君たちはどう生きるか (岩波文庫)
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君たちはどう生きるかの感想・レビュー(730)
いわゆる「人生読本」。テーマがテーマ(山田詠美の「僕は友達が少ない」に通じる)なので、この作品から新たに学ぶことは少ない。むしろ特筆すべきは時代背景だろう。戦時中のエリート少年の生活に、言いようのない羨望を抱いた。
時代や社会背景が変わっても、人として大切なものや、あるべき姿は変わらないのだと改めて気付かされる。『自分の体験から出発して正直に考えてゆけ』、『ありがたい』の意味が『そうあることがむずかしい』、『人間同士調和して生きてゆくべきもの』、『正しい道義に従って行動する能力を備えたものでなければ、自分の過ちを思って、つらい涙を流しはない』などなど、感銘を受ける。なんて、名著!梨木香歩さんの「僕は、そして僕たちはどう生きるか」の底本と知り読んだ甲斐あり。素晴らしい本に出会わせてくれた梨木さんに感謝!
考え方や振る舞い方について考えさせられる本。人格をどう高めていくか。子どもたちに読んで欲しい!戦前の本だけれど現代人の心にもとても響く本。
1937年初刊。中学生のコペル君の目を通して、社会の成り立ち、物の見方を、簡潔明瞭な言葉でやさしく説いてくれる。そして時折、作者の厳しい視線が垣間見えるときも。「君も良い心がけをもっていながら、弱いばかりにその心がけを生かしきれないでいる、小さな善人がどんなに多いかということを、おいおい知ってくるだろう。---中略--- 人類の進歩と結びつかない英雄的精神も空しいが、英雄的な気魄を欠いた善良さも、同じように空しい」人に生まれたなら、人のために生きよ!作者の熱いメッセージが聴こえる。
コペル君の日常と叔父さんの綴るノートを通して、認識と思考について語り、“君たちはどう生きるか”を問う不朽の名作。梨木香歩の『僕は、そして僕たちはどう生きるか』の元ネタとのことで手に取りました。舞台設定こそ時代色が強いものの、語られる内容は普遍的。明晰な語り口と共感を呼ぶ物語が、古さを感じさせません。戦前の作品だということに驚きました。ずっと読み継がれて欲しい本ですし、様々な物事が目まぐるしく流れて行く現代だからこそ、読んで欲しい本です。(長文につき、コメント欄へ続きます)
小中学校の道徳の授業で教わるような人間倫理において大切なことや、ものごとの見方といったことが書かれており、示唆に富んだ一冊です。随所に子供らしいやや幼稚な語彙や素朴な比喩が織り込まれていて、読んでいて自分が幼かった頃の純粋さを思い出さずにはいられませんでした。
北見君たちがボコられてるのに、止めに入れないコペル君。
自分もこういうことあったなー。
そこでどう感じたか、どう行動すればいいのか…色々考えるわ。
あとニュートンのくだりもよかった
背筋がしゃんとのびるような本だった。深く地中にあろうとも、のびざるをえない「何か」が動き出した気がする。一番印象的だったのは、コペル君が自責の念にかられるところ。自分なら本来そうあるべき在り方がわかっているからこそ、苦しい。しかし、けして自分に絶望してはならない。勇気と自信をもらえた。
これこそ中学生のときに読みたい本だな~。出会ったのは子どものときだけれど、大人になってからきちんと全部意識して読んだ。10代前半にこれを真面目に読んで感銘を受けたなら人生のみかたが少し違っていたのかもしれない。哲学に触れながら少しずつ成長するコペルくんの姿は瑞々しく、家族や友人など彼をとりまく環境はとても温かく優しい。最初に発表されてからもう何十年も経つが、いい意味でその時間を感じさせない。名作というものはいつ読んでも色あせず、しっかりと読者の心を打って美しい音を響かせる。
若いときに読んでおけばよかったと後悔。しかし逆にこの年になってから読むと今の自分が失っているものの大きさに気づかされる。この本を読んだことで自分を見つめなおしたい。
「中学生の時に読んでいれば良かったと本当に後悔した本」と薦められて読んだ本。戦中に書かれたので、舞台設定は大正時代〜昭和初期ではあるが、人が生きる上で本当なら必要なこと、考え方が凝縮されていると感じた。最近、これからどう生きていくかを考える機会があったところでの推薦本だったので、本当に有り難かった。同時期に刊行された他の本も読んでおきたい。ただ、この内容を自分が中学生の頃に読んでも多分響いてこなかったと思うと残念。おそらく、中学生だったころの自分はコペル君達よりある意味ですごく"子供"だったので、この本の
この内容の本が、戦争の時代に書かれ、発刊されたことそれ自体が素晴らしいと感じました。「なにが正しいか」を問うものなんて、差し止められる可能性がじゅうぶんすぎるほどあったと思う。印刷をして世に出したひとたちに敬意を払います。
小説の中で、主人公の中学生の身近に起こってゆく様々な出来事を通して読者に倫理感や社会科学を凄く自然な形で説いていて、「文章上手いな〜」と感じた。
平易なのに暖かみのある描写とコペル君の純朴さが合わさり、ハートウォーミングな物語に仕上がりつつ、人間の倫理をしっかりと伝えている作品。分かりやすく書かれているだけに、おじさんのノートの言葉がチクッと真っ直ぐ突き刺さってくる箇所も…。丸山眞男の回想も必見。
最初タイトルを聞いたとき、大学教授が大学生に指南する感じの固い本を想像していたが、中学生向けの倫理の本として書かれていたものであり、物語調であり、とても楽しく読むことができた。就活をしているとどういう人生を送るかみたいなことはよく話題になるわけで、特にベンチャーや起業を勧める方々からうかがう真新しそうな話も、根底にあるものは、この本が書かれた1930年代から変わっていないのだということを認識できたことは大変有意義だった。 とりあえず2冊新しく買って、妹とかてきょ先の子に渡そうと思う...
本書の中で語られる、 「人としてどう生きるか。人間が本来どういうものであるべきか。本当に人間らしい関係とは何か。ありがたさとは何か。」、響く言葉が多く大変為になった。
過ちを犯して後悔に沈んだときこそ、そこから「どう生きるか」が試されるだと思う。加えて、過ちは自分一人では気付けない。二話で、北見君が自分の考えの誤りを潔く認める清々しい場面と六話以降、親友達に対する卑怯な態度への激しい悔恨、甘い自己弁護の誘惑、そして勇気ある謝罪というコペル君の成長物語は、そのことを教えてくれる。そういえば書名は「君は」でなく複数型の「君たちは」だった。「人間分子の関係」が示すように、目に見えず、望まずとも自分と継っている人々との関連性を意識することが「人間らしい」生き方なのだろうか。
哲学者が書いた児童向けの本ということでおじさんの言ってる事がなかなか難しく、それでいて優しく、そのくせ解りやすい。コぺル君が実際に体験したある事例を基におじさんがその事に対して評価していく形で物語は進行していくが、おじさんの頭の良さが凄まじい。たぶんこの人20代半ばとかそのあたりの年齢かと思う。同じくらいの年齢にしてここまで思索に耽らずなんとなく生きてきた自分と比べてしまう所もある。コぺル君のような「弟子」に似た存在を持たされたらどう立派な人間に育てていけば良いのかなんてね。おじさんは作者の代弁者だろう。
この作品を知ったのは、ジブリ美術館の図書館に置かれていたから。この本について考えるべきことがたくさんある。人間としてどう生くべきか、自分は社会あるいは歴史とどう関わっていくか。「山の手」や階級のこと。「古典」のこと、「文学」のこと。これを勧めた宮崎駿のこと。私が人間としてどう生くべきかを考えるようになったのは、大学の後半。須賀敦子やサン=テグジュペリと出会ってからだが、本書とならもう少しはやくから考えることができただろう。
初版は戦前の1937年に出版された青少年向けのもの。 国中が全体主義に流れていく中で、青少年に向け『君たちは、どう生きるか。』と閉めている。 『岩波文庫』として出版された、82年にはむしろ同意できないような感想が多かったかもしれない。 何もしなくても、”良い方向”に向かっているように見えた時代だったから。 しかし、2011年現在、上流下流の格差、他社とのコミュニケーションの難しさが再び顕在化してきている。 物質的には裕福になった今、「大人」が問いかけられているように感じた、 『君たちは、どう生きるか。』
コペル君…。このあと、怒涛の戦争に巻き込まれていったんだなと思うと切ない物語です。面白いって紹介してくれたのはお客さん。ありがとうございました。
『僕たちは、自分で自分を決定する力をもっている。だから誤りを犯すこともある。しかし ― 僕たちは、自分で自分を決定する力をもっている。だから、誤りから立ち直ることも出来るのだ』。この言葉が一番好き。あと、ニュートンの林檎と月の話も面白かった。このエピソードを読んだとき、デカルトの「一切を疑うべし」という言葉とこれとが重なる印象を受けた。
大人であろうと子供であろうとも、常に成長する。何かから学ぶことが出来る。歴史から、失敗から、自然から、自分自身から。学びは常に周りにある、成長の種は沢山ある。種を見つけて育てるのは自らの地道な努力。君たちは、どう生きる?
傑作.裏切りについてのこんなにも凄まじくプリミティブな葛藤をこれまで読んだことがなかった.自分の内面にも向き合わざるを得ず心が震えた..初出は戦前の昭和12年.題名は堅いけどとても読みやすい物語.あと丸山真男の解説も良かった.
読んだ後に不思議な清々しさが胸に残る。ただ正直思春期の時に読んでいたら、説教くさい所が鼻について素直に受け取らなかったんだろうなぁと思う。しかし20代も半ばを過ぎている立場から読むと、人とのコミュニケーションとか、約束とか、仲直りとか、そんな基本的なことができることはとても重要だということが身にしみてくる。「本当に尊敬ができるのは、人類の進歩に役に立った人だけだ」という所は、それはちょっと違うんじゃないかと思う。人類全体の進歩に役立つことは、家族や友達を喜ばせたりすることと直接な関係はない。
瀧本さんの本からこの本にたどりついて読破しました。難しいかな?と思ったけど読みやすかった。自分に足りなかったのはこういう社会科学的に認識だったのだなと思いました。たくさんの書物や学びを通じて今はなんとなく分かっているけど、大人になる前に誰かにもっとちゃんと教えてもらいたかったです。もうこんな昔から、現代にも通じる考え方があったのだなぁと思った。この本にあるような、生きるために大事なことを自分は伝えていけるだろうか。
できるだけ簡単な言葉で、でも深く考えると結構小難しいこと書いてたり。道徳の本とか哲学の本読んでるような気分になりました。思ったよりおもしろかったけど子供の時読んでたら途中で投げ出してたかも。
中学生の「コペル君」を取り巻く出来事とそれを見守る「おじさん」のノートからなるやさしい児童書。哲学の入り口としてこの上なく良作。読みやすい文章の中にたくさんの思考材料が詰め込まれています。生きるということは人と関わることと切り離せないんだな、と強く感じました。戦前の本ですが扱われているのは普遍的なテーマばかりなので、哲学に興味のある中高生にはぜひ読んで欲しいな。
読書メーターで知った本。読むことができて良かった。学生の頃出会っていたら…と少し残念だけど、本との出逢いは巡り合わせだし。頻繁に読み返すことはないだろうけど、何かのふしに読み返して色々と自問自答したり、日々の自分を省みることができそう。何十年も前に書かれた本なのに、普遍的な内容だからか今読んでも引き込まれる魅力がある。私が言葉で表現すると語彙が少ないせいか、軽い感じになってしまうけれど、文学ってすごいな。
時代は違えど現代でも通用する卓見が多く感心しました。特に天動説→地動説を人の成長に例える話、ガンダーラの仏像の話が強く印象に残りました。自分はいい年した大人ですが、読んで反省させられることしきりです
君たちはどう生きるかの
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