自殺について 他四篇 (岩波文庫)
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自殺について 他四篇の感想・レビュー(181)
「死は我々には余りにも必要な最後の避難所であ」る。漠然とそう思っていたが、その思考にしっかりとした筋道を与えてもらえた。やっぱりすごい。こんなにすっと入ってきた哲学書はなかった。
絶望の淵に、最後の希望が残してある。子供を産むことは、意志(と苦痛)を再生産することでもあるけど、反面で知性(と認識)も受け継がれるから、そうそう悪いことじゃないと。ここは納得できないのだけど、とりあえずショウペンハウエルは単なる厭世家でないし、そこが好き。それぞれの苦痛を抱える人々に対する寛容や、非意志の志向は厭世よりも深い。
「自殺について」という今にも社会騒動が起きそうな題名を持つこの本。もともとはどれもショーペンハウアーの代表哲学作品「意思と表象の世界」の注釈的な内容である。全体的に厭世観が漂っていて、いわば生きることの無意味さ、苦悩の多さについて多かれ少なかれ言及している。同じ皮肉といえども「読書について」の辛辣さで糧を与えるものとは違い、こちらは諦念の皮肉で、読み手の意志を阻喪させる内容。不慣れなテーマや難解な言い回しもあちこちに見受けられ、無理して読む本ではないと思う。(鋭い指摘も見られるけれども・・・)
死は人に残された最後の自由であり、何者にも侵されることはできない。これが筆者の「自殺について」最も言いたいことだと思う。18-19世紀のイギリスでは自殺について経典や哲学的考察なしに法的罰則(乃至侮蔑の言葉)を科していた。死に向かっている人は激しい精神的苦痛によって肉体の破壊に対する恐怖を一時的に忘れており、死への覚悟などする必要がないなど、自殺が精神の異常であるなどと言う「坊主ども」への鋭い批判を展開している。他にも、死について何らかの観念にとらわれている者が見落としている様々な物事を鋭く指摘している。
述べられている死生観に、共感できる点が多々あったので、内容が割りと頭に入ってきた。いたづらに死を恐れる必要はないことが再確認出来たので、今この瞬間瞬間を積み重ねていこうと思う。
▼現象としての人生、という捉え方が面白い。不幸な状態、死んでる状態が普通だというのは何だか心強いかも。そして比喩がかっこいい(生は死からの借金、眠りは……)。▼あまりに主観ありきなのはちょっと横暴な気がするし、「意思」とか抽象的過ぎだろ!とも思うけど、それだけに他者との共感を大事にしている感じは好き。というか、全体のベクトルとして感じられる、ある種の励ましというか、死を受け入れて気楽に生きることを(逆説的に)説こうとしている姿勢がイイ。▼100ページちょいと短いけれど、それなりに刺激のある読書体験だった。
薄い本。あと訳のせいかショーペンハウエルが優しかった。答えは自分で見つけるしかないということを教わった気がする。
久しぶりの岩波文庫は疲れる・・・。半分以上頭に入らなかったけど、言い回しが小難しいだけで考え方はそうでもないような。もっと自殺について色んな角度から語った内容を期待していたけど、まぁタイトルに惹かれて買ったのでしょうがない。
仏教の再生を基盤として徹底した厭世主義が展開される。現象としての生は物自体へ還り、そこからまた現象が生まれてくる。だから彼にとって自殺は意志への肯定へつながりかねない。しかし、幸福な人生というのもまた不可能である。他四篇のほうも鋭い分析がなされている。個人的に<余興としての小対話篇>が味わい深かった。
我々の真実の本質は自殺なんかじゃなくならないよって。あと幸せな人生や幸せな人間などいなくて、みんな不幸だよって。でもって生殖は情熱がないとだめで、子の生誕に対して母より父の罪が重い。人間として生まれてしまった時点で残念。…とか書いてあったような気がしますけど、眠くてうとうとしながら読んでたら、よくわからなくなったんだけど、じゃあなんのために私は生きてるの?生きなくちゃいけないの?死という幻滅に向かって無駄な時間を苦労しながらやり過ごす意味は?だめだー、全然わかってないですね。読み直さなきゃ。難しくない哲学
自殺、生きんとする意思などに関する小論を4つまとめた本。個人的には「幸福な人生はない。あるのは英雄的な生涯だ」という言葉に共感。
図書館から借り読み。旧い言葉は知らなくて読めないけど(つまり適当に読んでるのですが)、意思とか知性云々は真面目に取り合えないのでやっぱり読めなくてよかったというか、今まで深く考えもしなかった自分の人生について、良い意味で軽く考える事が出来るようになったのは結構大きな発見かもしれない。一神教への反発も含まれているような気がしなくもないけど仏教(東洋思想?)が所々褒められてるっぽい?と、このように文字が読めさえすれば楽しめるので、このカテゴリに興味があるなら一度読んでみれば?
認識できる世界に生きて(現象して)しまったら、人間必ずいつかは死ぬ。でも死ぬことはただ単に認識できる世界にある表象(知性)が消えるだけで、物自体としての意志は消えないと。意志自体は不滅(実際はこの言葉は認識できる世界の言葉のアナロジーで、認識できない意志の世界には不滅や消滅、主観と客観、時間すら存在しない)である。この辺はなんとなく分かったんだけど、その意志と知性を父と母がそれぞれ持っていて、子供がそれを授かるっていうのはよく分からなかった…
自分が考えた自殺観に似てた。倫理に少し登場してきたショーペンハウアー、他の本も読んでみたいな。難しいけども。【なすべきことがあるときには私は苦しいし、なすべきことがないときには、私は退屈なのです。】が印象的。他にも気になる文章がたくさんありました。
なんだかすごく偏った爺さんですね。私たちが見ている世界は、私たちの意志が出力したものであり、ホンモノではない(この時OSは’時間’)。また、男女の交合がふたつの概念の融合であるところは、なんだか密教思想を思い出させますね。ま、こちらでは出産と子供の方により着目しているのですが。さてまた、自分の哲学の方が彼岸の世界の素晴らしさを説いているのだからよりキリスト教的だと主張しているのはなんだか、ま、確かにそうですよね。
死んでしまったら、やはり今自分が感じてる現実の知性はなくなってしまうけれど、それは意志が現実(非形而上学的な世界)に現れ出る時の形態(?)だってことかな…?むつかしい
「人間の生涯とは、希望に欺かれて死のかいなにとびこむことにほかならない」負の方向から人生を見るのも、たまにはいいかも。余興としての小対話はちょっと和んだ。
幸せな人生は不可能!と叫び、それを証明しようとするショーペンハウアー。人生は辛いけど、何てことは無いからそんなクヨクヨすんな!と励ますショーペンハウアー。負な物の強さを本書に見た。
それにしても親しみ深い哲学家である。友達の話を聞いているようだ。それはウィットに富んだ言い回しのせいかもしれないし、苦しみを真実として容赦なく認めるに至った経緯に父の自死という彼の過去が影響しているのではという推測から来るものなのかもしれない。幸福を単に不幸のない状態と決めてしまうのは正しくないのかもしれないが、それによって救われるならそれで良い。正しいものなどないと自身が述べているのだしね。
人生にいらん期待をするからダメなんですな、逆説的に考えろと。でも、彼の文を和訳であれ読んでいると、哲学に対する余裕のようなものを感じる、洒落っけある言い回しが多い。関係ないけど、禁欲主義なんていうからウェーバーを思い出しちゃったよ。
書名からも分かる通り厭世主義的な香りが漂う書物である。いわゆるペシミストの著作だ。読んでいると気持ちが落ち込んでくる。ただ人生に関する著者の指摘は鋭く、ドキリとさせられることが多い。特に「窮乏から逃れると、今度は退屈がやってくる」という箇所に衝撃を受けた。著者とは逆に人生をプラスに捉えて生きていくには、人間や人生の暗い部分についても分析しておく必要があると思います。その点で本書はピッタリです。この一冊でショウペンハウエルのファンになりました。
一文が長くて理解しづらい所があった。比喩がうまい。人生は現象である、とするショーペンハウエルの思想はかなり新鮮だった。知性と意思の関係、動物との対比の部分、自殺はひとつの実験だという箇所もそう。だからこそ、なかなか頭に入ってきづらい所もあったけど、楽しい読書でした。「人生とは、幻想の滅却である」
窮乏から逃れると、今度は退屈がやってくる。「自分は本当に幸福だと感じた人間は一人もいなかった」という記述から、『幸福について』の内容を額面通りに受け止めてはいけないことが分かる。
ショウペンハウエルの手になる、死や生という事に対する認識を改めさせる本。かなり難しく、読むのが大変と言えば大変だが詭弁を用いて有耶無耶にしようとしてるのではなく、言っている事自体は明瞭なので哲学書にしては理解しやすいかもしれない。原書は「附録と補遺」という意味の題で、彼の主著「意思と表象としての世界」を補う哲学随筆集として位置づけられてるので、主著のほうも読んだ方がわかりやすいのかな。
ショウペンハウエルは、いわゆる厭世主義者として単純化されることの多い人だが、果たしてそうか。有限な生命をあくまで二次的なものとして捉え、その背後に厳然と聳える永遠を、ひたすら激しく、かつ優しく見据えている。反・キリストでありながら、「人間は、もともと在るべきではなかったところの何者かなのである」という原罪の思想に立脚した、純粋なヒューマニズム。自分の理想は、あるいはこういう境地なのかもしれない。なんという透徹した思想か。一個の、完成された人間の姿を見たように思う。
『自分は本当に幸福だと感じた人間は一人もいなかった、──もしそんなのがいたとしたら、多分酔っぱらってでもいたのだろう。(P45)』つまり自然に幸福になれるものではないということ。個人的には幸福になるにはわざと現状に満足することが必要だと感じていたので、まったくもって同意見。酔ってなくちゃやってられない地獄が「現実」です。そんなような一冊でした。平易だけど深い、難解。
訳がちょっと古くて内容理解以前に読みにくかった。表題の自殺についてが10Pしかなくてちょっとびっくり。他も関連してることではあるんですが。内容は人生とはなんなのかといった感じでした。「意志と表象としての世界」の付録と補遺らしいのでところどころよくわからないところが。意志と表象としての世界も読んだ方がいいのかなぁ。
自殺について 他四篇の
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