悪人
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悪人の感想・レビュー(1917)
人を殺してしまった祐一と,彼と愛し合った光代,人殺しとなった祐一の家族の話.内容が深い.人を殺した祐一が悪人には思えない.このタイトルの悪人とは誰のことなんだろう?やはり祐一?吉田修一の作品は,内容はすっと入ってくるが登場人物の感情はわかったようでわからない気がする.そこがまた良い.
地方の閉塞感や、若者の傲慢さ浅はかさの赤裸々な描写の後での「大切な人がいない人が多すぎる」には、ついうなずいてしまう。つなぎ止める力が弱いってことかしら。だから、一人の男との出会いで人生が変わると幻想を描き、現実に引き戻す細い糸を簡単に断ち切って逃避行へ。祐一の、母親とのやりとりがピンとこなかった。欲しくもないお金をせびり続けて母親を被害者?にする?と、母親の人生は良くなるの?…だからラストもピンとこなかった。最後の光代のセリフ「ですよね?ですよね?ですよね?」に、ゾっとした。
胸の奥をかきむしられたような感覚。殺人は悪だけれど、何が悪で何が善なのか考えさせられた。人間の自分勝手さを知り、そして大切な人を思う気持ちを感じた。
祐一はなんて不器用なんだろう。犯罪者なのに、悪人とは思えなかった。被害者が見栄っ張りで尻軽で…って、あまりにも悪く描かれてるせいで祐一に同情してしまったのかも。
初めてこの方の作品を読みました。暗い内容ですが 心を揺さぶられました。今まで読んだ小説のなかでも突出して素晴らしいものだと思いました。悪人と善人は表裏一体。罪とは?優しさとは?なんだろうと 泣きながら読みました。 ほんとに良い作品でした。
閉塞感や憤り感がうまく書かれていて、良かったが 後半の終わり方がいまいち!後半にもっとドラマが欲しかった。
悪いわけではないけれども、後味が悪い。そういう意味では人間の汚い部分とか現実的な部分をうまく書いているのかもしれないけれど・・・何の救いようもない展開で面白みを感じられなかった。「横道世之助」が好きだっただけにちょっと残念。本でこれだったら映画はもっと見る気がしないなぁ。
視点を変えながら物語が進んで行くため、各々の想いが交錯してゆく様を味わえました。完全に悪役の増尾視点でも、話を見て見たかった気がします。切ないエンディングでした。
登場人物のそれぞれが思うままに、自分のために行ってきた行動、言動が繋がるはずのない人々の運命を狂わせていく話。ぞわっとくるような生々しさで、人間の内面が書き込まれている。三人称きの客観視点で淡々と進んでくと思えば、時折入るそれぞれの人物の主観的な独白で一気に読ませ方、感じさせ方を変えにくる書き方に、散々翻弄された。誰が悪人か、そもそも悪ってなんぞやという問いは最初から最後までついて回ってたはずなのに、最後の祐一と光代の独白で、それまで読んで、感じてきたことが全部ひっくり返された。善悪って案外簡単にひっくり
以前から読みたかったものの、ポスターやCMで映画版主役ふたりのイメージが刷り込まれちゃったため、しばらく寝かせといた一冊。満嶋ひかりの桂乃とか樹木希林のばーちゃんとか、脇のキャスティングもよさげなので、週末DVD借りてこようっと。
『善人が運命に翻弄されて悪人になる』といったありきたりな設定ではなく、新聞に連載されていただけあって、地域格差や高齢化、偏見や誤解、人間不信や詐欺、誰もが抱える孤独感などが上手く描写されている。時折、胸を打つ台詞が出てくるが、それも結局は殺伐とした社会では綺麗事として消えていくかもしれない。私は、一喜一憂する人間でありたい。悪人が悪人になる世の中になるまで、スパナを握りしめる人間でいたい。
度々視点が変わって、登場人物の心情が分かりやすかった!映画はまだ見てないけど読みながら映画のキャストが想像できた。
祐一さんの最後の行動は…やさしさなのかな…
せめて光代さんにそのやさしさをわかって欲しかったな。
次、映画見ます!!
映画を見て読みたくなった。深津絵里(←好きなので)の演じた光代を思い描きながら読んで、祐一の最後の行動にも納得。だけど、小説としては好みじゃないかも。
映画を見て、読みたくなかった。確かにキャスティングはよかった。ただ映画では原作の表面をなぞっただけで、周りの人物のドロドロしたものが描ききれていなかったんだよね。原作はさらっとした文章でとても読みやすく、ページをめくる手をとめられないくらいのドキドキ感。それなのに色々と考えさせられることがたくさんあった。
映画をみて、もっと深入りしたくなって読んだ。同僚との関係や双子の姉妹であったこと、バスジャックのバスに乗るはずだったことなど、映画では割愛されてる部分が多く、読んで良かった~という感じ。九州人なので出てくる地名や風景がとてもよくわかり、かなり入り込んで一気読み。最後、祐一の行動がすべて光代への愛によるものだと光代に伝わっていたのかどうかが気になるところ・・・。不器用すぎて悲しいです。
再読。一回目に読んだときより大分評価が下がった。本筋のストーリーが陳腐すぎ。各登場人物の光と闇が多重層的に響きあい、ラストでは光代の台詞が胸のうちにエコーしまくって、「悪人とは誰なんだ・・・」という重苦しい読後感を残す、そんな印象だったけど全然違う。祐一は実は善人でしたというすごく単純な話。あと煽り方が安っぽすぎる。でも一回目に読んだときは面白かったという事はエンタメ要素が強くて、内容にそんなに深いものはないという事なのかも。
「パレード」は良かったのだが吉田修一ってこんな文体だったっけ?新聞連載小説ということで終盤まで核心に触れない部分や逃避行を続ける構成は仕方ないとしても…ラブホテルや出会い系などの使い方がチープに感じた。心情描写をそぎ落としているのはわざとなんだろうけど「悪人」の意味とは?と提起するだけにとどまっていて説得力に欠ける。やはり男性作家ではここくらいが限界か。同じような小説なら「八日目の蝉」とどうしても比較してしまった。
感受性が鈍くなったせいか、あまり響かなかった。文章もそんなにうまいと思わない。なんとなく粘着質なところが肌にあわない。推理小説としてよんだのが間違い?
師走に起きた福岡県と佐賀県の間にある三瀬峠での殺人事件の関係者の立場や生い立ち、事件後の逃避行などを描いた作品です。祐一の生きていく辛さも身に染みましたが、物語の中で最も感情移入したのは佳乃の父「佳男」でした。一人娘をあのような形で失って…やるせないですね。嘘やハッタリで自分を縛りつけ人生を破綻していく姿が他人ごとではないうような。警察絡みの小説を最近読んでいたので、事件発生後約一カ月も犯人が捕まらない部分が不自然に思えたけど。吉田氏の作品は分かりやすく読みやすいですね。
殺害された女性には、あまり同情できんかった!大学生のバカ男、三瀬峠で蹴り降ろすって・・おいおい!お前のが人でなしっぽい!! 犯人と共に逃げ回っていた洋服店員、金髪くんの本心が伝わっていてほしいにゃ~。金髪くん,母親に欲しくもない金をせびってた~のくだりココのことなんだけど・・ね・・
金髪・出会い系・派手な車・・・で、殺人なんていうと、ありがちな感じがしてしまうけど、実は全然違って、表現の下手な人間味のあるあったかい祐一だけど、つい外見で判断してしまいがちでなかなか彼の味には気付けないよな。すべては特別ではなく、自分にもいつでもありそうな状況で読み終わってなんとも悲しかった。
映画が良かったので読んでみました。登場人物たちの生い立ちなど、映画には描かれなかった部分もあり、読み応えがありました。特に第一章に出てくる佳乃とその女友達との関係が妙にリアルで、男性の著者なのにすごいなぁと思いながら読みました。最後の祐一と光代の独白は切ないです・・・。
大切な人から傷つけられたり苦しめられるのはつらい。だけど、大切な人がそのことに気付き自分自身を責め苦しむ姿を見るのはもっとつらい。大切な人が傷つき苦しむくらいなら、自分が加害者になってでも大切な人を被害者にして守る。 被害者は「私は傷つけられて、苦しんだ」と自分のしたことも含めて忘れてしまえるから。光代は祐一が渇望していた愛を与えてくれた人。
映画を見てずっと原作を読みたかった。とても悲しい話だと思う。他人から見れば誰だって「悪人」に見える部分があるのだろうか…。後味は良くない小説だけれど、最後の祐一の行動は「愛」からくるものであってほしいなぁ。
テレビで流れていた映画を観て、もっと詳しく主人公たちの心情を知りたいと思って、読んでみた。私には残酷なほど切なくて苦しい恋愛小説にも思えた。映画と原作の設定はほとんど変更がなく、本ではさまざまな人が祐一(妻夫木)について、光代(深津)について語っているところがあるので、主人公たちがどのような人間であったのか、より詳しく知ることができる。好き嫌いの別れる作品だと思うので、映画で興味を持てた人にはおすすめな作品である。
地上波の映画をみた会社の上司・先輩方の間で、「妻夫木君の最後の行動の理由がわからん!」と論争になり、ならばと映画を見ていない私が原作を読みました。なるほど・・・。なんて切ない。後半にいくにつれ、ぐいぐい惹きつけられ、一気に読んでしまいました。他人を傷つけることに躊躇しない男が罪から免れ、自分を傷つけてでも相手の心を守ろうとした男が罪に落ちた。悪人は罪を犯した者か、罪を罪とも思わない者か。はたまた、被害者もまた悪人でないといえるのか・・・。 今度、会社で熱弁をふるおうと思います。
最近テレビ放送があったようで、面白かったと聞いたので、読んでみました。 吉田さんの作品はあまり合わない様で読まない方だけど、映画化されただけあって、良かったです。 自分の気持ちを上手く表現できない祐一。 読んで可愛そうで、悲しくなります。
些細な美貌を切り売りする蓮っ葉女、それを嫉みつつ蔑む女、空想に生きる女、肉体を切り売りしながら純情可憐を装う女、希望なく男に執着する女、それを見て優越感をもつ同じ姿形の女。他人と上手く関われない男、道徳を知らぬ金持ちの坊、復讐しようとする男。他人を人とも思わぬ人々。さて悪人は誰?
悪人は本当に悪い人か、ルールに辛うじて逸脱しない人は善い人か。彼らはみな悪人のように思えました。虚無感とか絶望感が心に染みいってくる感じがして、読後やるせない思いに茫然とし、しばらくは途方に暮れたように取り留めもなく物語を振り返っていました。
図書館で借りて一気読み。予想してたより面白かった!人間には色んな側面があって、自分でも知らないような一面が潜んでいたり、驚くような感情を持ってたり。生きていくって複雑でやりきれないことが多いけど、誰かのことを強く思えることが、生きてる実感なんじゃないかな、と。祐一と光代しかり。佳乃の両親しかり。
図書館で何ヶ月も待ってやっと読んだ本。けれども、何でこの小説がこれだけ評価されるのか全くわかりません。ひたすら不快感を持ちながら読みました。みんな「悪人」というよりは愚者。佳乃はひとり捻じ曲がって邪悪だなと感じましたが・・・今の世の中よくある設定かもしれないけど、似たような境遇の人がみなこうなるわけではないし。佳乃の両親と房枝だけが唯一救いだったように思います。
悪人の
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