一億三千万人のための小説教室 (岩波新書 新赤版 (786))
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一億三千万人のための小説教室 786巻の感想・レビュー(352)
再読。一度目に読んだときは、分かったような分からんような内容だと思ったが、今、小説を書けるようになって読むと、実に面白い。ほんと小説って、「書く」ものじゃなくて「つかまえる」ものだと思うから。「世界を、まったくちがうように見る、あるいは、世界が、まったくちがうように見えるまで、待つ」というのはアイデアを、どう小説空間に転換しようかという行為を的確に表現している。小説には芯がなく、いくらでも吸収して成長するというのも当を得ている。
小説をより深く読むために小説の書き方も知っておこうと思って稀代の小説家高橋源一郎先生にご教授たまわった が、結果としてより深く小説って結局一体なんなんだろうと悩むハメになってしまった 小説は書くにしろ読むにしろ奥が深いよ
指南書を読むと、作家が小説とどう向き合っているのかよく解り面白い。「小説とは何か」と問い続ける辺り保坂和志氏の論に通じる所があり、「世界をいままでとはまったくちがったように見る」は、大江健三郎氏の言う「異化」に通じる所があるように思う。「物事をちがった角度から見て、いかに新しい物を小説に持ち込むか」って辺りが小説を書く上でのキモ……なんですかねぇ。小学生のための小説教室をもとにまとめた書だそうで、とても解りやすい説明。大江氏の「小説の方法」の後に読んだから、余計にそう感じるのかも。
高橋源一郎さんのお陰で「小説」を読んで、書いて、考える、楽しさを知りました。しかし、この本はただ「小説」について書かれた本では無い。この本には「人間の生き方」にまで関わることが書かれている。言うならば、高橋さんのある種の「哲学」が書かれている。それと同時に、何と言っても、この本は素晴らしい「小説」であるのだ。
高校時代以来の再読。小説指南書は大体のところ、この本のような精神論系の内容とこの本で批判されているような「競馬必勝法」めいた方法論(?)系の内容の二つに分けられるように思う。自分は後者ばかり読んでいたのだが、以前読んだ大江健三郎『新しい文学のために』とあわせて考えると、やはり小説を書くというのは「認識」(≒精神論)が根本的な問題になっているのではないかと思わされる。「世界を、まったくちがうように見る」というのはまさしくロシアフォルマリズムのいうところの「異化」であって、大江の言うところと重なるだろう
小説を書こうとしたことが一度たりともなく、「読者」に安住することに満足している私には、おまえは小説を書くな、と言われているような気がした。ほんとうに書こうとした人のための本だと思う。
「教室」の形をとった高橋源一郎流の文学論。ことばを楽しむこと、自分なりの世界の見方を掴まえること、まねること。新書ということもあって、あっさりし過ぎてる気もするけど、本質的。真摯な作家だと思う。
読者の反応を想定した語り口や回りくどいたとえ話が鼻についたり、読点が多すぎる部分があったりでところどころ辛かったが、面白い・興味深いと思える部分もあった。この人はプロットなどよりミクロ(ミクロで表現される人格や見方)部分に関心があり、詩・歌詞的な触れ方をしているのだろう。/この手の本は多少なりとも盲目的に信用して受け入れなければならない部分があるため、著者の作品を読み、著者を尊敬し、その著者のように書きたいと思った上で読むのが良いのだと再認した。
正直、「言葉」に偏重し過ぎ、というか、新しいものの見方に固執している嫌いはある。しかしおもしろい。高橋源一郎がデビュー作から「小説」を書いてきたということがわかる。
なんだかんだで一年に一回は読み返しているかもしれない。詩的でもあり小説的でもある「小説」論の本。この本を読むたびに小説というものに対する愛おしさが増して、もっと小説の世界に深く囚われてしまいたくなる。巷によくあるテクニカルな「小説の書き方」系の本が空々しく見えてくるね。この著者の小説もいずれ読んでみよう。
「小説と遊ぶ」。自分は小説と上手く遊べているだろうか。小説を読むうえで最も大切なことのひとつだと思う。技術云々よりまえにこういう基本的かつ一番重要なことを教えてくれる点で、他の小説作法の本と一線を画している。この人ほんとうに小説が大好きなんだなあ。
小説の書き方本、ではなく、筆者が考える小説というものについての指南書。とても刺激的で、とても偏っていて、面白かったです。これで小説が書けるようになるかどうかは分かりません(逆にそういうハウツーを求めてはイケマセン、ということですかね)。むしろ、小説を読みたくなる本、という気がします。というか、私はそうなりました。
いわゆる「小説の書き方」本とはちがうもの。高橋源一郎が、小説とはどんなものだと考えているかを、ていねいに語っている。たとえそれに同意はできなくても、一読の価値はある。個人的には、あんなに読点が多いのに、それをうるさく感じさせない書き方が、よいな、と感じた。うん、やっぱり、まねはむずかしい。
平易な文章なので、ふんふんと読めてしまったのだけど、もしかして、実はとっても難しい本だったのかもしれないと、読み終わってしばらくして思いました。 もっとしっかり、じっくりと読むべきだったのかもしれません。うーん。。。
ゴホンときたら龍角散、みたいに、小説を書きたくなったら『一億三千万人のための小説教室』。執筆はここから始まる。そしてここからが長い。読み終わるとき、泣きそうになったくらい高橋先生は優しい先生だった。
とても優れた小説論。優れた論理は論じている物だけでなく、私たちの日常を根本的に揺り動かす力を持っている。小説とは、今まで自分の知りえなかった感情や感覚と向き合うこと。こんな奴いない、と否定するのではなく、こんな事を考える人もいるのか、ととりあえずボールをキャッチする事。これって小説だけじゃなく、他人との関りについても言える事では。こんな素敵な授業を受けられた小学生がうらやましい。著者が語っている「無知の自覚」と「とりあえずキャッチする」事は生きていく上で大事なことだから。小学生の書いた小説も素敵でした。
小説を書く方法を知ろうと思って読んだら、小説を読む気持ちについて教えてもらっていた。そしてそれから、書きたいという気持ちになった。よく読み赤ん坊のようにまねよう。赤ん坊より少しは歩けるからこちらからも迎えに行ってみよう。
こんなに愉快な小説論を読んだことがない。なんちゅーか、人間はどうやって小説と向き合うべきなのか、というような話だね。引用している文章も多種多様すぎて、巻末の引用一覧を眺めていたら「えっ、こんなのも混じってたの?」というような驚きに出会える。何よりも、文学って何だろう、という問いの回答が面白い。「若い頃に読んで、それから、読まなくなるもの」「本屋さんに売っているけど、その本屋さんはあまり読まず、それから、いまではエッチな本に入れ替わってしまった」「そのうちにサトリを開くと、どうでもよくなる」。
高橋源一郎の小説教室。具体的なメソッドじゃなくて、「どうやって小説と向き合うか」を教えてくれる。高橋源一郎独特のほんわかした文体も見物。小説を書くための"感覚"を学べる。
とても面白かった。彼なりの言葉で小説とはどういうものかを教えてくれる。小説を色々な角度から「遊ぶ」コツなどは、これから他の小説を読む時にも多いに役立つと思う。ケストナーの作品を出しながら、小説を書くとはどういう事かを説明する話は、とても分かりやすく感動した。参考になってる小説に対しての彼の考え方や文章も面白かった。もっかい読みたい。
読み終わるのが惜しいくらいに、楽しいと同時に勇気が出てくる本。小説を書こうとしている人、書きたい人にとってはもっとも入門的な本ではないだろうか。でもすぐに書き始められるものではない。小説はテクニックで書くのではなく、小説を好きになり、そして「遊び」「考え」なくてはならないのだ。
だれかとなにかをしたくなる(食べたい、仕事したい、おちたい、ねたい)。。すべての人をゆるせるかも。生きていてよかったかも。死んでもええかも。けど、、前にあるいていくよ わたし。ってな感じ。 最近、takagenあさりまくってます、これもよかった、よ。
物事を色々な角度から肩の力を抜いて遊び感覚で見ることが大事だと感じました。自分のことをもっと追究することもやるべきだと思いました。
小説入門に見せかけた哲学書だった。文章が上手くかけるのいいなあとあこがれて軽い気持ちで読んだら文章だけでなく絵でもなんでも全てに共通する大事なことがかいてあった。小説を読むということは人の孤独に触れてどういった孤独なのか知る、という行為と同じなのかもしれない。色んな小説を参考にあげてくれているので次に読みたい本もすぐ見つかった。何より高橋源一郎さんが小説、文章が大好きだというのが伝わってそれがよかった。
普通の小説の書き方本とは一線を隔した本。起承転結といったマニュアル的な書き方を教えるのではなく、小説を書くにあたっての障害である変な構えを取り除き、小説との接し方、楽しみ方、遊び方、を学ばせてもらえる。良書。
彼の小説論はもはや小説そのものである。小説とは人生そのものというか、すべての出来事を肯定し、見ることのできなかった出来事に対しての想像力やそれを受け止める、ということであり、そういう意味で誰でも小説を書ける、というか生きることができる。問題となるのは構えだとか変な自己同一性だとかプライドや完成させる意欲だったりするもので、そういうのから開かれて自分の世界の要素と遊べばそれでもう自分の小説をいきることができる。いやはや、その通り!
一億三千万人のための小説教室 786巻の
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