反貧困―「すべり台社会」からの脱出 (岩波新書)
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反貧困―「すべり台社会」からの脱出 岩波新書巻を追加
反貧困―「すべり台社会」からの脱出 岩波新書巻の感想・レビュー(415)
事実・現状認識は至極真っ当な(裏返すとあまり新味はない)記述がなされ、さすが現場をよく見ている著者だと感服する。また、アマルティア・センの上手い引用や、「すべり台社会」「五つの排除」「溜め」など比喩やまとめも秀逸で、著者の知性を垣間見させる書籍である。その中でも「自己責任論の濫用を防ぐ条件として…事実として自己責任論が成り立つための前提を欠いている…だけでは足りない。それが多くの人に知られて初めて、自己責任論の濫用を防ぐ社会的な力となる。」とある。このフレーズを紡ぎだした著者に最大限の賛辞を贈りたい。
読む限りでは正論。行政の施策がちぐはぐなものだったことも責められるべき。しっかし生活保護では本来払われるべき人たちの15~20%の人たちにしか給付できてないというのが本当なら…ただでさえ財政やばいのにこれ全員に払ったらやべえだろとも思う。でも「人間が人間らしく再生産される社会を目指す」なら「財源論などと言ったことは、すぐに誰も言い出せなくなる」ってのが著者さんの立場だからなぁ。無いもんは払えないだろと思うんだけど。
最早、日本の貧困とは知らぬふりを出来ぬ状況まで来ているというのを実感させられました。私たちはあまりにも貧困に無関心であり、それを自己責任だと思い込んでいる。勝ち組や負け組という概念も、こうした日本の現状を表しているのかもしれない。いわゆる勝ち組になる機会さえ奪われている人たちがいることを私たちは同じ国に住んでいる以上、知るべきだと思います。大学の授業で紹介されて手にとりましたが、多くの人に読んで欲しい本だと思います。新聞やTVだけでは知ることのできない日本の今を知ることは、価値観に変化をもたらすでしょう。
セーフティーネットを外れた人を自己責任呼ばわりする、そういうシステムを作っている国家と財界の恐ろしさ・・・。現代日本で生きる人たちの共通の問題にしていきたい。セーフティーネットがきちんと整備された国になれば、みんなもっと日本を好きになり、文化や経済も振るうだろうに。
評判通りの良書。一般的な目線がどれだけ不適当なものか(あくまで湯浅誠にとっては、という留保はある程度必要かも知れないが)をまざまざと考えさせられる。この中で書かれていることは確かに見えないし、見えづらく、そのことがより問題を複雑化し、視点をゆがませているのだろう。
☆×5.0…こんなにページを繰るたびに重みがずっしり来る本は初めてです。実は私の知人、今は亡き派遣会社で働いていました。あまりにばかばかしくてもうやるまいといっていましたよ、その描写もまさにこの人の書いているとおりです。貧困云々は自己責任、と言う言葉ではいえないと思います。本の事例では環境を見ても怠けている人なんかいません。それなのに役所はまともに取り扱わない。本当に弱者を追い討ちにかける光景には怒りを覚えました。いつそうなるか分からない時代、これは人事ではないです。
今を生きていて、日本語が読める人なら、必読書。また、このレベルの本を最低読もうと思い、理解できるようにするのが国語教育の最低目標だろう、と思った。
「自己責任」というのは外因が等しいときに始めて使える言葉なんだなと感じた。再教育の機会、就労(転職含む)の機会など、今でもあるにはあるが、正直うまく機能していないと思う。でもだからといって貧困層のすべての人に生活保護を適用するのは財政的に不可能。一度保護を受けてしまうと、何もしなくても一定の額を受け取れるということに慣れてしまって、働く気力がなくなる可能性もある。病気等でどうにもならないような場合は別として、被保護者の職業訓練受講等を義務にして、社会復帰できるようにすればいいと思う。
読んでおいたほうがよいと言われて手に取った本.手放しに「自分が住んでいる日本は良い国だ」なんて言えなくなりました.こうした貧困の事実を踏まえ,本当にこの国のことを思うなら,自分には何ができるのかを考えさせられました.
五重の排除。 1.教育課程からの排除 2.企業福祉からの排除 3.家族福祉からの排除 4.公的福祉からの排除 5.自分自身からの排除 なんとかはいあがろう 排除せずに。
人間的成熟に向かわせる良本。序盤でデータといくつかの例を引き、貧困を守るはずのセーフティネットが機能不全に陥っていることを示す。中盤では、自己責任論を強者の論理かつ過去へ視点を向ける無解決なものと批判し、”溜め”(余裕と読み替えてよいだろう)を持てないことが貧困層を物質的にも精神的にも苛んでいることを明かす。終盤は筆者や他のグループが実際に貧困社会を変えるべく活動している内容を紹介し、読者の意識の変容を迫る。こういう本を多くの方に読んでもらい、問題意識をもった市民が増えてほしい(自戒も込めて)と思った。
★★★★☆ 「岩盤を穿つ」を読んでいたので内容は大体知っていた事が多かった。貧困問題に対して声を上げると同時に対策も提案しているのが良い。それは"溜め"を確保するという事。なるほどです。
掲載データは説得力があり知らない日本の側面を垣間見た気がする。きちんと大学まで出してもらった両親に改めて感謝したくなった。
前半部分を読み終えてからしばらく読めていなかったけれど、ようやく読了。「底辺に向かう競争」でいいわけがない。いいわけがないんだ。だからこそ、「反貧困」の点と点が線になってさらには網になっていけるような、行政や企業任せではない、つながりの可能性を追い続けなきゃならない。のかな。
本の感想としては、文章全体の論理はは納得がいくものである。自己責任だけでは何も解決しないということですね。現状、何かのきっかけで中位層から下位層に零れ落ちる可能性があると思う。そのときに落ちないためには「溜め」という形のセーフティネットがあるかどうかだろうと思う。誰しも滑り台のように転落する可能性があるという意味で、社会に不安を持っている人が多いのではないだろうか。http://blog.goo.ne.jp/itchy1976/e/f15116653e7c99929ec5203b8e1370d4
貧困は「ある」か「ない」かどちらか、再発見されるべき。無責任に「自己責任」といって責めるのはよくない。著者が携わってきた具体的事例に基づかれて書かれてるので読みやすい。
貧困はみえない。この本を読んで貧困に触れ、少しは貧困が見えるようになったのではないかと思う。社会や制度を変えることでしか貧困を救えないのは残念で悲観的にならざるを得ないが、私たちが貧困問題を知ること、それだけでも社会は良い方向に向かうのではないだろうか。具体的な活動はできなくても、現状を知り、広めることでゆっくりではあるが未来は開けるように思う。
貧困者を救うのは貧困者ではない。しかし、貧困者の立場を真に理解できる者でなければならない。その点で、湯浅誠の言動は注目すべきものがある。
2008年初版。出張中に読む。デザインが変わった赤版の1冊目である。溜めの有無が人の人生を大きく左右することを指摘している。これからも溜めを大きくし、人の溜めにもなりたいと感じた。僕の周りを見ても労働条件はだんだん悪化しているような気がする。
長い間積読だった。「ナショナルミニマム」という概念をみんなが理解すべきだと改めてすごく思った。 援助の仕方にもいろいろあって、湯浅さん自身もいろいろな活動をしていることが分かった。良い本だ。主張も分かりやすい。バイブルだね。
浪人時代によもうと思ってて2年越しぐらいの宿題だった.データの提示分析が説得力をもたせている.その部分は一度読んだだけでは駄目で,真面目に整理しようと思う.全労働者の1/3が非正規労働者というのは個人的に結構ショッキングだった.社会の問題にしてしまわなければならないと考えた.ナショナル・ミニマムってちゃんと決まってるんだ,とか,ある補助基準が一つ下がると,関連して他の基準も下に標準化してしまうんだ,とか,何も知らない僕には得るところ多かった.
貧困は見えにくい。そして見えにくいが故に、個々人の潜在能力(”溜め”・条件)の欠如を無視した間違った自己責任論で片付けられがちだ。また貧困は社会や政治への問いかけであり、さまざまな問題と絡み合い、悪循環をうみだして社会全体の地盤沈下へとつながっている。/社会全体の問題として貧困問題に関心を持ってもらいたいという思いが伝わる。
『貧困大国アメリカ』を読んで、日本には国民皆保険や生活保護制度というセーフティネットがあるから安心だ、ああ良かったと思っていたら、ネットにはすごく大きい穴が空いていた。一度足を滑らせたら二度と(多くの場合その子供も)這いあがれない社会は間違っている。貧困問題の身近さ・怖さを実感できる本。
貧困問題は外国の話ではなく、現に日本で起きているのだと教えられました。また、国の貧困問題に取り組む姿勢の低さを知りました。特に印象深かったのは、役所の生活保護希望者に対する水際作戦です。この本を読んで貧困問題に対する意識がぐっと高まりました。
貧困は自己責任ではない。この言葉に救われる人はたくさんいると思います。自分たちのときはもっと苦しかった。そう言うのは簡単です。でも高度経済成長時代と比べて今は未来に希望が持てません。ここが根本的に違うところと思います。みんながしっかりとこの現実に向き合うべきであると思います。
貧困は社会の責任。関心は尊重につながり、見えないことは無視につながる。貧困は可視化しないといけない。五重の排除が印象的。
反貧困―「すべり台社会」からの脱出 岩波新書巻の
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