ルポ 貧困大国アメリカ (岩波新書)
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ルポ 貧困大国アメリカ 岩波新書巻を追加
ルポ 貧困大国アメリカ 岩波新書巻の感想・レビュー(963)
読みながら何度も何度も戦慄が走った。恐ろしいことだ。私の父は60歳のとき癌を発症し、その後あれよあれよという間に肝臓を悪くし、その後72歳で亡くなるまで透析を受け続けた。透析にかかる費用は月額80万。無料。そして母は去年、突発性大動脈剥離の手術をした。手術だけでも170万。しかし高齢者医療費のおかげで1カ月の入院をしたにも拘わらず、たったの6万。アメリカは福祉・教育すべてを民営化し営利を追究するようになった。アメリカなら父も母もこんなに長生きはできなかっただろう。日本はこれ以上アメリカに倣ってほしくない。
アメリカに対する見方が変わった気がする。アメリカが推し進めてきた新自由主義の立場からの政策により、社会保障削減などの影響で格差が拡大した貧困層にスポットを当てて書かれた本。安易な民営化により、決して手を出してはいけない医療や生活、教育が市場に引きずりこまれている現状がよく分かった。
'08年1月刊。「兵隊として戦争に行くか、囚人となって奴隷労働に従事するか」のどちらかしか選べないような状況に(中間層を含めた)国民の大半を追い込むための「巨大な社会システム作り(囲い込み)」が加速したのが9.11以後のアメリカの実態だったと思う。そう考えると9.11はそれを奇貨とするための陰謀だったのではないか。ブッシュの忠犬・小泉政権が当時盛んに唱えた「聖域なき構造改革」の真の目的もそう考えるとよく分かる。戦後、盲目的な対米追従を続けてきた日本の未来をストレートに暗示するかのような現実が本書にはある。
今まで漠然と自由市場主義(小泉・竹中路線)に賛成していたけど、最近その危険性を感じていた。そこで出会ったこの本は、アメリカ型経済の過ちを見事に指摘していた。貧困が貧困を生む経済。貧困層から更に搾取を行う財閥。まさに現代の奴隷制を垣間見た気がした。日本がTPPに参加すると、ここに組み込まれてしまうのではと考えると恐ろしい。
『報道が教えてくれないアメリカ弱者革命』と『ルポ 貧困大国アメリカ II』をつなぐ為に再読。事実上の徴兵制や戦争の民営化など、前作と被る部分もあるが、数字、図表などを使い非常に分りやすい。但、等身大の作者が登場する前作と比べれば、熱さはそれ程でもない。貧困が生み出す肥満やアメリカの医療実態は興味深くも恐ろしい。内容に虚偽はないと思うが、ある一面を拡大詳述している為、これを以て日本に生れて良かったなど短絡しない方が良い。筆者は民主党寄りと思っていたが次はオバマ大統領が登場するようだ。どう料理するか興味津津。
ナイス! ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ -
コメント(0)
- 01/16
2008年発行。貧困であるが故にジャンクフードばかりで肥満になる、医療費が高額→貧困層に転落する中間層、貧困から抜け出すための入隊後も同じ状況、多重債務者を狙った貧困ビジネスなど……。挙げられいるのが極端な例かもしれないけど、アメリカの見方が変わった。日本の国民皆保険制度はいいほうなのかな。
発行された当時読みましたが医療制度などいくつか気になる話があったので再読しました。日本に生まれて国民皆保険なんて当たり前のように考えていましたがもしそれがなかったら?…と考えると恐ろしいですね。私たちが暮らしていく社会はどうあるべきなのか考える際に一石投じてくれるような本だと思います。あと、イラクに派遣されるドライバーの話は本当こえー…
大学時代に国際福祉の授業で読んだ本だが、再度読み直した。貧困について学びたい人はおすすめだと思う。高額な報酬であると謳い、貧困層をターゲットに軍事派遣を行なっているのは衝撃的だった。
なるほどイラク戦争は貧困者が支えビジネスとして大企業が利益を上げていたんだ。アメリカのオキュパイ運動の背景がこの書で理解できた。日本はこの国の真似をしてはいけない。もっと早く読めば良かった。
ここで語られている問題は単に米国だけにとどまらず、日本や韓国・中国、欧州諸国にも内在する問題なのであろう。それほど新自由主義の影響力は現代社会に広がってしまった。今まで「自己責任」という言葉で個人の甘えを糾弾してきたが、誰もがいつでも最下層のクラスまで落ちこぼれる危険と隣り合わせにいることを自覚すれば、考えの甘さ、自己本位さを反省させられる。それでは、自分にいったい何ができるのか?・・・・・
一冊の本だけで判断するのは軽率だが、しかし良い勉強になったと思う。日本も他人事ではない。TPP参加云々とか、朝鮮系や中国系の移民などの問題、またさらに最後に語られた報道のことに関して。あと、迂闊に民営化。民営化ということもか。
行き過ぎた民営化と市場化は格差を生む。いわゆる貧困層とされる人々だけでなく中間層に属する人々も打撃を被るアメリカ社会は、一部の大資本家が得する仕組みとなっている。教育や医療は保障されるべきだ。本書ではそういった現実と不安が語られる。決してアメリカ国内だけの問題ではない。我が国の社会保障を見つめ直すきっかけにもなる一冊。
以前読んだ「社会の真実のみつけ方」の堤未果さんの著書(本書の方が出版は先)。アメリカの貧困層の児童が肥満になりがちな現象をはじめとして、「教育」「いのち」「暮らし」という国家が責任を負うべき業務を民営化したために格差が拡大していくアメリカの現状を、多くのインタビューを交えながら淡々と伝えている。特に一度の病気で入院代が支払えず貧困に陥る医療問題は、日本の国民皆保険のありがたみを今更ながら知った。日本がアメリカの後追いをして行っているようで怖いが、どこかで踏みとどまらせないと。その為には若者が政治に関心を…
日本はアメリカを単純に追いかけるだけじゃいけないし、アメリカの現状をもっと知らなければならないと思った。民営化によって、歳出を切り捨てる安易な「小さな政府」を目指すのではいけない。
淡々と書かれていますが、戦争の民主化についての記述はとても深く印象に残りました。弱者にはそもそも選択肢が与えられていなくて、苦しい道しか歩めないという状況なんですね。経済の格差とか、「自己責任」の恐ろしい部分に触れた感じです。
本書を通じて彼女が主張しているのは、「いのち」「暮らし」「教育」という、本来国民が手にすべき当然の権利については、市場の原理に任せてはならないということに尽きると思います。「アメリカの二の舞となってはならない」という警鐘を我が国に対して鳴らしたという点において、本書の果たした役割は偉大でした。わが国も、今ならまだ引き返すことができるはずです。
先に漫画版を読んでしまったのでこちらは流し読み。資本主義や民営化そのものを否定する気はないけれども、教育や医療にまで市場原理を導入するのはさすがにやりすぎでしょう……。
自分から積極的に知らなければいけない。無知ほど恐ろしいものはないと感じた。日本も同じ道を辿っているような感覚になるのはなぜだろう。それもそう遠くない未来に訪れる気がする。スカイツリー完成の時期かな?大きな力に抵抗する術はあるのか?自分と家族とせめて自分の故郷が生きていくために勉強しなければと改めて思った。
あっという間に読んでしまった。映画なんかから漠然と持つアメリカのイメージを覆された。貧困層の肥満、民営化の弊害、将来のために兵士となる学生…。 アメリカの裕福さは、北欧のような社会保障による豊かさとは異なる、危ういものだということがよくわかった。日本も同じ道を歩もうとしていないかと考えてしまう。学び、働くことに裁量がある今をとてもありがたく思う。
自由の国は富裕層にとっての自由だったという怖い本。なぜアメリカが戦争をするのかといえば、『貧困層を救うための手段だったから』というあたりもすごく怖い。この本を知ってしまうと日本のフィクション作品のディストピアが生ぬるく思えてしまう。しかし日本の行く末であるかのような気もして、遠い世界のこととは思えない。
米国の若者がこんなに暗い未来を背負っているとは…。イラク戦争を支えるブラック企業(社名どおり)の存在、格差が広がるほど儲かるシステムに絶句しました。何ですかこの国は?生活や未来を質に、貧困層を戦場に行かせる構造に関わった人間は、上から下まで全員苦しんで死ぬべきです。
新自由主義になったアメリカは、減税、規制緩和、民営化を軸とし、小さな政府を目指した。しかし、それによって所得格差が増大し中流層が消えてしまった。保険制度も民間に任せることで深刻な医療格差が起こっている。利益追求のための医療過誤も多発している。そして、私が驚いたのは貧困児童ほど予算が少なくてカロリーの高いものを食べるしかなく肥満児になってしまうということである。
アメリカ資本主義のディストピア小説として読んだ。本書には「あまりにも一面的な内容だ」と批判もあるだろうが、社会の理不尽な一面として切り取ることによって、ただ遠くにある現実というよりも、自分の未来にはリアリティあるものとして読める。ディストピアsf小説の読み方でしょうか。最高度な経済活動は、人間の生活、幸福、利益とは一致しないのであり、新自由主義の自由競争から、人間の生命、生活のような領域を守らなければならない。
ここに書かれている状況は今の日本そのものです。「ハリケーン・カトリーナの被害は人災である」の下りは3.11大地震の状況そのままです。人命より効率を優先」した結果どういう悲劇がおこったか。福島の悲劇のひな形がここにあります。教育と医療の崩壊。中流が崩壊し貧困と富裕層に分裂しているさま。アメリカ的グローバリズムについては様々な議論がありますが本家のアメリカではどうなったのか?という現実を正面から伝えるレポートには驚愕するばかり。特に「低価格商品は豊かさではなく下流喰いに過ぎない」という下りが印象的です。
一時は世界の覇権を握り、アメリカンドリームを標榜したアメリカ。しかし、現代ではその実態は徹底した新自由主義政策によって意図的に作り出される格差社会だった。この本を見ていると彼の国に未来はない、そう思えるような内容だった。各章は連動していて非常に読み進めやすかった。良書。
世界はどこへ向かってゆくの?これは日本の未来の姿なの?そろそろ自分の幸せばかり追求してないで、外に目を向けないと、とりかえしのつかないことになるのではと末恐ろしくなりました。
噂には聞いていたけどここまでとは・・・。中国とは違う意味での悲惨さ。底辺の労働者はもはや人間ではなく使い捨ての労働ロボットぐらいにしか捉えられていないんだろう。その子供たちはフードスタンプの名の下に高カロリーで栄養価のないジャンクフードしか与えられず、高い医療費支払いために病院にも行けず、行ったが最後借金まみれになり入隊するしか方法はなし・・・除隊してもPTSDでホームレスに・・・。あぁ日本もこうならないように祈るばかり・・・
貧困が戦争とつながっているという内容に衝撃をうけました。後半からは自分の子供たちが貧困や無知ゆえに戦争に送り込まれることなどないようにと真剣に読んでました。震災もきっかけの一つですが、さらにこの本を読んで、子供にはどこに住んでも、どんなに就職難な世の中でも仕事を持てる、食べて行ける人になってほしいと思うようになりました。
アメリカの一面的な現実だが読んでいて恐ろしくなった。最大の問題は新自由主義を絶対的なものとして推し進めていったことだろう。弱者ではなく強いものの味方である市場原理を弱者が必要とする医療、教育などにまで持ち込むことで、本来の目的は等閑されて人間がモノとして市場社会に放り出されていく。やはり人が人として生きる権利は国が保障してほしい。
ルポ 貧困大国アメリカ 岩波新書巻の
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