不全世界の創造手(アーキテクト) (朝日ノベルズ)
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不全世界の創造手の感想・レビュー(178)
ものづくりSF。お金は何のために必要かというのを考えると、人々の生活を豊かにして安定させることにあるという結論に至る。ただそのふたつを直結させるのではなく「ものづくり」という中継点を支点に物語は進む。なにより子馬が可愛らしい! 愛嬌あるロボットの魅力がまたこの作品の魅力に繋がっている。
Uマシンが実際にあったなら・・・。東北地方の復興にも役立ちそうだなぁと思ったり。(まぁ、そんな簡単なものじゃないだろうけど。)将来性が見えるっていうのは人間関係においてはいいことがなさそう。ユーキとジスの不器用な恋愛の行方も気になるなぁ。
第六大陸以降、小川一水は天才になってしまったんじゃないだろうか。自己増殖機械を従えるエンジニアの少年と、その友人のプレイボーイ、成長性を見抜くことが出来る少女。三人が今よりモアベターな世界を創造する。 二十歳超えてもワクワクドキドキさせてくれるライトノベルに出会えるだなんて、私は幸せ者です。
技術的な挑戦という意味で、第六大陸を思い出した。フォン・ノイマン・マシンに感心しつつも、電子機器は自己複製できない部分とかは現実的だなと感じる。
物作りのSFと呼ぶんでしょうか。主人公の手から産み出された無機物が世界のバランスを支え、豊かな未来がそこに生まれていきます。短いながらまとまっていて、とても素敵な一冊になっています。
地方都市の寂れ行く様からスタートするが、すでにその時点で自分の周りの風景とダブってしまう。グローバル化の功罪や、デフレスパイラル下の物づくりの大変さがデフォルメされてはいるが表現され、生産性や効率化を優先するあまり創造性に欠ける物づくりに疑問を呈してくる。そしてフィクションの部分では投資の天才や強力な発明品を巡り世界をまたに駆けた物語が展開される。果たしてインフラ整備が格安でできれば余力を創造活動へ転化できるのか。中小企業の製造業のしがない従業員としては、身につまされる話がたくさん出てくるのだった。現実は
物作りSFとでもいうのかな。成長率が分る眼といううファンタジックな要素も違和感なく盛り込まれているのが良い。物語としては『第六大陸』を思い出した。
長編小説を読んだような一冊。個々のイベントの時制はつながっていないのだけれど、それが不自然なくつながっている。さすが、の一言ですね。
「ここには今より楽しい明日があります」という著者の言葉。読み終わってから見ると考えさせられます。ここまでストレートに、ある意味では出来すぎともとれる豊かな未来を提示するところが素敵に感じます。自分のSFの原点に立ち返ったような、そんな気がします。
物作りエンジニアSF。天才的な物作りの才能を持て余した少年と、少女投資家が出会ったことで、不完全世界を変える挑戦が始まる。自分で自分を複製するフォン・ノイマン・マシンを武器に、世界の生産性を支配する組織に敢然と立ち向かっていく姿には感動もの。効率の追求だけでなく、弱者をどう助けるべきかまでに言及している点も秀逸。閉塞感に包まれた現代日本への提案書のような作品である。
読み終えて、3年も放置しておいた事に大後悔・・・。仔馬とロバのところで、最後に仔馬だけ残るくだりなんかいいなぁ・・。数の暴力の使い方として一番好きかなぁ。ジレの能力も捨てがたいのだけど、ダイヤがいいキャラしてるなぁ・・うらやましぃ。
世界に対する挑戦状、その意志こそが新しい道筋を、未来を作り出せる!何よりも、後日談の少年少女のやりとりが一番好き、あぁ、これこそが真の勝利に、や、ちがうか、新しい未来に続く旅路なんだろうなって。 余談だけど、「救いが欲しくない時には声をかけないで欲しい」って態度、大事な気がする。だって、逆に至れり尽くせり与えてしまうと、何も成長しようと努力しようとしなくなるもん。ネパールで支援やってる方がそういってました。
自己増殖するロボットの設定が興味深い。いますぐにでも実現しそうにも思えてくる。「不全の世界とケンカする」などの主人公の青草さが、疎ましくもうらやましく思った。なんか読書後に年取った感を覚えてしまった。
小川一水さんの話は人物関係と描写がもうちょっとウェットだったらいいのにと思うときもある。でも、毎回テーマへの挑戦心は読んでてとてもわくわくします。
大変面白かった。必要最低限のキャラクタで最大のドラマを作る、どことなく90年代の良質アニメーションを見ている感じだった。ジスの能力や大夜のキャラクタで魅せておきながら、その裏に雇用や戦争などの政治的問題も組み込んでくる。そのテーマ性が大変ひきつけられた。「作りたい人が、作ることの出来る世界」は「今のままで十分だと思っている人間には、おすすめできない世界」。突き詰めれば、エピローグの為だけに書かれた物語だと思った。個人的には、漫画化して短期連載とかしたらそこそこ良い評価もらえるんじゃないだろうかと思う。
フォン・ノイマン・マシンというマニアックなテーマ+不思議美少女という、とても小川さんらしいSF小説。わかりやすく、読みやすく、爽やかな読後感。
「干渉」するということに対しての、今まで考えたこともないような視点だった。「今のままで十分だと思ってる人間には、おすすめできない世界」。現実的にはおすすめできない人の方が多い世の中、実現は難しいけど考えさせられた。
「この手がたくさんの物をアーキテクトする。その数は世界を変えるほどのものになる」ていうのは、エンジニアの端くれなら言われてみたい台詞ナンバーワン。しかし主人公よりもGAWP側がやってることのほうが道義的に正当性がありそうに思ってしまうのは、私が大人になってしまったからなのか? そうなの?
ヒロインの超能力がうらやましいような、羨ましくないような。科学の進歩は善い面ばかりではないけれど、それでもきっと世界の明日は今日より良くなる。そんな前向きな意志が感じられて爽やかな読後感でした。3人のその後ももう少し覗いてみたかったかな。
これこそSF!やっぱり小川一水さんは良いですね。ちょっとした飛躍とそこから論理的に編み出される物語。結末はとても現実的だけど理想的な世界。
小さいキャラクターがわらわら動く系(ゲームのレミングスとか)が好きな人に超オススメ。登場人物に「ウィキペ」と発言させるなんて小川先生!すばらしすぎます。(Wikipediaをウィキと略すな会会員より)
最近の作品の中では一番よかった。センス・オブ・ワンダーと楽観主義がこの人の本来の持ち味で、長編であるほど直球の方がいい。などと、えらそうに言ってみる。
すごいロボットを作って、対立する国際機関があって+ボーイミーツガールとある意味パターンともいえる話かもしれません。でもここにモノ作りから始まって、雇用、ベンチャーキャピタル、貧困と戦争と政治へと考えるべき問題が多く含まれていると思う
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感想・レビュー:62件














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