工知能が人間に反抗をする、という話はよく目にするが、人間への攻撃が表面化しないというのは珍しいなと思った。現代の情報社会でも見えないところで大きな犯罪が行われていたりするので、何十年も前にこんな話を書いてしまう星新一は、やっぱりスゴい。
表面上は「コンピュータの支配」ものだけど、真のテーマは「完全なる支配と、それを受け入れる人々」という構図の空恐ろしさ。本書において、人が夢想する「神=完全なる支配者」はコンピュータという形で現実となったが、その原型は人の心の中にある願望。コンピュータはその願いを叶えたに過ぎない。怪物は人間の内側にいる。A
停電したときに人々がいろんな反応をする。同じものを所有している満たされた状態では没個性なのに、それを失ってはじめて個性が生まれるというような内容に、現代の問題点をするどく指摘していて、ハッとさせられた。情報に惑わされず、機械に振り回されずいきたいと改めて考えさせられた。
2012年に生きている人間の視点からすれば、このショート・ショートはむしろ陳腐な物語にしか思えない人もいるかも知れないが、「情報及びそれを操る装置自体に支配される人間と人間社会」というテーマが40年前に書かれていたという点は、驚愕と言う他ない。作者の想像力(むしろ敬意を込めて“妄想力”とでも言うべきか)には感嘆せざるを得ない。
星新一の長編読むのは初。無駄を削ぎ落としこんだショートショートとは違った趣きでまた良い。短編しか書けないわけじゃなかったんだなー(当たり前か)。内容に関しては「電話」を「インターネット」に置き換えるだけでそのまま見事に現状を説明してるんじゃないかと思えるぐらい先見性に満ちていて、物語自体がある種現代のメタファーとなっている。これが1970年代に書かれただなんて・・・凄すぎる。
スズメ@灯れ松明の火(文庫フリークさんに賛同)
星新一って『ボッコちゃん』なんかを書いた人ですよね。すごーく懐かしい~。長編があったなんて知りませんでした。さっそく予約します。
ナイス!
-
11/16 19:49
星新一って『ボッコちゃん』なんかを書いた人ですよね。すごーく懐かしい~。長編があったなんて知りませんでした。さっそく予約します。
ナイス!
-
11/16 19:49
この作品が作られた時代を思うと想像でしかなかったかもしれない。
生活の中にコンピュータが染み付いてしまった昨今、ありえなくないという末恐ろしさを感じる。
私たちを管理する電子頭脳が意志を持ちはじめたらどうなるかっていうテーマを早々に見抜いた星さんすごい。ショートショートでは窺えない風景描写も素敵です。
声の網の
%
感想・レビュー:80件

















































