乱反射
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乱反射の感想・レビュー(519)
久しぶりに小説に必ず少しはある突っ込みどころ 全く感じず一気に読めた一冊。 ノンフィクションの記事を読んでる様な錯覚になるぐらいリアル。 犯人の特定できない主人公の辛さがにじみ出てる。個人的には病弱な大学生に最後もう少し救いがあって欲しかった。 それと新車を買わせた妹はちょっと性格悪いと思う。 映画化して欲しい一冊。
「一回だけ、一回だけだから…」その積み重ねで産まれた重大な罪がある。たとえ人の命を奪ってしまった事例でも、割る10にすればそれぞれの罪は軽くなる。だけでなく、それぞれに罪を押し付けることができる。ラストに近づくに連れ辛くなる。心が、被害者の心になったかのようだった。ただ、ラストの「あああああ」は鳥肌ものだった。物語の全てを揶揄していたような。(これはネタバレにならないか若干心配)申し訳ないが、わたしではなくてよかったと思う自分は薄汚い人間なんだなと改めて思った。
まるでドキュメンタリー番組みたい。こういう惨事は現実にもたくさんあるのだろう。人により意見が割れそうだけど、私には面白かった。子どもが無くなった事で被害者に見える夫婦も、どこかの誰かには加害者なのかもしれない。
何だろ、この読後感。勿論悲しいんだけどやるせなさというか空虚感というか。読み終わった後、自分のしてる些細なマナー違反を咎められているようで、今までの何気ない行動をする事が怖くなってくる。誰がそんな小さな事で人が死ぬと思うだろうか? 一人一人のしてる事は法律で罰する事何か勿論出来ない、みんなやってるような小さなマナー違反。それがとんでもない事故を引き起こしてしまう。タイトルの乱反射の意味そのままに、一人一人の行動が予期せぬ方向に転がり複雑に絡み合って大きな罪になってしまう。バタフライ エフェクトのように
ある街路樹をめぐり、そして夜間診療、自宅の車庫入れなどをめぐり、多くの人々の些細な我儘が乱反射し一人の幼児の事故死を呼ぶ。被害者の父親は新聞社勤めであった為に、それらの諸事情を知り得、追及するが、倒れた樹木の診断を行えなかった庭師以外、誰一人自分がその要因の一つであった事を認めない。空しい追及である。 これも現代日本に蔓延している『想像力の欠如』自己中心に馴染み、それをしたことで後にどんな事が起こるか?という想像力ができない結果、起きてしまった事故であろう。
個人的に同情するのは、車の車庫入れで苦労する若い女性。(家族の力関係で、彼女には動かせないような大きめの車を買うことになった・・・) 私もいまだに都会のせまい駐車場では、冷や汗かいてます。普段住んでいる田舎の駐車場とは、造りが違うように感じます。また、一番腹立たしく思ったのは、犬の落し物そのままにする年金生活者。腰悪くてかがめないような人が、犬を飼う資格ありません!
本のあらすじを読んで買ってみたけど、まさかこんな内容とは!不運だったで片づけられそうなもんだけど、それには色んな要因が重なっていた訳で・・・。造園会社の人だけを責めるのはやっぱり、納得いかないよね。私も気付かないところで、何かの犯罪を引き起こしてたりするのかなーとちょっと怖くなった小説だった。
☆4.5 始めの方から様々な話が繋がっていく匂いがするものの、いざそれらが深く絡み合う中盤以降には、ページをめくる手が止まらなくなった。本当に些細でちょっとした、悪とは言えない程のエゴが何重にも重なり反射することで、子供は亡くなった。母は憔悴しきり、父は真相を探る。しかし彼らもまた、己のちょっとした都合を押し通したことがある。それに気づいた父は慟哭する。彼らのそれと、子供の死に繋がったそれとに、本質的な違いなどはないからだ。現代社会への警鐘も含まれているであろう本書に、考えさせられた。
なんと読後感の悪い、ためいきが出てしまう小説だろうか。悪意すらない小市民達の行きがかり上のほんの些細な、でも少し独りよがり言動の積み重ねが、大事件を呼び起こしてしまう、その不条理さ。ほんのちょっと他人に優しくしてあげたり、保身よりも他人の為にほんの少し尽くしてあげれば、世の中はもっと住みやすくなるはずなのに、そんな心遣いの余裕すらなくしている現代社会への警鐘とも受け取れた。読んだ後の何とも言えない気持の悪さ、世の中への不信、諦めにみたいな感情の渦が、とまらない。気持ちが悪いというベクトルで、ある意味すぐれ
一番良かったのはタイトル。ズバリ言い表していて、しかも哀しいほどに美しい。そのセンスの良さ、お見事。 小さな悪の積み重ねが起こした事故ではあるが、強いて誰が悪いかと決めつけるなら、強風の日に幼児を連れて見舞いに行かざるを得ない状況(人間関係)を作ったあの姑だろう。
吉田修一の「悪人」のレビューに『悪意の連鎖が「乱反射」に似てる』というのがいくつかあり、興味が湧いて読んでみた。 「自分だけ良ければいい」と思ってついやってしまう、誰でも経験したことがあるような「小さなルール違反」 一つ一つのことはとても「ささいな」ことで「悪意」とも言えないほど。 でもそれが、一人の人間を死に至らしめたとしたら…。物語の展開のしかたも凄く巧くて惹きこまれ、結構長編なんだけど一気に読めました。
出てくるのはごく普通の人達。人殺しも極悪人もでてこない。ただ少しの自己欺瞞の不運な積み重ねが二歳の子供の死につながる話。犬のフンを始末しない男や、虚栄心から市民運動を始める主婦。職業意識の低いアルバイト医師。ひとつひとつは少しずつの不快感はあるものの、人間の弱さゆえの人らしさでもある。自分の中にもきっとあると思うから、なんとも言えない複雑な読後感だった。短いエピソードが子供の死に集約される構成はすごいと思った。
★★★★☆ 不運な事故って、実は全部こういうことが影に潜んでいるのかもしれない。確かに、ひとりひとりは罪の意識なんてないような些細なことしかしていないと思うし、やっぱり順位をつけるとしたら1番悪いのは潔癖性の人なんだよな、と思う。でも、なんか腑に落ちない。犬のフンを処理しないじいさんが1番頭にきてしまう。しかし、加山が自分も加害者のひとりだと気づいたあのシーンにはガーン!ときた。きっとこれがこの本の1番の読みどころなんだろうと感じた。最後のシーンもしみじみしていて良かった。素晴らしい展開と内容だった。
面白かったです!一気読みでした。構成も面白く、≪事故≫をゼロとし≪事故が起こる前≫と≪事故が起こってから≫を、ー44 ~ 37と話が進みます。キーワードは「些細な事の積み重ね」でしょうか…。誰でも一度は心当たりがあるような「ま、ちょっとだから…」って、ルール違反。ラストへの流れはさすが貫井さん!
「モラルの欠如」この言葉をよく使う世の中になりました。それを題材にしてミステリーに仕立ててる作品です。もちろん「モラルの欠如」は誰でも経験してはずの些細なことですが、それらがいくつも折り重なって重大な事故に発展するのです。パズルを組み立てるようなミステリーでした。
重くて辛くてなんとも言えない嫌な話なのに、スラスラと読めてしまいました。登場人物全員が悪役に思えてきちゃいますが、実際には悪意がないというところが一番怖いです。自分もこの悪役の中の一人なんだと読者全てが思わされちゃうという小説なので、覚悟がないまま読むとかなり凹むことは間違いありません。生き方が問われると言っても過言ではないほど、考えさせられる作品でした。
ナイス! ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ -
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- 08/08
一つ一つは些細なことで、普通ならちょっと迷惑、不運だったで済みそうなことが積み重なっての帰結。一人一人のエゴ、自分は悪くない的なことを聞いていると正直気分はよくないですね(苦笑)しかもそういう人達の積み重ねですから。 だけど不思議と読み進める手は止まらない、貫井さんらしい作品だったのではないでしょうか。
人間の不道徳でエゴな行動の積み重ねが幼児の命を奪う。この帰結は極端だと思うし、全ての事を命を奪った原因として結論づけるのはやっぱり強引だとは感じる。でも、作中の人物たちのちょっとした行動は思い当たる節が全く無いわけでもない。バツの悪さや腹立たしさを作中の誰から感じるかは読んだ人によって変わるだろうし、むしろ作中の全員を断罪することのできる聖人君子なんて現実に居るのだろうか。気分良く読める本とは到底言えない。でも、貫井さんの作品はこうでなくてはと思い、満足して本を閉じる事ができた。 8点/10
少しずつの積み重ねが引き寄せる事態と、その収束。 読む手が止まらない小説でした。 結局責められるべきは誰なのか、責めている自分自身はどうなのか。 さらには、「普段の自分はどうなの?」なんて余計なことまで思ってしまう始末。 決してさわやかな本ではないけどもおすすめできると思います
何気なくしている日常的な行動が取り返しのつかない事態に発展する…読んでいて怖くもあり、人間の理不尽さに心が痛みました。長い作品だったけど、いい作品でした。
ANAの機内誌AZURのミステリ特集での推薦を読んで借りました。いろんな人のちょっとしたわがままが、「風が吹けば」方式で乱反射して、最終的には幼い子どもの命を奪ってしまう。とても考えさせられる物語でした。子どもを亡くした加山が、「自分も加害者の一人だった」と自覚するシーンは鳥肌が立ちました。自分も気をつけよう、と思いました。 でも、犬のフンをほったらかしにするおじさんは本当に許せない! 奥田英朗「最悪」をちょっと思い出しました。貫井さん、上手いですねぇ。
悪とは言えないまでも道徳的に咎められる事をしている人がたくさんいる。この事件は確かに不運が重なってると思うし、加山夫妻の気持ちのぶつけられないもどかしさも、痛いほど伝わる。読みながら悔しくて、もどかしくてたまらなくなる。読み終えて、この本に出てくる人を非難してたけど、改めて考えると自分も思い当たるところがあって、はっとした。色々と学べなおせた。いい本に出会えた。
それぞれの人間のちょっとしたマナー違反や怠慢。それらがいったいどうやって繋がっていくのかと興味深く読み進めた。人間のエゴが炸裂して、嫌な気分になるが、それを強引に事故に結びつける加山の姿勢に尋常でないものを感じた。終わり方はとてもよかった。
前半はただひたすら苛々した。悪い意味ではなくて。この苛々がどう作用してくるのか判明するのが後半。小さなモラル違反が大きな不幸を招く。ただそれぞれは関係があってないようなもの。でも被害者からすれば納得出来ない。これは読んでて辛かった。個人的に一番腹立つのは麗美。こういう奴が一番嫌い。
ミステリーではなく、犯人探しでもない。日常のささいな軽犯罪とよべるのかどうかも、微妙なちょっとした悪いことが引き起こす悲劇・・・・。モラルや善悪の価値観を考えさせられた。
無自覚に誰かを不幸にしているかもしれない恐怖。でもそもそも無責任な行動だけが不幸を招くわけでもないし難しいし、心配しすぎて身動き取れなくなりそう。それでもこれからは出来る限り品行方正にして、将来誰かに責任を追及されることがないよう努力しよう。。。と考える私は厭なやつかもしれないなっ。身勝手な行動で誰かを幸せした話があったら読みたい。後味悪すぎたからバランス取りたい。
一つひとつの行動が無関係ではなく、悪意だけが犯罪を生むわけではなく。この「乱反射」を読んでから、自分の何気ない行動を気にするようになった。
子どもを喪うって、本当に大変なことなんだと思った。やったことは些細なことでも醜く加山を罵る人たちに、心が冷えた…。自分の些細な行動が誰かに大きな影響を与えることがあるのかもしれないと思うと、本当に怖い。
小さな罪(何をもって小さいと区別するのだろう)が重なりまくり、正直、こんな事で人が死ぬなんて・・・、そして、殺人者扱いになるなんて・・・と思わずにはいられない。ちょっとだけだから・・・自分一人くらい・・・という気持ちがダメなんですよね。
★★★★ 8 一体誰が悪いのか……。読んでいる最中はその思いが渦巻き、もしかしたら自分も彼らと同じ立場に立ってしまうかもしれないと感じた。実際の事件でも責任の所在は取り沙汰にされていて、誰もが悪くないと主張するあたりリアルな話である。そして最後の加山の叫びは物悲しい。
面白かった―。 ひとつの焦点に いろいろな方向から一気に集まってくる感じ。 「きた、きた~」って思いながら読んだ。 自分ひとりだったら。。。という勝手な思いでルールを犯すと 巡り巡って 自分に返ってくるんだなーって。身につまされました。
自分の権利だけを主張する人々の勝手によって失われた命。冒頭で明らかにされてしまうために話のオチどころは最初から分かっていて俯瞰で読むことになる。小さな身勝手と、それを批判する声を上げることの難しさ。まっとうに生きることの難しさを突きつけられて息苦しくなった。ちょーっとだけ冗長な印象は受けるけれど凝ったブロットはやはりおもしろい。
ナイス! ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ -
コメント(2)
- 12/17
息子が死んだ原因は不運である。が、その子の親はそんなもので済む訳もなく、また息子が生き返る訳でもない。ただ、原因を突き詰めていくと幾重にも重なった人の身勝手が絡み合いまたそれを突き詰めても何も解決しない。どうしようもない行き場のない気持ちだけが残る。最後近く自分もまた、その一人と気づいた父の受け入れがたい衝動は正に行き場がない。結局は自分で子どもの死を受け入れていくしかないのだが、読後、子どもの死を扱うのは如何なものかといまさらに感じた。
乱反射の
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